「Titan」は数年前よりBlizzardのスタジオ内にて開発されていることが確認されていたプロジェクトで、人気MMO『World of Warcraft』に続く次期タイトルとして正式発表前から注目を浴びていたタイトル。一方で昨年5月にはプロジェクトのリセットが報じられ、Blizzardの代表者が「デザインと技術面での大きな変更があった」と公式声明を出す事態となっていました。
Blizzardの共同設立者でありCEOであるMike Morhaime氏は、Blizzardがまだ「Titan」を正式発表していなかったことをインタビューの中で強調しています。Morhaime氏は『World of Warcraft』のノウハウから同社がMMOの作り方に自信があったことを語った上で、それでも「Titan」では「面白さを見いだすことができなかった。情熱を見いだすことができなかった」と説明し、「Titaは自分たちが本当に作りたいゲームなのか」を問う再評価を経た結果、答えは「NO」だったとしています。
またシニアヴァイスプレジデントのChris Metzen氏は「Titan」の開発中止が過去の『Warcraft Adventures』や『StarCraft Ghosts』などと同様に厳しい決断であったとコメント。それでも「引き際」を理解することが重要であると伝え、「Titan」の開発においてはちょっとした草原のなかで迷子になり方向を見失っていたと語っています。
ほかにもローリング・ストーンズやU2など往来のバンドの名を挙げたMetzen氏は、メンバーたちが時には不仲になりグループ脱退や再編を行っていると例に挙げました。「Titan」では素晴らしいアイディアがいくつか存在したものの、それらがうまく噛み合わなかったようです。
そもそもBlizzardが第2のMMOを作り、開発リソースを割くようになった要因はなんなのか?Metzen氏はそれが「惰性や義務、そしてコミュニティやBlizzard自身が心の中で抱いている同社へのアイデンティティ」であったと語りました。Metzen氏は「これは本当に我々なのか?これは我々が情熱を燃やし数年間も取り組みたいことなのか?我々はMMORPGの会社なのか?」と自らに問いかけています。
Morhaime氏は「我々は特定のジャンルで自身のアイデンティティを縛り付けたくない。我々は毎回すばらしいゲームを作りたいんだ」と返答。「MMOを再びやらないとまでは言わない。ただ私がいま言えるのは、MMOは我々が時間を費やしたいジャンルではないということだ」と、現時点でのMMOジャンルに対するBlizzardの姿勢を簡潔に表現しました。
近年はF2PやMOBAジャンルが大きな成長を果たしているオンラインゲーム市場。Blizzard自身も『Hearthstone』や『Heroes of the Storm』といったプロジェクトを現在進めています。"Blizzardは『Diablo』や『World of Warcraft』といった一定のスケールのある作品を輩出する"。そんな感覚に自身らを押し込める必要はなく、実験的で独創的な作品に自ら望んで取り組めることができることを、『Hearthstone』にて学んだとMatzen氏は語りました。そしてそうやって生み出された作品は、「おそらく壮大な大ヒット作品ではない」としめくくっています。
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