2006年から世界中のネットコミュニティで話題となったブチギレゲーマーとその動画「キーボードクラッシャー」。海外では「Angry German Kid」などの異名で知られる彼は、現在「Hercules Beatz」という名義のヒップホップアーティストとして活動しています。昨今では日本のファン向けの動画も公開しながら、ゼロ年代ごろからのネットユーザーを再び沸かせていました。
Game*Sparkは、そんな伝説級の激怒ゲーマー「キーボードクラッシャー」にインタビューを実施。オールドFPS『Unreal Tournament』に激怒する(演技の)動画で一躍有名になってしまった過去から、現在の音楽活動、Game*Sparkと読者に向けたメッセージを動画で語ってもらいました。
当時のブームを知っている(そして恐らくネット歴がそこそこ長いであろう)読者は、「MAD動画」や「空耳」なんかも思い出しつつ、立派にガタイの良い大人になった彼の姿をご覧になってみてください。
※以下は動画インタビューのメッセージを一部省略し、編集したものです。
――Angry German Kid/キーボードクラッシャーとして2006年ごろからネット上で話題になっていましたが、件の動画を投稿してから今日に至るまでのエピソードをお聞かせください。
キーボードクラッシャー:えーと、そうだね……2006年から完璧に「キーボードクラッシャー」が僕の人生そのものになってしまって、あの動画のことは、みんなにさっさと忘れて欲しいと思ってた。道端や学校で気付かれたらイヤだなって思ってたしね。でもその3年後……18歳の頃のことだね。その頃から、周りのみんなが僕に気付いて話しかけるようになって、正直ウンザリだったよ。
そういうことで、僕は見た目から変えていこうと思ったんだ。髪を黒く染めたり、黒っぽい服ばかり着たり、強く見られるために身体を鍛えたりした。そのおかげで、みんなからは見た目だけでビビられるようになったんだ。今までも身体は鍛え続けていて……ご覧の通りさ。
それと、僕はボディービルディング用の動画チャンネル「Cochan91」も運営していて、トレーニング動画なんかを投稿してたんだ。3年間くらいは誰にも気付かれなかったけど、月日が経ったころに毎日、動画にコメントが届くようになった。「まさかキーボードクラッシャー?」「オマエ、キーボードクラッシャーだろ?」って。
そのときは「いやいや、キーボードクラッシャーじゃないよ、全然違う」って言い張った。「人違いなんじゃない?」なんて言ってたりもしてね。だけど、アメリカの誰かが「キーボードクラッシャーが進化した!」ってビデオを作ったみたいだった。時すでに遅し、だね。それに僕自身「WAS WILLST DU TUN」というラップの曲を投稿していたんだけど、その中身は2006年から今までの自分の人生を歌うものだった。しかも写真付きでね。
――「キーボードクラッシャー」は『Unreal Tournament』に激怒した(演技の)動画と言われてますが、当時はどれほど『Unreal Tournament』をやり込んでいたのですか。
キーボードクラッシャー:実はPCゲームは遊んだことがないんだ。PS2しかプレイしてない。8歳または9歳から17歳ごろまでは、毎日プレステ2で遊んでたけど、PCゲームは未経験なんだよね。
――音楽以外には、どのような趣味をお持ちですか。
キーボードクラッシャー:身体を鍛えること、トレーニング、ボディビルディング、パワーリフティングかな。作曲だけじゃなく、デザインもやってる。自分のアルバムのジャケットも作ってるし、映像編集もするよ。
あとは……レーシング!ドイツには「アウトバーン」っていう速度無制限の高速道路があるんだけど、そこで240km/hくらいでクルマをぶっ飛ばしてるよ。日曜の朝6時から7時くらいの誰もいない時間にね。
――ゲーム配信デビューに興味はありますか?
キーボードクラッシャー:あるね!配信には興味がある!だけど、いまのところ時間がとれないんだよね。
――どんなことをきっかけに、ラッパー/作曲家として活動し始めたのでしょうか?
キーボードクラッシャー:作曲は15歳からやってた。2006年かもっと前にね。「MAGIX Music Maker」だったか「EJay HipHop 3」だったか、プロ仕様じゃないDAWを親に買ってもらって。それで2006年からビートを作っていて、2011年から本格的に「FruityLoops(現FL Studio)」で制作を始めたんだ。
2011年、いや2012年ごろに自分のビートのためのラッパーを探してたけど見つからなかった。ということで、自分自身でラップしていこうと決めたんだ。そのときは気付いてなかったけど自分にはラッパーとしての素質があったみたいで、これがなかなか良いアイデアだったんだ。
――「キーボードクラッシャー」の動画音声はスクリレックスなど有名アーティストにサンプリングネタとして使われていましたが、初めて聞いたときにどう感じましたか?
キーボードクラッシャー:いやー、それはもう光栄さ。僕にとっては最高に光栄なことだよ。スクリレックスみたいな大物に声ネタとして使ってもらえるなんてね……。
(中略)
キーボードクラッシャー:「Hercules Beatz」別名「キーボードクラッシャー」より……日本のファンのみんなに感謝します。日本はイイよな。僕は日本の音楽が好きだし、映画も好きなんだよ。映画監督で言うと、三池崇史とか、北村龍平が好きだね。それに『鉄拳』シリーズの曲もイイ。『デビルメイクライ』の音楽も好きだ。日本は素晴らしい国だと思ってるよ!それでは!
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※記事タイトルを一部変更しました。コメントでのご意見ありがとうございます。