
今回、インサイド/Game*Spark編集部は、幸運なことに「プレイステーション クラシック」をいち早く体験することができました。これまで展示でしか見られなかった本機。その遊び心地や仕様はどうなっているのか。レポートをお送りします!
大きさ・外形

実際に触ってみたところ、サイズは非常にコンパクト。厚めのCDケースとそう変わらない大きさにソフト20本、CD25枚分が収まっていることに時代の流れを感じされます。筐体はいわゆる初号機となるSCPH-1000をモチーフとしており、裏側には(公式には)使われることのなかった拡張端子の裏蓋も再現されています(ただし取れません)。



本体は左側にPOWERボタン(電源)とその上にRESETボタン(メニュー)、右側にOPEN(初代プレイステ―ションではディスクトレイのオープン)ボタン。クラシックではOPENボタンを押してもトレイは開きませんが、ディスクの変更ができます(後述)。

コントローラは初代プレイステーション用コントローラの復刻版となります。接続端子はUSB。トリガー状になってないL2/R2ボタンも当時のまま、そしてなによりモーターやスピーカー、ライトバーなどが無いのでとても軽いのも特徴的です。ただし、このコントローラ、インターナショナルバージョンがベースとなっている、ということでグリップ部分の長さが国内初期バージョンのプレイステーション用コントローラと若干異なっているようです。
メニュー画面
POWERボタンを押すとあの電源投入音が流れ、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのロゴ表示が現れます。初回起動時にはメニューUIの言語設定(言語設定を変えてもゲームの言語・バージョンは日本語のままです)が行われます。


メインメニューでは上部に20タイトルのジャケットが表示されており、方向キー左右で選んで〇ボタンでゲームスタート(通常ロード)となります。なお、一部メーカーのタイトルを除き、発売時のブランドをそのまま表示するようになっています(例えば『パラサイト・イヴ』の場合、“スクウェア”表記になっています)。

いわゆるクイックセーブの機能も用意されており、ゲームをやめてメインメニューに戻る際、本体のRESETボタンを押すと、初回起動時は自動で再開ポイント(中断データ)を作成、2回目以降は再開ポイントを書き換えるかどうかの選択画面が表示されます。

方向キーを下に入れると、最下段にあるガイドアイコンが選択でき、再開ポイントからのゲームプレイ、オプションやメモリーカードの設定やマニュアルのQRコード表示が行えます。

オプションメニューでは、スクリーンセーバー(輝度を落とす)や省電力設定(一定時間コントローラ入力がないと電源がOFFになる機能)のOn/Off、UIメニューの言語再設定、データ初期化などが行えます。
メモリーカード
初代プレイステーションはゲームデータのセーブを別売のメモリーカードで行いました。メモリーカードは15ブロックで構成され、各ゲーム(セーブ機能のない『闘神伝』を除く)が任意のブロックを消費する作りとなっています。

かつてのプレイステーションでは、ライブラリが増えるとメモリーカードもその分買い足す必要があったのですが、「プレイステーション クラシック」でのセーブは、本体内蔵のメモリへ保存する、という形になっています。

「プレイステーション クラシック」では各ゲームに1枚のメモリーカードが割り当てられており、最大15ブロックを使用可能です。最下段のガイドアイコンにあるメモリーカードメニューを立ち上げると、データの削除が可能です。
メモリーカードデータにはゲーム側で漢字交じりのメッセージを記述でき、それをチェックするのも楽しみの一つになっていました。もちろん、本機でもそれは再現されています。
また、現時点では、他プラットフォーム(初代のメモリーカード、ゲームアーカイブス)のデータを転送することはできません。『メタルギアソリッド』ではメモリーカードに入っているKONAMIタイトルを認識して「ときメモが好きなようだな」などと言われたりもしましたが、そういったギミックは残念ながら「プレイステーション クラシック」では体験できません。
ディスクチェンジ
『ファイナルファンタジーVIIインターナショナル』『メタルギアソリッド』『パラサイト・イヴ』はディスク複数枚構成になっています。ディスクの切り替えは本体右の「OPEN」ボタンを押すとディスク切り替え画面に移行し、そこで切り替え可能です。
マニュアル

