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昨年リリースされた『Baldur's Gate: Enhanced Edition』を皮切りに、『Fallout』シリーズの原点『Wasteland』やカルト的な人気を誇る『Plane scape: Torment』の最新作『Torment: Tides of Numenera』など、クラシックRPGフランチャイズの復活が業界で1つのムーブメントとなっています。そこで、本企画では今プレイしても充分楽しめるような“不朽のRPG作品”の数々を連載企画としてお届けしていきます。
今から遊ぶなら… |
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記念すべき第一回目は、現在PC向け新作タイトル『Shroud of the Avatar: Forsaken Virtues』を開発中のリチャード・ギャリオット氏による古典的RPG『Ultima』から第6作目『Ultima VI: The False Prophet (ウルティマ6 偽りの預言者)』をご紹介。
本作は1990年(筆者の生まれた年です)にリチャード・ギャリオット、ウォーレン・スペクター両氏によって生み出され、PC-9801、X68000、FM Townsなど様々なプラットフォームからリリースされました。
オリジナル版は入手の難しさや動作環境から見て、とても現在手軽にプレイ出来るものとは言えず、ほぼコレクターズアイテムとしての位置づけ。Windows向けにナンバリングタイトルを全てセットにしたコレクションパッケージも存在しますが、どれもプレミア価格にまで高騰し中々手を出しにくい状況となっています。
そこで、今回はネットオークションやゲームショップでも安価で取引され、日本語ローカライズ版としてもクオリティが高く、筆者が一番遊びやすいと感じたスーパーファミコン版『ウルティマ6 偽りの預言者』をメインとして進行させて頂きます。
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更にFM-Townsだとボイスも収録されているのだとか。
尚、全篇英語バージョンとなりますが、海外デジタルゲームストアGOGではIVからVIまでをまとめた『Ultima 4+5+6』セットも販売中。PCバージョンは操作性やサウンドなど全体的にクセがありますが、全世界の生物を抹殺する禁断の呪文アーマゲドンや、死んでしまった仲間の火葬など、スーパーファミコンではカットされてしまったユニークな要素も存在するので興味のある方はこちらもオススメです。また、同サイトに登録すると無料で『Ultima IV』もプレゼントされるので一緒に挑戦してみるのも良いでしょう。
今遊ぶならコレ!
スーパーファミコン版: 中古相場で1000円以下で購入可能。国内ローカライズとしても好評判。ただし一部要素がカット・簡略化。
GOG版: 英語版が5.99ドルで配信中。当時のPCゲーム基準なので操作性やグラフィックは今プレイするにはやや難あり。日本語でプレイしたい方は若干高価ですがWindows向けの『ウルティマコレクション』がオススメ。
スーパーファミコン版: 中古相場で1000円以下で購入可能。国内ローカライズとしても好評判。ただし一部要素がカット・簡略化。
GOG版: 英語版が5.99ドルで配信中。当時のPCゲーム基準なので操作性やグラフィックは今プレイするにはやや難あり。日本語でプレイしたい方は若干高価ですがWindows向けの『ウルティマコレクション』がオススメ。
シリーズは初代『Ultima』から1999年にリリースされた『Ultima IX』までストーリーが続く続編もの。『Ultima VI』では、8つの道徳を極めて聖者アバタールとなったプレイヤーが異世界ブリタニアの危機を救い地球へ帰還し、退屈な日常から自宅で引きこもりがちになっている場面から物語がスタートします。
ブリタニアでは人間とガーゴイルによる種族間の戦争が勃発しており、プレイヤーは戦争の解決を目的に新たな冒険へと旅立つ事に。哲学的なテーマを持ったストーリーがシリーズの大きな特徴で、本作では“勧善懲悪の在り方”を軸にした物語が描かれていきます。
オープンワールドRPGファンには特にオススメ |
ゲームは、オーソドックスなRPGスタイルが採用され、戦闘よりもアドベンチャー要素に重点が置かれています。マップはシームレスの広大なオープンワールドで描かれ自由に冒険をする事が可能。また、登場する住民たち一人ひとりに名前や膨大なテキストのバックストーリーが用意され、彼らは全員ゲーム内の時間に合わせて行動しながら独自の生活を営んでいます。
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住民一人ひとりに設定が用意されていて、名前や仕事、近況等も話してくれる。
メインストーリーの最終地点は同じですが、そこまでの過程をどのように攻略するかはプレイヤーの自由。特にクリアには関わらないダンジョンや施設も多数存在するので、ゲームの古臭ささえ気にならなければ『The Elder Scrolls』シリーズや『Baldur's Gate』のファン、兎に角ファンタジーの世界観を自由に冒険したいという方にはピッタリのタイトルでは無いかと思います。
しかしながら、他シリーズに比べればかなりマイルドなもののゲーム難易度は中々高め。加えて、クエストログは勿論の事インゲームマップ等も存在しないので実際のプレイにはメモ帳が必至となります。筆者はこの不便さが逆に新鮮で楽しめたのですが、メモ取りや、手元の資料、マニュアルと照らし合わせながら攻略していく作業をどう捉えるかでも本作の評価は大きく変わってきそうです。
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『Ultima Online』との共通点 |
読者の中には「ナンバリングシリーズは未プレイだけど『Ultima Online』はハマった!」という方も多数いるかと思います。『Ultima Online』はナンバリングシリーズの世界観をベースにした作品となり、その中でも特に本作以降がゲームの基盤となっています。ブリタニアの基本的な地形や施設も殆ど一緒で、UIやアイコン、グラフィック、音楽など共通点も非常に多いので、ちょっとした観光気分でゲームをプレイする事が出来るはず。
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画像ではマップの大さがあまり感じられませんが、実際にプレイするとかなり広いです。
また、余談ですが、各シリーズのシークレット要素としてやたらと凝った方法で王を暗殺する事が可能で、『Ultima Online』で最大の事件とされる、ロードブリティッシュ王暗殺事件(無敵フラグを付け忘れたリチャード・ギャリオット氏のキャラクターが演説中にプレイヤーの魔法で殺された事件)は、ある意味での伝統ともいえる出来事だったようです。
ハイクオリティなファンメイド作品も |
非公式ながらも、海外ファンの間では本作のリメイクプロジェクトも幾つか進行しています。その中でも最も有名な作品が『Dungeon Siege』を使用したリメイクMod『The Ultima 6 Project』。2006年から開発がスタートし、今年2月にも最新バージョンがリリースされるなど、長い年月をかけて作られている大作です。プレイには『Dungeon Siege』に加えてオリジナル版の所有が条件となりますが、興味のある方はチェックしてみると良いでしょう。その他オンラインアレンジを加えた『Ultima VI Online』や『Minecraft』でのリメイクプロジェクトなど、様々なファンメイド作品が現在も沢山登場しています。
ざっと駆け足で紹介しましたが如何でしたでしょうか。温かみのあるドット絵やサウンドは、現在主流の3Dオープンワールドタイトルとはまた違い、新鮮な気分で楽しめるのではないかと思います。
シリアスなイメージが強いシリーズですが、ゲーマーにはソリッド・スネーク役などでお馴染みの声優 大塚明夫氏のちょっとマヌケなセリフとリチャード・ギャリオット氏のつたない日本語が聞ける『Ultima IX』や、ソ連のロケットで宇宙に行ったり、馬に乗ってマックのドライブスルーでお買い物が出来る『Ultima II』など、なんとも言えないカオスな魅力も存在するので興味があればそちらもチェックしてみてください。
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※本文中、誤解を招く恐れがある為ストーリーについての説明を一部修正しました。
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