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複数の海外メディアより、ドイツのビデオゲームにおけるナチスに関する表現が緩和される可能性が報道されています。
The TelegraphやPC Gamerなどによると、ドイツのゲームレーティング機関であるUSKは、同国内で発売されるゲームのナチスを示す表現について、その芸術性を考慮し、ある程度まで許容する方針を発表しているとのこと。
これまでドイツでリリースされたゲームにおけるナチスの表現は厳しく規制されており、『Wolfenstein II』でもヒトラーの口ひげが削除される、ハーケンクロイツ(鉤十字)が使用されないなどの措置が取られていました。緩和以降、すべての表現が認められるわけではないものの、芸術作品としてケースバイケースで審査されることが伝えられています。
これを受けたドイツのゲーム産業協会は、ゲームが社会的な議論と同等の役割を果たせることが認められたとして、この発表を歓迎する意思を表明。また、USKのマネージングディレクターであるElisabeth Secker氏は、法解釈の変更により、時事問題を批判的な視点で扱うゲームは今後USKの年齢審査を受けられるようになる旨をコメントしており、USKはこの仕事を責任を持って果たす意向であることを明らかにしています。
米トランプ大統領による規制の意思表明を始め、海外では積極的にその是非を議論されているゲームにおける表現の自由。今回の発表と同様にナチスに起因する過去の出来事としては、Epic Gamesの『フォートナイト』に偶然発生してしまったハーケンクロイツに関する措置なども挙げられます。
一方、オーストラリアでは先日、表現規制を緩和する法案が提出されたこともあり、この問題については議論が続くことが予想されます。ゲームにおける歴史的正確性や、ゲームが担う文化の社会的影響がどのように扱われていくのか、今後も注目していく必要があるでしょう。