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ゲーム内ではザッカリーがリーダーの保守団体ファウンダーズと、アナーキー派のヴォックス・ポピュライの戦いが描かれた『BioShock Infinite』。このファウンダーズが公布したという形で登場した架空のポスターイメージを、アメリカに実在する茶会系保守派組織がプロパガンダとしてFacebookへ投稿していたことが明らかとなりました。
空中都市コロンビア内に多種多様なプロパガンダポスターが登場した『BioShock Infinite』ですが、今回使用されたのは「神と国のために」と題されたファウンダーズのポスター。工業化が進むアメリカにて移民が増えた時代を背景に「相成れない者の一団を防ぎ止めるのは聖なる義務だ」とのメッセージが添えられた1枚で、インディアン含む周囲の外国人たちが卑屈に描かれた、当時のレイシズムや孤立主義を再現した内容となっています。
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すでに削除されたFacebookページ
『BioShock Infinite』をプレイすれば決して保守派とアナーキー派どちらも賛美しておらず、むしろ強硬派によって生み出される軋轢や悲劇を風刺して描いたことは明らかですが、皮肉にもその作品のポスターイメージを実際の政治活動に使用したということで、海外ではForbes含む複数のメディアがこの珍妙な事件を報じています。ゲームデザイナーのKen Levine氏がそれだけ真に迫る政治闘争を描いたということでしょうか。
なお茶会系保守とは2009年からアメリカで始まった政治運動「ティーパーティー運動」にて生まれた一派で、「大きな政府」路線への抗議とバラク・オバマ政権の打倒を目指している組織や団体。共和党内にも茶会党系と呼ばれる派閥が存在し、彼らの歳出削減を求める強行的な要求が今年起きた「政府機関閉鎖」を招いたと指摘されています。今回イメージを使用したのはフロリダ州に位置する「The National Liberty Foundation」と呼ばれる茶会系保守組織。ただ茶会系にも様々な思想があり決して彼ら全員がレイシストであるとは断言できません。