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Game*Sparkでは、今月初旬ドイツで開催されたgamescom会場で、開発元Super Evil MegacorpのCEOであるBo Daly氏を直撃。『Vainglory』ローンチ後の反響やサービス展開を訊きながら、あらためて本作の魅力を探ってみました。
■日本人選手が世界大会で活躍!
『Vainglory』で最近のホットトピックと言えば、ゲーマーでありイベントキャスターであるStanSmithの所属するチーム“Divine Brothers”が、北米チームを破って準優勝を勝ち取ったこと。世界レベルのe-Sports大会で日本選手が成績を残すのは前例も少なく、Daly氏も試合を観戦して注目していたのだとか。現在、韓国では国際プレミアリーグ(Vainglory International Premier League)も開催中で、本国ではテレビ中継も。
また、Daly氏いわく「重要なMOBA市場」と語る中国でのサービス展開も数週間前に発表されたばかり。まだ詳細は決まっていないものの既にパートナーシップを締結済みで、数か月以内にもローンチする見込み。
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gamescomではTwitchブースで展示されていた『Vainglory』。
ベータ時点で、アクティブユーザー数が150万を記録していたいという『Vainglory』ですが、Super Evil Megacorpは単純なプレイヤー数だけでなく、Twitchをはじめとする動画配信コミュニティーでのアクティビティも重要視していて、5~6月には『Vainglory』配信が150万ビューを記録するなど視聴者数は急速に増加。Daly氏によると、配信はgamescomの開催地でもあるヨーロッパからのアクセスが多くを占め、ユーザーの要望を取り入れる形で実装した「Spectator Mode(観戦モード)」の影響が非常に大きいということです。
■カード集め要素を取り入れた独自スキンシステム
iOSベータ版リリース以来、数々のアップデートが実施されている『Vainglory』。継続的な新ヒーロー追加やゲームバランス調整はもちろん、ランクマッチ/カジュアルマッチ、ユーザー同士のコミュニケーションを助けるソーシャル要素、レべリング/プログレッションシステムまで、「長く遊べる競技性の高いゲーム」として進化を続けています。
なかでも興味深いのが、正式ローンチ時に実装された「スキンシステム」。MOBAタイトルではインゲーム通貨かリアルマネーでキャラクタースキンを購入するモデルが一般的ですが、『Vainglory』では試合後にランダムでドロップするカードを集めて新しいスキンをアンロックしていくユニークなシステムを採用。ユーザーからも好評で、Daly氏も高Tierスキンを手に入れるため必死にカード集めに励んでいると話していました。
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最近では、バージョン1.7の大型アップデートを実施したばかりで、次回のアップデート詳細についてはまだ話せないとのこと。今後も3~4週間おきにアップデートを施していく計画で、デベロッパー自身もプレイヤーとしてゲーム内でフィードバックを集めながら、新たなコンテンツや機能を追加していく考えのようです。
■スーパー悪のメガ企業が今後目指す方向とは
Super Evil Megacorpが今後目指していく方向についても聞いてみました。開発チームの人数は徐々に増えているものの、少数精鋭というスタンスは変わらないようで、世界中から有能な人材の募集を続けているとDaly氏は説明。Daly氏自身もかつてはRockstar Gamesなどに在籍していたように、トリプルAタイトルやコンソール業界出身のスタッフも少なくありません。
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また、Super Evil Megacorpのスタンスとして、複数のゲームを開発するのではなく、今後5年から20年、あるいはそれ以上の規模で『Vainglory』だけをサポートしていくつもりとの言葉も聞けました。モバイルゲームにありがちな、ただ発売したら終わりの消耗品ではなく、「プレイして楽しむ」「観戦して楽しむ」という2つの側面で1本のゲームに改良を重ね、じっくり長い時間をかけてコミュニティーやカルチャーを育てていこうという強い想いが感じられました。