ゲームの遊び方については公式サイトに電子マニュアルが用意される予定です。ガイドアイコンの“ガイド”を選択すると公式サイトのQRコードが表示されるので、お持ちのスマートフォンで読み取るといいでしょう。
なお、『メタルギアソリッド』のパッケージ裏には、ゲーム中に使用するある仕掛けが用意されていたのですが、これは「プレイステーション クラシック」の外箱パッケージに書かれています。とりあえず「パッケージの裏を見ろ」と指示があったら外箱をチェックしてみてください。
周辺機器
「プレイステーション クラシック」は初代プレイステーションの周辺機器には未対応(そもそもインターフェイスが初代機と大きく異なります)のため、以下の周辺機器にはオリジナルのソフトが対応していても使用できません。
◯デュアルショック/アナログコントローラのアナログスティック
◯デュアルショックの振動機能
◯対戦ケーブル(『アーマードコア』が対応)
〇アナログジョイスティック(『アーマードコア』が対応)
◯マルチタップ(『XI』が最大5人プレイまで対応)
◯ネジコン/ジョイコン(『RIDGE RACER TYPE 4』が対応)
◯ポケットステーション(『RIDGE RACER TYPE 4』が対応)
デュアルショックについては対応してほしかった、と思うユーザーもいることでしょうし、『メタルギアソリッド』では拷問後のマッサージシーンが割愛されてしまうのが非常に残念です(笑)。
画面表示
画面は4:3画角となっており、多くの復刻ゲーム機やタイトル同様に横に黒帯が出る形となります。16:9に引き伸ばしてのフル画面設定は用意されていません。また、グラフィックはPS3でのPS1動作オプションで言うところの「スムージング」がONになった、アンチエイリアスがかかったものになっています。こちらについては設定を用意してほしかった方もいるかと思いますが……。
なお、ゲーム起動中のプレイステーションロゴ表示を含むインターレース表示の画面モードはプログレッシブ表示になっているため、画面のフリッカー(チラツキ)は解消されています。
プレイ感覚
プレイした感覚ですが、先のように画面のアンチエイリアス機能が常時発動するゆえに、当時の画像とちょっと異なる部分もあるものの、概ねのタイトルは当時のまま遊べました。むしろこんなゲームだったっけ?と改めて思い出す部分も多かった気がします。なんやかんや言いましたが、あと5時間くらい触っていたかったです。……いやマジで。
「プレイステーション クラシック」は12月3日より、9,980円(税別)で発売予定。現在は、プレイステーション取扱店で予約が行われています。
商品名:「プレイステーション クラシック」
型番:SCPH-1000RJ
発売日:2018年12月3日(月)
希望小売価格:9,980円+税
同梱物:「プレイステーション クラシック」本体 × 1/コントローラ × 2/HDMIケーブル × 1/USBケーブル × 1/印刷物一式
CERO:D(17才以上対象)※『バイオハザード ディレクターズカット』
映像出力:720p、480p
音声出力:リニアPCM
入出力:HDMI端子/USB端子(Micro-B)/コントローラ端子 × 2
電源:DC:5V/1.0A ※後方USB Micro-B端子より供給
最大消費電力:5W
外形寸法:約149×33×105mm(幅×高さ×奥行)(コントローラ除く)
質量 :本体 約170g/コントローラ 約140g
動作環境温度:5度~35度
「プレイステーション クラシック」公式サイト
© Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved.
Design and specifications are subject to change without notice.
「プレイステーション」、「PlayStation」は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。
(※UPDATE:記事本文、メモリーカードに関する記述を一部修正いたしました。)