開発中止になったプロジェクト『Blunderbuss』
Blizzard、Relic Entertainment、Sony Online Entertainmentの元社員で昨年結成されたMolten Gamesが3月24日をもって閉鎖されていたことが、複数の海外メディアによって報じられています。同社の元従業員がPolygonのインタビューに答えました。
関係者によると、24日朝の全体集会にて同社役員から社員約60名の解雇が涙ながらに伝えられたということで、退職金を受け取った社員たちは同日正午までにサンディエゴオフィスから退去するよう命じられました。
閉鎖当時、Molten Gamesは新作『Blunderbuss』の制作中であったとのことで、元アートディレクター、Billy Ahlswede氏は自らのブログで「このプロジェクトを手掛ける最高のチームで、アートディレクターを務めることが出来たことを光栄に思うよ」と前職への想いを語りました。加えて、「プロジェクトは中止されたけれど、ゲーム映像はこのように現存しているんだ」と述べ、元リードプロデューサーがYouTubeに公開したゲーム動画を紹介しています。
また、同社の元技術ディレクター、Joshua Kriegshauser氏は「開発資金を!」と書かれたオフィスの掲示板画像をTwitterで公開し、「この作品をどうしてもプレイしたかった」と制作中止への悔しさを滲ませました。
Spotted on the bulletin board at @MoltenGames pic.twitter.com/cnF0Lrf1jp
Joshua Kriegshauser (@autenil) 2014, 3月 28
Molten Gamesは8ヶ月前の2013年7月14日に、Blizzard、Relic Entertainment、Sony Online Entertainment出身のベテラン開発者たちにより発足されました。同社は韓国のゲーム開発会社NCsoftの資金提供によって創設され、CEOのJungwon Hahn氏はプレスリリースへの発表の際、「ゲーム開発をコントロールするため。大作となるものを創るため」とスタジオの将来に大きな期待をかけていました。
PolygonによるNCsoft責任者への問い合わせによると、初期投資以外の言及は一切ないそうで、「NCsoftはMolten Gamesへ経済目的での投資を行ったに過ぎず、運営には関与していない。したがって、それ以上のコメントはできない」とのことです。
『Blunderbuss』キャラクター紹介動画
今回インタビューに応じた元従業員によると、Molten Gamesの役員は失業者に対してメールを通じたリクルーターとの仲介支援を行っており、Amazon Game Studios、Blizzard、Riot Gamesなどは彼らのためにジョブフェアを開いたとのことです。「長い業界生活の中でこれまで見てきた悪い状況の中でも、今が最善の扱いだよ。首切られて音沙汰なしなんて状況には慣れっこだからね」
同氏はまた、スタジオが閉鎖になった原因に触れて「今まで関わってきた中で、どこをとったって最も才能あふれるチームだった」と語り、今回の悲劇が決してスタッフの能力不足が引き起こしたものではないことを強調しました。開発者の視点からは、このレイオフが同社の経済状況のみに起因するものかは断言できませんが、開発現場と予算運用に求められるパートナーシップが堅固なものでなかったのは明らかなようです。
「またこんな人たちに囲まれて働けたらいいなって。そんな機会へ飛び込みたい」同氏からは未来への希望があふれているようです。
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