
ついにトリロジーも完結を迎えるSF RPG『Mass Effect』シリーズ
海外では高い評価と絶大な人気を誇るものの、SFアクションRPGという珍しい存在のためか、国内では純粋なシューターやRPG作品に比べて話題にのぼることが少ない『Mass Effect』シリーズ。今回は最新作『Mass Effect 3』が発売直前ということで、同シリーズが生まれた経緯や歴史にスポットライトを当て、みなさんにその魅力を出来る限りお伝えしていきたいと思います。

『Mass Effect』シリーズの開発を担当しているカナダのゲーム開発会社BioWareは新鋭デベロッパーとしてRPGジャンルで突如大成功を収めたわけで無く、その創設は17年前の1995年とかなり古いもの。テーブルトーク“D&D”をベースにした『Baldur's Gate』や『Neverwinter Nights』など多くのPC専用ゲームを開発し、『Mass Effect』を発売する前から既にファンタジーとSFジャンル、そしてアクションとRPG分野において大きな成功を収めていました。
2003年に『Star Wars: KotOR』、2005年には『Jade Empire』を初代Xboxでも発売、家庭用コンソール市場でも評価を得たBioWareは、MicrosoftパブリッシングのもとアクションRPG『Mass Effect』を2005年に正式発表。その後2007年に同社はElectronic Artsに買収されたものの、同年翌月にトリロジー(三部作)の第1作目としてXbox 360版『Mass Effect』が無事発売、翌年にはPC版もEAよりリリースされます。
『Mass Effect』はゲーム業界の度肝を抜いたといっても過言では無いでしょう。長年の経験により生み出されたRPGとアクションの見事な融合、次世代の美麗グラフィック、丹念に描かれた壮大な宇宙の陰謀、重厚なスペースオペラ、誰もが夢中になる魅力的なキャラクターたち。海外サイトでは軒並み9/10前後のスコアを叩き出し、Spike TV AwardsからベストRPG、ニューヨーク・タイムズからは2007年度のゲームオブザイヤーなど幾つもの賞を獲得。華々しくトリロジーの先陣を飾りました。
初代『Mass Effect』で最も評価された要素と言えるのが、“重厚なSFの世界観”と“ダイナミックな物語”、そして“巧みなストーリーテリング”。人類を代表するシェパード少佐が機械種族リーパーの野望を止め銀河の平和を救うという王道の物語は、重厚なSF設定によって深みのあるものに味付けされ、それでいて良質なハリウッド映画のようなダイナミックなストーリー展開で誰もが楽しめるエンターテイメントに仕上がっていました。
またストーリーテリングの面でも“リニア型RPG”として凄まじい作り込みが施されています。リニア型であるが故にオープンワールド型RPGのような自由度はなく、大筋のストーリーは定まっていますが、その分プレイヤーの選択やシェパードの設定などで非常に細かな部分まで会話の内容や物語の展開が変化。ドッシリと構えられた大きな1本の物語に、これらの小さな枝が複雑に絡むことによって、プレイヤーは物語に食い違いや違和感を感じることなくシェパード少佐としてゲームに没入することが可能です。この辺りは日本人ならば同じリニア型である事が多いJRPGに近い感覚を受けるのではないでしょうか。

大きな成功を収めた『Mass Effect』に続き、BioWareは2009年にトリロジー第2部『Mass Effect 2』を正式発表し、2010年と2011年、PC/PS3/Xbox 360向けに同作をローンチ。MMOチックだった初代のアクションは輝くほどにブラッシングされ、スピーディかつ戦略性のある本域のTPSに進化。RPG要素が減ったとの指摘もあったものの、移動場面やアイテム管理、アップグレードなどの要素もよりスリムかつタイトに再調整されました。
特にシューター部分で驚異的とも言える伸びしろを魅せつけた『Mass Effect 2』は、前作以上にシリーズの偉大さをゲーム業界に刻み込みます。AIAS、BAFTAといったそうそうたるアワーズのベストゲームに輝き、2010年のゲーム関連賞を総ナメ。各媒体のレビュースコアでもその7割が満点をつけるという凄まじい結果となりました。シリーズの累計売り上げは700万本を突破、さらにファンタジーRPG『Dragon Age』の成功も重なり、次世代機ユーザーにも広く“RPGの雄BioWare”の名が知れ渡ることとなります。

海外ではこれほどの評価を受けている『Mass Effect』ですが、冒頭でも述べたように、SFの世界観、洋ゲー、TPSというカテゴライズでイマイチ国内では話題になっていない感も。そんなユーザーにもオススメしたいのが“キャラクターゲームとしての『Mass Effect』”。本シリーズではキャラの立った仲間NPC達との交流も大きな魅力の1つであり、親交を深めることでムフフなラブロマンスも用意されているのです。魅力的な人物は本編に多数登場しますが、ここではその中からほんの一握りのキャラクター達を簡単にご紹介したいと思います。

初代から登場するタリゾラ・ナ・ラーヤは防護服を常に纏うクォリアン族で、ゲーム中はメカニックとして活躍。
マスクの下に隠されたその可憐さにヤラれた男性ファンは数知れず

初代ではトゥーリアン族の宇宙刑事として登場するギャレス・ヴァカリアン。
正義感の強い熱血漢ですがどこか抜けた感じのある犬顔に愛嬌があります

コトブキヤの美少女フィギュアシリーズにも電撃参戦したリアラ・ティッソーニ。
アサリ族の一員で調査に没頭してしまうような研究者ですが、他人との交流は苦手。守ってあげたい系女子(108歳)

贖罪を求め宇宙の闇を彷徨うドレル族のセイン・クリオス。
殺した相手の前で祈りを捧げるなど、神秘的でキザな立ち振舞と行動が似合うミステリアスな暗殺者

大成功を収めた『Mass Effect』は、海外で小説、コミック、映画、アニメなど、その後多数の派生作品を生み出し、ひとつの巨大フランチャイズとして展開中。そこで描かれてきたシェパード少佐一行の物語も、いよいよ国内で3月15日に発売となるゲーム最新作『Mass Effect 3』で銀河の命運をかけたトリロジーの最終章を迎えます。
Game*Sparkでは『Mass Effect 3』の詳しいプレイレポートもお届けする予定なのでお楽しみに!
※UPDATE: キャラクター名を一部修正しました。12さんコメントでのご指摘ありがとうございます。
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