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今回、Wargaming.netでワールドワイドでのPR・マーケティング担当をしているMAX CHUVALOV氏(以下MAX氏)とWargaming Asiaでカントリーマネージャーを担当しているSKY LIN氏(以下SKY氏)に、台湾市場における同社の盛り上がりとゲーム市場について単独インタビューを行ないましたので、その様子をお届けします。
―――本日はお時間を頂きありがとうございます。まず、お二人の自己紹介をお願いします
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MAX氏:PC版『World of Tanks』のマーケティングとWargamingのプロダクトマネジメントを担当しています。
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SKY氏:Wargaming Asiaで台湾のカントリーマネージャーを務めており、主に台湾の中で行われているコミュニティやカスタマーサービスなど、ユーザーの皆様に関連することを取り仕切っています。
―――今年の台北ゲームショウについて。どう感じますか?
SKY氏:Wargaming.netでは今回が3回目の出展となるのですが、台湾では一番大きなイベントになりますので、私としても出展するにあたって楽しみです。いつも興奮をしており、驚かされています。
MAX氏:毎回会場に訪れる度に、盛り上がりが大きくなっていることに驚かされていて、昨年に比べて、倍くらいの成長を感じています。出展することによって台湾のユーザーの方にイベントに参加して頂けたり、どういったものを楽しんで期待をしているかというお話を直接聞けます。台湾のコミュニティを直接知れることが大切だと感じていますので、出展できることを嬉しく思います。
―――『World of Tanks(PC/PS4/Xbox One)』、『World of Warships』、『World of Tanks BLITZ』などさまざまなタイトルを台湾でも展開しているかと思いますが、一番の人気タイトルは?
SKY氏:2013年から台湾にオフィスを起ち上げたのですが『World of Tanks(PC)』を当時から多くのユーザーにプレイをしてもらっていました。非常に大きなコミュニティも存在しており盛り上がっているのですが『World of Warships』リリース後、こちらも同様にコミュニティに対して直接コミュニケーションをとったりをしてタイトルの良さを伝えていったところ、今では『World of Tanks』を超えて『World of Warships』のユーザー数が増加している状況です。
―――ステージイベントで、お二人が会場のユーザーと楽しくコミュニケーションを取っているのが印象的だったのですが、こういったことは台湾ユーザー特有のことなのでしょうか
MAX氏:私たちの会社の方針としては、プレイヤーとしっかりコミュニケーションを取ることを方針としておりますので、今回の台北ゲームショウはもちろんのこと、アメリカのE3、ドイツのGamescom、ロシアのIgroMir(イグロミール)など各地で、実際にユーザーに話しかけたり、一緒にゲームをプレイしたりといったことを行っています。
―――台湾ユーザーと日本ユーザーでは、ゲームプレイの違いはありますか?
SKY氏:台湾のプレイヤーは世界的に比較をすると、アグレッシブで積極的なプレイヤーが多いと感じます。それは「ただ突っ込む」というわけでなく、自分のスキルを見せるためにあえて前線に立ち、自分たちのゲームのうまさをいろいろな人に見せたいという想いが強いと思います。もうひとつは、他の国のコミュニティと積極的にコミュニケーションを取ろうとしているところも特徴的です。例えば、日本のユーザーとプレイする場合も台湾ユーザーから積極的にコミュニケーションを取ろうとすることが多く、チームプレイにも長けているユーザーが多い印象です。
―――ゲームを活用した大会「e-Sports」に関して、台湾の盛り上がりはどうでしょう?
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SKY氏:『World of Tanks』では、台湾のチームがアジア地域で6位に位置しています。ただそれは「WGL(Wargaming公式リーグ戦)」の話です。「WGL」以外に「クランウォーズ」というものがありまして、少し前までは台湾のチームが1位になっていました。そういった点を踏まえると台湾ユーザーはe-Sportsに対しても積極的に参加をしていますし、今後も恐らく結果を残していけると思います。
―――「e-Sports」という概念は台湾にそもそもありますか?
SKY氏:「e-Sports」という概念そのものに関しては、日本と割りと近いところにあり、そこまで大きな盛り上がりは見せていないのですが、日本と違うところで言いますと『World of Tanks』のプロチームが存在することが違いかもしれません。またコミュニティそのもののことでいきますと、e-Sportsというものはやはりスポーツですので、毎日練習をしたりそれを職業にしたりといった側面があると思うのですが、台湾のユーザーはゲームが大好きですので、ゲーム内で小隊を組んだり、クランウォーズをプレイしたりと、純粋にゲームを楽しむユーザーが多いですね。
―――スマートフォンアプリゲームの人気がある印象ですが、PCオンラインゲームの需要はあるのでしょうか?
SKY氏:たしかに、台湾全体でみるとスマートフォンアプリゲームのシェアは広がっています。ただもともとゲームが好きな国民性ですので、PCも一定の需要があり『World of Tanks』、『World of Warships』といったタイトルも、ユーザー数は減少しておらず、引き続き盛り上がっている状況です。
―――コラボについて。『World of Tanks』ですと「ガールズ&パンツァー」、『World of Warships』ですと「蒼き鋼のアルペジオ」とコラボレーションをしていますが、台湾ユーザーの反応はいかがでしょうか?
SKY氏:これまで「ガールズ&パンツァー」は一部地域だったのですが、ゲーム内でのコラボレーションもアジア全域という形で広げていますし、実際に台湾では日本のアニメやマンガなども人気があるというところで、コラボレーションは非常にユーザーからも支持をされています。
―――台湾のゲームマーケットはどのように見ていますか?
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MAX氏:台湾を含めアジアという地域全体で見て、とても魅力的なマーケットとなっています。今まで世界各地に合った特色のあるマーケティングを行ってきたのですが、2016年のマーケティングとしては、より各地域に根付いた特別なコンテンツの提供活動を行っていく予定です。そのため、アジア地域では「ガールズ&パンツァー」や「蒼き鋼のアルペジオ」のコラボレーション、今回の台北ゲームショウでは「ウォーヤン」という台湾の船が実装されたり『World of Tanks』では専用の紋章の刻印が実装されたりといった形で、地域のプレイヤーたちをメインに据えたコンテンツ提供を行っています。
―――ありがとうございました。
SKY氏・MAX氏:ありがとうございます。
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会場では、大勢の人がブースに訪れるほど人気を博している同社タイトル。世界を股にかけて活躍するベラルーシの雄Wargaming.netが今後どのように成長をしていくのか、今後の動向に注目です。