HK TEN TREE LIMITEDが運営するPC/モバイル向けミリタリーロボSRPG『鋼嵐 - メタルストーム』。同作に対しスクウェア・エニックスが日本を含む複数地域での訴訟を行ったとする旨を海外メディアVGCなどが報じています。
同作は、メカによる戦乱が相次ぐ「ミハマ島」を舞台に、プレイヤー独自のメカ小隊を結成して敵メカとの戦場に挑むシミュレーションRPG。メカのカスタム要素なども搭載されており、全体的な雰囲気はスクウェア・エニックスの『フロントミッション』シリーズに酷似したものとなっています。
『フロントミッション』最新作が『鋼嵐』に至った過程は?
しかし、それもそのはず。同作はもともと2022年4月に発表された『フロントミッション』シリーズ最新作『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』であったとみられています。これは『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』の発表から8ヶ月、同年12月に同作の公式サイトなどが閉鎖され、その数日後にほぼ同一のキャラクターなどを用いた『鋼嵐』が発表されたことを受けてのことです。
なお、当時弊誌がスクウェア・エニックスに対し、『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』のサイト閉鎖などについて問い合わせた際には「開発会社からの発表をお待ちいただけますと幸いです」との回答をもらっています。
しかしながら、その後『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』に直接言及した発表はスクウェア・エニックス、HK TEN TREE LIMITEDいずれからも行われていません。
『フロントミッション』最新作の「開発アセット」は、廃棄されているべきだった?
『鋼嵐』が『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』のアセットを開発中止後にも契約に反し放棄せず、不正に利用しつづけているとする旨である今回の訴訟では、『鋼嵐』の差止め及び、『鋼嵐』側への損害賠償が提起されたと報じられています。
前述の『FRONT MISSION:BORDERSCAPE』との関係性を鑑みれば、スクウェア・エニックス自身が何らかのアセットを『鋼嵐』開発へと受け渡したというよりは、NEXON内の開発中止プロジェクトのアセットを流用したとし記事執筆時点でなお法廷闘争の続く『Dark and Darker』をめぐる一連の事柄や、『プロジェクトKV』について『ブルーアーカイブ』の開発中にその制作が並行して進められていたとする事例が近いかも知れません。
実際の裁判となれば、契約が適切なものであったか、または両者のアセット間の流用がどの程度認められるかなどが争点になるとみられます。
『鋼嵐』の配信はまだ一部継続中
『鋼嵐』は公式サイトや各公式アプリストアのほかSteamでの配信も行われていましたが、2024年11月末にはSteamでの配信は終了しています。一方でモバイル向け及び公式サイトでの配信は継続されています。なお、スクウェア・エニックスおよびHK TEN TREE LIMITEDからは記事執筆時点で本訴訟に関連した発表は行われていません。
弊誌ではスクウェア・エニックスに対し事実関係の確認などを行っており、続報があり次第お伝えする予定です。