◆どちらの「ミニ」も、ラインナップの嬉しいサプライズでファンの心を揺らす!
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いずれのハードも、発表自体が嬉しい出来事でしたが、ファンを特に喜ばせたサプライズも多々ありました。「メガドライブ ミニ」は、段階的に収録タイトルを発表する形を取りましたが、その第一弾で明かされた『バンパイアキラー』に驚いた方も少なくありません。
『悪魔城ドラキュラ』シリーズとしてメガドライブにリリースされた『バンパイアキラー』は、人気に対して流通量が少なく、かなりのプレミアソフトとしても知られていました。移植やリメイクなどがなかったのも、高額化に拍車をかけます。
そんな貴重なタイトルが、「メガドライブ ミニ」を買うだけで遊べる──これは紛れもない朗報に他なりません。ちなみに「メガドライブ ミニ」の発売以降も、オリジナル版『バンパイアキラー』の相場は定価を超えたまま。改めて、「メガドライブ ミニ」のありがたみを噛みしめるばかりです。なお、現在は『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』でも『バンパイアキラー』を遊ぶことができます。
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「メガドライブ ミニ」収録ラインナップは、その後も様々な展開を見せてファンを喜ばせます。難しいだろうと思われていた、『アイラブ ミッキーマウス ふしぎのお城大冒険』や『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』といった版権モノの収録も、見逃せない点のひとつでしょう。
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そして決定打と言えるのが、最後に発表された『テトリス』と『ダライアス』です。メガドライブソフトとして予定されていたものの、残念ながら発売中止となった『テトリス』。そして、当時のメガドライブにはリリースされていない『ダライアス』が、「メガドライブ ミニ」のために“制作”。実際に発売されていないタイトルすら収録するという、予想のななめ上を行くこの展開は、ゲーム史に刻まれてもおかしくない偉業と言えます。
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対する「PCエンジン mini」は、第1報として『THE 功夫』や『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』、『イース I・II』に『ダンジョンエクスプローラー』など、PCエンジンを代表する作品や人気作などを発表。その後、第1報と含めた50タイトルを一気に公開しました。
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まず注目されたのは、PCエンジンの中でも屈指の名作ADVとして名を馳せた『SNATCHER』。『メタルギア』シリーズを手がけた小島秀夫氏がディレクションやシナリオなどを手がけており、面白さも特筆もの。当然のように「PCエンジン mini」への収録も期待されており、そんなファンの願いは無事に叶いました。
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また、ゲーム史を紐解く上で外せない『ときめきメモリアル』の収録も、「PCエンジン mini」の価値をさらに高める存在と言えます。本作は、恋愛シミュレーションブームに火を点けながらも、当時は品薄すぎてまったく手に入らなかった伝説的な作品。単純に遊ぶだけならば、プレイステーション版をゲームアーカイブスでプレイする手もありますが、原点であるPCエンジン版にアクセスしやすい環境が出来たのは、「PCエンジン mini」の功績と言えます。
この他にも、『ボンバーマン('93/'94)』や『R-TYPE』といった定番から、かなりマニアックな『銀河婦警伝説サファイア』まで、バラエティに富んだラインナップで話題に。ですが「PCエンジン mini」はもう一手を進め、更なる収録タイトルを追加で発表し、ファンを驚かせます。
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まず大きかったのは、『ドラゴンスピリット』、『源平討魔伝』、『ワルキューレの伝説』など、当時のナムコ作品が一挙加わったこと。PCエンジンには数多くのメーカーが参入しましたが、ナムコもそのひとつ。追加タイトルの発表で、「ようやく来たか!」と喜んだ方を、Twitterなどで多く見かけました。
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また、『天外魔境II 卍MARU』と『スプリガン mark2』も、PCエンジンファンの心を強く動かします。PCエンジンにおけるRPGの代表作について語る際、『天外魔境II 卍MARU』は必ず名前が挙がるほどの名作。また、ドラマ性とゲーム性を融合させた『スプリガン mark2』も、STGファンから熱い関心を集めました。また、前述の裏技で遊べる3作品の発表も、心憎い演出です。
「メガドライブ ミニ」と「PCエンジン mini」は、いずれも異なる形でファンの「嬉しい」や「驚き」を引き出すことに成功。サプライズは喜びとなり、発売日以降は楽しいゲームプレイへと繋がります。
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今回は比較という視点で各ハードに迫ってみましたが、どちらも魅力のあるハードに違いありません。どちらもいいし、両方遊んでもいい。贅沢な選択ができる幸せを噛みしめつつ、新たなゲームライフを満喫してください!