気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Blue Brain Games開発、PC向けに5月29日リリース(iOS/Android/海外スイッチではリリース済み)されたパズルアドベンチャー『The House of Da Vinci 2』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子ジャコモとなり、難解な3Dパズルや巧妙な機械仕掛けを解いてルネサンスの世界を探索するアドベンチャー。よく練られたパズルはもちろん、奥深いストーリーや綺麗なグラフィックが特徴です。日本語にも対応済み。
『The House of Da Vinci 2』は、2,000円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Peter Kubek氏(以下Kubek氏)こんにちは!Peter Kubekです。1996年からプロとしてPCゲームの開発をしています。現在は、インディーゲームスタジオBlue Brain Gamesのチームリーダー兼リードゲームデザイナーとして活動しています。私たちのチームには13人在籍しており、これまでに2本のゲームを作ってきました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Kubek氏2015年、私たちは新しいゲーム開発の検討を始めたのですが、それはプレイヤーの皆さんの心に響くものにしたいという想いがありました。私たちには以前から、ストーリー性のあるパズルゲームを作りたいと思っていたのですが、ではどんなストーリーにすれば良いだろうかと考えたのです。
たくさんのディスカッションの後、レオナルド・ダ・ヴィンチと彼の発明を中心にしたものにしようということになりました。途端に、たくさんのものが一気に決まったのです。というのも、レオナルドはミステリアスで有名な人物であり、ゲームの中心人物としては最適でした。そしてルネサンス期のイタリアは、魅力的な物語の舞台としてもぴったりだったのです。こうして、前作が2017年にリリースされ、2018年の始めには2作目となる本作の開発をスタートしたのです。
――本作の特徴を教えてください。
Kubek氏もちろん、本作一番の特徴は面白いパズルです。私たちは一つ一つのパズルをストーリーの一部に組み込み、すべてが論理的であり意味を持ったものになるように作りました。可能であれば、プレイヤーの方には自身の知恵と努力でパズルを解いていただきたいと思っています。ヒントは最後の手段だとお考えください。
他に特徴的なのは、ストーリーです。人を惹きつけながらも一貫性のあるストーリーを作れたことは誇りに思っています。少し難解に感じるかもしれませんが、注意深く読み解けば、実際にあった歴史上の出来事をベースとしていることがわかるでしょう。
また、本作には「時の展望鏡」という、過去に行き、現在に影響を与えることができるデバイスも登場します。これは私のお気に入りです。
本作には特徴と呼べるような優れたものが多数取り入れられています。本作を遊んでいただければ、同意していただけるのではないでしょうか。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Kubek氏私は見るもの、読むもの、遊ぶものすべてから吸収しようと心がけていますので、もちろんそれらの影響をゲーム作りにも生かしています。本シリーズでも数多くのゲーム、映画、本からの影響があります。前作は特に『Myst』『The Room』と言ったゲームから影響を受けており、雰囲気という面では『INSIDE』や『Little Nightmares』からの影響もあります。
また、ドラマ「ダ・ヴィンチと禁断の謎」にも言及しておかなければいけないでしょう。この作品のアートスタイル、色、ライティングが私は大好きです。本では、私はミカ・ワルタリとウンベルト・エーコのファンでして、歴史的出来事を背景に添えた彼らのストーリーの描き方に影響を受けました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Kubek氏新型コロナによる外出規制の間、私たちは自宅から仕事をしていました。開発にはそれほど影響はなかったのですが、私たちは皆、早く職場に戻りたいと思っていました。Blue Brain Gamesはプラハを拠点としているのですが、チェコは幸運にも新型コロナを早々に抑えることができ、早い段階で職場復帰ができたのです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Kubek氏まず、ここまで私たちのインタビューを読んでいただいたGame*Sparkの読者の方に御礼申し上げます!もし本作を遊んでみていただけるのでしたら、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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