
今回ご紹介するのはGame Studio M2H及びBlackmill Gamesが開発を手がける第一次世界大戦FPS『Verdun』です。本作は第一次世界大戦における主要な戦いの1つ「ヴェルダンの戦い」をベースにした、リアル寄りのマルチプレイヤーバトルを特色としています。
- 「ヴェルダンの戦い」とは
ヴェルダンの戦いは第一次世界大戦の西部戦線下、フランス共和国のヴェルダンにて繰り広げられたドイツ軍とフランス軍の戦い。1916年2月21日に始まったこの戦いは泥沼化した事によって、1916年12月19日の終結までにドイツ軍は33万6千人、フランス軍は36万2千人の死傷者を出し両軍に甚大なる損害を与えた。

第一次世界大戦を象徴する要素の1つとして「塹壕戦」がありますが、本作では塹壕戦による膠着状態を再現する“Frontlines”モードをメインに据えています。戦場を幾つかの塹壕で区切った直線的なマップで行われる本モードは、一定時間ごとに攻守が入れ替わるのが大きな特徴。前線の押し引きを繰り返し、最終的に敵を最後方まで押し込んだチームが勝利となります。

このような塹壕を攻撃したり防衛したりする

塹壕まで突っ走れ!
当然、塹壕にこもっている防衛側が圧倒的に有利なので、攻撃側は闇雲に突撃しても無駄死にしてしまうだけです。後述する分隊やクラスの利点を駆使し、効果的な攻撃を行わなければなりません。目標の塹壕に辿り着くまでの間は中~遠距離、塹壕に侵入してからは近距離の戦いが繰り広げられます。ただ単に撃ち合いたい、射撃の腕を上げたいという場合は、ライフルのみでデスマッチを行う“Rifle Deathmatch”モードをプレイしましょう。

塹壕内では激戦が繰り広げられる

突撃ー!

連合国16人 vs 中央同盟国16人で戦うゲームは分隊ベースで、プレイヤーは実在の部隊をモデルにした4人構成の分隊に所属して戦います。分隊は3種類に分類(アサルト/リーコン/ライフル)されており、更にその中で4つのクラスに分けられています。所属する分隊によって使用できる武器構成が異なる上にクラス名も違うので、初めてプレイする際は混乱してしまうかもしれません。

現在は連合国に4種類、中央同盟国に3種類の分隊が用意されている

スコアボードも分隊ごとに表示
分隊の種類によって多少異なりますが、基本的には移動指示や砲撃要請が行える“下士官”、一般的な“小銃兵”、機関銃あるいは狙撃銃を持つ“支援兵”、手榴弾を持つ“擲弾兵”の組み合わせとなります。各クラス、各分隊がそれぞれの役割を把握し、お互い連携する事が重要です。

リスポーンはウェーブ形式で一斉に行われる

分隊レベルが上がると制服が変わったり、若干のステータスアップも

登場兵器はもちろん戦争当時に使われていた実在のものを再現。時代が時代なだけに、ボルトアクションライフルが中心となります。銃声は非常に迫力があり、撃っているという手応えを感じられます。また、第一次世界大戦で初めて使われたという化学兵器(毒ガス)も使用可能で、戦闘中にガスマスクをつけるという行為がとても新鮮です。

短機関銃は塹壕内で威力を発揮する

遠距離に強い狙撃銃

機関銃も強力…だけどルイス軽機関銃はサイトが見辛い
なお、クラスごとに武器構成が3段階あり、2段階目以降を使用するにはレベルアップで獲得できるキャリアポイントを消費してアンロックしなければなりません。短機関銃や機関銃、狙撃銃といった強力な武器は大体2段目3段目に設定されていますが、なんだかんだでボルトアクションライフルが一番使いやすかったりします。

ガスマスクは視界がかなり悪くなる

拳銃からのアンロックでトレンチクラブ(塹壕用棍棒)のみに……

白兵戦においてはスコップも立派な武器

『Verdun』は一般的なミリタリーFPSと比べてかなり地味ですが、第一次世界大戦を感じられるFPSはそうそうありません。現代・近未来設定のFPSに食傷気味の方は一気に時代を戻して本作をプレイしてみてはいかがでしょうか。ただ、予備知識がないと第二次世界大戦もの以上に敵味方が分かりにくいのが難点ですが……。Steamコミュニティでは公式のガイドが公開されているので、詳細なディテールはそちらを要チェックです。
2006年にプロジェクトがスタートしてから約9年(製品としての開発は2013年から)、遂に4月28日に正式リリースとなる『Verdun』。対象プラットフォームはPC/Mac/Linuxで価格は2,230円。割安の4本パックも5,680円で販売されています。

遠方の敵はもはや豆粒のごとし

無闇に身を晒してはいけない

素晴らしい雰囲気

近くに砲撃が!

キシリル臭化物(催涙ガス)で目がァ嗚呼!

敵はどこだ……?

有刺鉄線に引っかかって死亡
※UPDATE (2015/04/26 16:20): 「ヴェルダンの戦い」の解説部分の誤表記を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。
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