ポケットモンスター(赤・緑)
発売日:1996年2月27日発売
機種:ゲームボーイ
発売元:任天堂
プレイステーションが躍進した1996年でしたが、この年最大の話題作といえば、やはりコレにつきます。ゲームの内容について今さらくどくど説明する必要はないでしょう。さまざまなポケモンの収集やゲームボーイの通信機能を使った友達との交換、登場するポケモンが一部異なる赤・緑2バージョンの発売など、現在では当たり前となっていますが、当時は斬新のひとことでした。
発売直後はさほど注目されていませんでしたが、口コミでジワジワと人気が広がりミリオンセラーを達成。翌97年から始まったアニメも大ヒットするなど、勢いはさらに加速していき、『ポケモン』人気は社会現象となりました。当時小学生だった人は、この1作目に登場した151匹のポケモンの名前を今でも全部覚えていたりするのではないでしょうか。
この『ポケモン』の記録的ヒットによって、終わったと思われていたゲームボーイ市場が再び活性化。ゲームボーイを小型軽量化した「ゲームボーイポケット」も7月21日に発売され大ヒットしました。以降、任天堂は携帯ゲーム市場において、さらに大きな成功をおさめることになります。
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この年は6月23日に任天堂の次世代ハード「NINTENDO64」も発売されています。ソフトがROMカセットだったため、容量面でやや難があったものの、3Dスティックや振動機能といった革新的な新機軸が盛り込まれており、これらの機能は以降のゲーム機におけるスタンダードとなりました。ローンチタイトルの『スーパーマリオ64』(任天堂)もゲームにおける3D表現を確立した一大傑作でミリオンヒットを記録。『マリオカート64』(任天堂)、『ウェーブレース64』(任天堂)なども大ヒットとなりました。
その後もNINTENDO64は数々の名作、話題作が登場。日本国内ではプレイステーションに後れをとったものの、海外では累計出荷台数2,700万台を記録するなどプレイステーションと互角の戦いを演じました。
セガサターンでは『サクラ大戦』(セガ:現セガゲームス)がこの年に発売。“太正”時代を舞台に個性豊かな乙女たちが活躍する本作は大ヒットとなり、CESA大賞’96の作品賞を受賞しました。そのほか、音を頼りに見えない敵と戦っていく、奇才・飯野賢治氏が手がけた名作『エネミー・ゼロ』(ワープ)、アーケードで人気のロボットアクションゲームを移植した『電脳戦機バーチャロン』(セガ)、幻想的な夢世界を縦横無尽に飛び回るアクションゲーム『NiGHTS』(セガ)、パソコン美少女ゲームからの移植である『野々村病院の人々』(エルフ)などもスマッシュヒットとなっています。
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この時期は旧ハードであるスーパーファミコンが爛熟期を迎えており、こちらも数々の名作が登場しています。最大のヒット作はスクウェアと任天堂が共同制作した『スーパーマリオRPG』(任天堂)。人気競馬シミューレーションゲームの『ダービースタリオン96』(アスキー)、代替わりシステムが話題を呼んだシリーズ第4弾『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』(任天堂)なども人気を博しました。『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』(任天堂)、『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ』(エニックス)、『スターオーシャン』(エニックス)、『牧場物語』(パック・イン・ビデオ:現マーベラス)なども、この年に発売されています。
アーケードでは人気3D格闘ゲームの最新作『バーチャファイター3』(セガ)、破天荒な熱血刑事が活躍するベルトスクロールアクション『ダイナマイト刑事』(セガ)、描き込まれたドット絵が魅力の横スクロールアクション『メタルスラッグ』(SNK:ネオジオでも発売)などが人気となりました。パソコンゲームでは『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(エルフ)がアダルト美少女ゲームとしては異例の大ヒットを記録。いくつにも分岐した並行世界を行き来しながら物語を進めていくシステムは非常に画期的で、その後のノベルゲームやアニメに多大な影響を与えました。
■その他のゲーム業界の主な出来事
2月6日:スクウェアが流通会社デジキューブを設立
3月22日:20,000円に値下げした新型サターン(通称白サターン)が発売
3月28日:バンダイとアップルが共同開発したピピンアットマークが発売
4月1日:通信対戦サービス「X BAND」の日本向けサービスが開始
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いかがだったでしょうか。このように1996年は大豊作で、ほかにもまだまだ取り上げたい作品があったりします。「なぜ、あのソフトがない」と思っている人もきっといることでしょう。機会があったら、そうした作品もぜひ紹介してみたいですね。