「Sam & Dave」の「Hold On, I'm Comin'」に合わせて60年代のゴツいアメ車が表通りを走り抜けます。運転しているのは本作の主人公である、ベトナム帰還兵の黒人青年リンカーン・クレイ。時は公民権運動直後の1968年、マルディグラのカーニバルで盛り上がるアメリカ南部の架空都市ニューボルドー。当時の荒んだ世相をドキュメンタリー風に見せるトレイラーは、まるでギャング映画のそれを見ているようで、期待も高まります。
ハンズオフデモプレイというと、ゲーム開発者などが解説付きでプレイする模様を、集まったメディア関係者が鑑賞するというものですが、『マフィアIII』に関して言えば、他人がプレイするのを見ているだけでも十二分に面白い。ドラマ部分はというと、過剰にカリカチュアされた灰汁の強過ぎる、登場人物達の愛憎渦巻く絡み合いが、まるで古いマフィア映画のようで見応え十分です。
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またアクション部分も、素早いカバーアクションからのスムーズな射撃や、目を覆いたくなるような様々な残虐キル満載のフィニッシュブローなど、アクションシューターとしての出来の良さも垣間見えました。アサルトライフルからサブマシンガン、グレネードに至るまで、豊富過ぎる武器を軽々と使いこなす様は流石のベトナム帰還兵。本デモの観覧に参加した世界各国のメディア関係者からは、残虐キルが決まる度に大きな笑い声と歓声があがっておりました。
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さらに物語を輝かせる珠玉の60年代ミュージック。冒頭で流れたSam & Daveの他に、デモでは「Marvin Gaye」や「Rolling Stones」の楽曲も確認。100曲以上が収録されると言うミュージックライブラリだけ見ても、相当な価値がありそうです。
飽きっぽい性格でオープンワールド作品は中盤頃で投げ出しがちな筆者ではありますが、『マフィアIII』に関してはアクションシューターとしての面白さと、展開が気になるアドベンチャーパートのドラマで、最後まで楽しめて遊べそうと感じました。
『マフィアIII』はPS4/Xbox One/PCを対象として、海外で10月7日より、国内では10月27日より発売予定となっています。