
今回プレイデモのプレゼンを行ってくれたのは、本作の開発元であるCD Projekt REDのシニアライターを務めるヤクブ・スザマレク氏、シニア・QA・アナリストのバルトシュ・オクマン氏、ビジネスデベロップメントマネージャーのラファール・ヤキ氏、そして日本版のローカライズを担当するスパイク・チュンソフトより、本間覚氏の4名。
まず本間氏より、本作に関する簡単なレクチャーが行われました。『ウィッチャー3 ワイルドハント』は、ポーランドの人気作家であるアンドレイ・サプコウスキ氏が執筆するシリーズ小説を原作にしたRPG。怪物退治の専門家「ウィッチャー」を操り、壮大な世界を冒険する設定が魅力です。

1作目と2作目はXbox 360/PCで発売されてきたシリーズですが、今作『ウィッチャー3』はPS4/Xbox Oneで国内発売予定。プレイステーションシリーズで初めて発売されることでも話題を集めています。そして今回のプレイデモもPS4版となっていました。
尚、CD Projekt REDが発売するPC版は、スパイク・チュンソフトが制作する日本語テキストと音声を基にしたデータパックを、国内PS4/Xbox One版の発売に合わせて配信予定とのことです。

ここからはスザマレク氏を中心にしたCD Projekt REDのメンバーによるプレイデモがいよいよスタート。デモの舞台となったのは陰湿な湿地帯で、主人公・ゲラルトが、自身の養子であり現在は行方不明になっている女性シリを探しているところから始まります。ゲラルトは「森の貴婦人」と呼ばれる3人の魔女が、シリの居場所を知っているという情報を聞きつけ、この地へ足を踏み入れます。
実は今回のプレイデモは、以前CD Projekt REDが公開したゲームプレイ映像の中にも一部が収録されているため、熱心なファンの人はピンと来るかもしれません。しかし、初めて確認できたイベントシーンも多かったので、ここでは新しいシーンから気になった点をピックアップしていこうと思います。

湿地帯に入ったゲラルトは、「ごちそうの道」と呼ばれる経路を辿り、沼地の奥へと向かいます。道といってもそこは草木が生い茂った獣道で、油断するとすぐに道に迷ってしまいそうです。そんな時に活躍するのがゲラルトの五感。ゲラルトは五感を研ぎ澄ますことで周囲にある目印に気づくことができ、プレイヤーはそれを頼りに迷うことなく歩みを進めていきます。ちなみにプレイデモでは、目印となる木が赤く表示されるようになっていました。また、道中の木にはクッキーがぶら下がっていることも。このあたりは「ごちそうの道」と呼ばれる所以でしょうか。
しばらく奥へ進んでいくと、やがて小さな集落が現れます。集落には数人の子供と老婆が暮らしており、シリのこともなにか知っている様子。しかし、老婆は頑なに口を閉ざし、子供たちにもはぐらかされてしまいます。会話シーンでは日本語吹き替えによるボイスも確認できましたが、吹き替えによくある不自然な言葉遣いも一切なく、自然な会話が完成していて驚かされました。日本版には日本語音声と英語音声を自由に切り替えられるとのことですが、ぜひ一度日本語音声でプレイしてもらいたいと思います。会話の中には選択肢も見受けられ、果たしてどのようなやりとりが展開するのか、製品版が発売された際には、さまざまなパターンを楽しんでみたいです。

さて、ストーリーが進み、なんとか子供たちから情報を聞き出せることになったゲラルト。しかし、情報を教える交換条件として、かくれんぼで遊ぶことになるのですが、このパートでもゲラルトの五感が活躍します。五感を研ぎ澄ますと、子供たちの隠れた先が、足跡になって表れるのです。余談ですが、ここではかくれんぼをしないという選択肢も出現していました。子供たちから情報を聞かなかった場合、どのような展開になるのかも気になるところです。
無事全員を見つけ出したゲラルトは、森に住むジョニーという名の生物がシリのことを知っているとを聞かされます。ところが、ジョニーに会いに行くと彼は声が出せない状態で、これを治すためにはハーピーの巣にある薬を入手しなければなりません。そしてその道中ではモンスターとの戦闘を行う一幕もありました。戦闘は剣をはじめとした武器や魔法を駆使して行いますが、時には周囲の地形を利用することも有効のようです。例えば、木々に風の魔法を当てて蜂の巣を落とし、蜂にモンスターを襲わせることもできるとのこと。

無事に薬を手に入れ声を取り戻したジョニーは、はしゃぎながらもシリのことを教えてくれます。それによると、シリは先程の集落へ行ったのだとか……。どうやら、さっきは何も語ろうとはしなかった老婆がシリのことを知っているようです。
再び集落を訪れたゲラルトが老婆に詰め寄ると、ついに根負けしたのか、一件の家屋に招き入れます。家の中には3人の貴婦人が描かれたタペストリーがあり、老婆は特殊な能力でタペストリーとの会話をはじめます。そして貴婦人たちは、とある村の村人たちを脅かす怪物を倒せば、シリに関するさらなる情報を教えると、老婆を介して語りかけてきます。
以上がプレイデモの全貌となります。今回はひとつのメインストーリーに沿ったプレイでしたが、もちろん途中でサイドクエストをこなしたり、まったく関係のないロケーションへ足を運ぶことも可能です。プレイデモの中にも、森の奥にある廃墟や、遥か遠方に見える塔など、気になる施設がいくつもありました。そこにはどんな冒険が待っているのか、興味は尽きません。

説明によると、PS4版のデモを披露するのは世界でも初めてで、グラフィックやパフォーマンス、戦闘の仕様などは現在も開発調整中ということです。
この他、開発者とローカライズ担当者のインタビューも掲載しているので、本記事と合わせてご覧ください。