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Blizzard Entertainmentの人気FPS『オーバーウォッチ(Overwatch)』。同作に登場するヒーロー、ソンブラの英語版声優Carolina Ravassa氏が、先日行われたイベント内で、ソンブラに対する思いを語っています。
「私はBlizzardに選ばれて光栄です」そうRavassa氏が語ったのは、先日アメリカ合衆国テキサス州オースティンにて行われた「South by Southwest(SXSW)」のトークイベント。同イベント内で、Ravassa氏と『オーバーウォッチ』のリードライターであるMichael Chu氏が同作のキャラクターの制作や多様性について行ったトークショーの一幕です。
同トークショーの様子を伝える海外メディアPolygonによれば、ソンブラのリリース準備に際して、Blizzardはニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンでスペイン語を話せる女性声優のオーディションを行ったそうです。コロンビア出身のRavassa氏は、求められていたのは「メキシコの自然なアクセントで話すことができる人物」だとは知っていたものの、彼女自身で練習したアクセントを用いてオーディションに参加。見事役を射止めたものの、最初の収録では自身がコロンビア人だと分かったら役を失ってしまうのではないかと本当に心配していたとのこと。
Chu氏はその事実を把握していたものの、Ravassa氏の演技に感銘を受けていたとのこと。「私たちは常に本物のアクセント、演技、個性のバランスを取るために全力を尽くそうと努力している」と語りました。しかしながら、マーシー役には本来スイス・ドイツ語のアクセントのある声優を求めていたもののそれが難しかった、と説明。最終的にチームが気に入ったLucie Pohl氏を声優に迎えた事にも触れ、キャラクターと同じエリアの人間を声優として使用することが絶対ではないことを伺わせています。
Ravassa氏はさほどゲームをプレイしないとのことで、当初はソンブラについてあまり理解していなかったものの、彼女を尊敬するようになったと発言。「ソンブラはラテン系の完璧な体現だと思う」「彼女は強くて、元気があって、格好良くて、面白い。私は彼女を演じることを本当に誇りを持っています。私はしばしばスマートではない役や胸が大きい役などの、ステレオタイプのキャラクターを演じるように求められているので」として、ソンブラを気に入っていることを表しました。また、Ravassa氏は「ソンブラで遊ぶラテン系のプレイヤーが、自分の中に少しでも彼女がいる、と感じてくれるといいですね」と語っています。
なお、このセッションで話された別の内容として、Chu氏によれば『オーバーウォッチ』にキャラクターが登場する理由は大まかに3つとのこと。一つはゲームバランスの調整や新要素の導入をするため。もう一つは、アーティストが見た目先行でデザインを行う場合。最後は、そのキャラクターがゲームのバックストーリーを表現する助けになる場合、であるそう。
Chu氏は例を上げ、「ジャンクラットはトールビョーンのタレットに対するバランスのために、アナはスキルベースのサポートヒーラーキャラクターを作成したいので追加されました」と語っています。また、2番目の例についてはザリアが該当し、コンセプトアーティストのArnold Tsang氏が重量挙げの大会から着想を得て、非スタンダードな体格の女性キャラクターを作ることを目標としたとのことです。最後の例はソルジャー76が当てはまり、彼は『オーバーウォッチ』の歴史を多く見てきたキャラクターである、としています。