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チームデスマッチやコンクエストといったモードが定番だった『バトルフィールド V(Battlefield V)』にも、ついにバトルロイヤルの波が押し寄せ、3月25日に「ファイアストーム」と呼ばれる新モードが実装されました。Criterion GamesとDICEが共同開発するこのバトルロイヤルモードの手触りと魅力をお届けします。
64人16チーム、モードは4人スクアッドのみ
ゲームは基本的にソロもしくは分隊(4人チーム)で構成され、最大64人が参戦します。残り人数は画面に常に表示されているため、敵の人数を把握しやすい印象です。マップ内の家屋に結構な確率で武器が落ちているため、降下してからしばらく素手オンリー!というような状況はなかなかありません。しかし家屋の数は多くなく、敵チームと降下場所が被った際には丸裸でいきなり敵と当たってしまうことがあるため、最低限自分の武器を確保できるように降りたいところ。また、兵科は選択可能ですが、見た目が反映されるのみで、イコールコンディションになっています。
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武器ランクはそれぞれ1~3の間で設定されており、ランクが高いほどスコープや光学サイト、アタッチメント類が付属するといった形で、性能や使い勝手が良くなります。また、アタッチメント類は取り外しができず、他の武器に付け替えたりもできないため、武器単位で持っていくかどうかを判断することになります。
アーマーも同様に、枠数に応じてランクが決まっています。ダメージを受けた際に、落ちているものを自分で挿入・交換する必要があり、降下直後はアーマープレートが入っていない状態でのスタートとなるため、他のバトロワタイトルに慣れているプレイヤーは注意が必要です。
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マップの特定箇所にはバルブハンドルを回してハッチを開けることができる、戦車格納庫があります。開ける際にはサイレンが鳴るので、居場所を察知されるリスクはありますが、距離や人数的にも開けている最中に襲われるというのはあまりないように感じます。筆者はそれなりの回数をプレイしましたが、格納庫付近での戦闘には遭遇していません。
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迫りくる炎、壊れていく家屋
本作では、一般的なバトロワタイトルにおいての「ガス」や「パルス」といった要素は「炎の壁」と呼ばれており、かなりの勢いでメラメラと燃え盛っています。炎に飲み込まれればもちろん少量のダメージは受けますが、飲み込まれた家屋はすぐに音を立てて崩壊し、近づけば炎の音がメラメラ、パチパチとかなり大きく聞こえます。
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そういったシステムの都合もあるのか、全体的にプレイヤーの足音は大きめ。さらに戦車は音で位置を知られてしまうだけでなく、射角が取れず攻撃できない状態などに陥ることもあるため、必ずしも有利というわけではありません。また、炎の壁の収縮スピードは遅め。徒歩でも十分間に合うどころか、逆に引き離すことができるというのも、戦略に幅が出る理由のように思えます。
マップには身を隠せる山が多いため、中盤以降もうまく遮蔽物を利用することができます。味方のカバーを受けながら一気に前へ詰めたり、チーム全員で一気に攻めたりと、多彩な戦略を選べることでしょう。もちろん早々に死んでしまってはいけないのですが、カジュアルに戦闘ができるバトロワとしてチューニングされているように感じました。銃声や爆発音も大きく、思った以上に相手と距離が離れていたということも多々あるため、まずは「距離感に慣れる」ということが最優先であるのは、同ジャンルの他作品と変わらない部分だと思います。
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場所取りよりはファイトを選べ
「バトロワ」は生き残るのが本来の目的であるため、自分達にとって最も有利なポジションを選択し、戦闘をするかどうかを考えていくのが基本です。しかし本作では、どちらかと言えば「中盤までは銃声のするほうへ寄っていって、ファイトして物資をいただく」という戦略が効果的な印象です。
回復は足りなくなるほどないわけではないですが、アーマープレートを持ち運べる量は多くありません。敵を短時間で倒して奪うほうが圧倒的に入手確率も高いため、長期戦をするメリットはほぼないでしょう。ゲーム後半では、バトロワ定番の「敵の位置を把握しながら、より有利なポジションを取りつつ敵を倒す」という戦法が非常にしっくりと来ました。
そうした戦略を選びつつ、銃声の方向に距離を詰めてくるようなチームが複数いれば、戦闘終了直後に次の戦いが始まることも当然あります。ある程度は運と割り切ることも大切ですが、ちょっとした斜面や投げ物などを利用しつつ、回復したりアイテムを補充する時間を作ることがより重要となるでしょう。
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アイテムの取得や入れ替えは面倒で、1位を取れた感触が非常に薄い
筆者としては、バトルロイヤルをとてもカジュアルに楽しめるコンテンツとして評価していますが、早々に修正して欲しいと思うポイントが3つあります。
一つ目は、アイテムの拾いにくさ。初期配置のアイテムはまだ良いのですが、敵を倒した後にドロップしたアイテムが重なっている場合、直接視線を合わせて取得するしかないため、欲しいアイテムを取りにくいケースが非常に多いように思います。個人的には、インベントリから選択して入手するほうが遥かに高速でやりやすいと思いますし、アイテムの入れ替えなどで2クリックする必要がある仕様もかなり煩雑です。こういったアイテム周りの操作面は早急に修正してほしいと感じました。
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二つ目は、人によって差異はかなり大きいとは思いますが、ダメージを与えた・受けた際の感触が非常に薄いこと。「敵にかなり当てられている、マズいぞ」と感じ取れる演出効果が薄く、ダメージ表示以外には何もありません。露骨な腕の跳ね上がりなどもなく、気付いたら撃ち合いに負けていたというようなシーンも多々ありました。この点についても、よりゲームに集中させるためにも修正はあった方が良いと感じています。
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そして三つ目は、1位、Victoryを取った際の演出の薄さ。「敵を倒した!……あれ、1位?」と気が抜けるようなシーンが非常に多かったです。画面が大きく変わるわけでもなく、派手な演出があるわけでもなく、上部に小さく「Victory」と表示され、多少のBGMが流れる程度では、集中しているプレイヤーに勝利を知らせることはできません。他タイトルがどうアプローチしているかを研究した上で、1位を取ったプレイヤーを派手に称えるような演出は早急に導入すべきだと考えています。
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他バトロワタイトルと比較してもかなりカジュアル
バトロワブームが始まって以降、Game*Sparkでの執筆などの兼ね合いもあり、筆者は多数のバトロワタイトルに触れてきました。他タイトルとざっくりと比較しても、「ファイアストーム」は『PUBG』よりポジショニングの概念が薄まっているため気軽に撃ち合えるという面がありますし、『Apex Legends』のように積極的に敵を倒しに行くほうが有利になる、という特徴も持っています。筆者としての率直な感想は、「『PUBG』をやって疲れたあとに何も考えず、わー!と息抜きしながらフレンドとカジュアルに楽しめるバトロワシューター」です。
ゲーム中の移動距離はあまり長くなく、銃声やグレネードの爆発音などが頻繁に聞こえるため、思った以上に敵の位置の予想を付けやすいのも特徴のひとつ。不便なユーザーインターフェースや一部の操作を除けば、「非常にシンプルなバトロワ」という印象が強いです。銃の反動制御も簡単なため、「ファイアストーム」はFPSやバトロワ初心者も気軽に触れて楽しめるモードと言えます。