第14回は、『The Last of Us Part II』の発売を間近に控えた『The Last of Us』です。かつて娘を失った運び屋ジョエルと、訳あって西を目指す少女エリー。寄生キノコによって崩壊した2033年のアメリカを、怪物の群れや野党の集団と戦いながら切り抜けていきます。
練習問題の解説
問題:Este tipo es un idiota.
回答例:こいつ馬鹿かよ
ステーションにあったスペイン語講座のポスターには、「ナチョスとCervesa(ビール)」というメキシコ人あるあるの一文が。日本に対する「テンプラ」「ニンジャ」と似たような感じなので、これにはショーンも呆れ気味です。
Let’s Play in English:仲間との連携が生き残りの鍵
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ジルの単独行動だった第7回の『バイオハザード RE:3』と違い、今作ではエリーをはじめとする同行者がいます。探索で見つけたものを教えてくれたり、ピンチの時には互いにカバーし合って生き残りを図ります。
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特に、「走るゾンビ」タイプのクリッカーから逃げるときには、脱出手段を確保するのに一刻の猶予もありません。仲間から逃げる方向の指示や手伝いの要請があり、聞き逃すと即ゲームオーバーになる場面も多数あります。パズル要素の読解はなく、非常事態で話題も絞られるので、ある程度リスニング力があればなんとかついて行けるレベルです。「go」「back」「up」「down」など、方向に関する指示には迷い無く判断できるようになりましょう。
僅かな誤解が命取り 様々な警告を理解しよう
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1992年10月の日本人留学生射殺事件をご存じでしょうか? 友人の家を訪ねようとした服部さんは誤って別の民家に侵入、家主の「Freeze!」が理解できなかったために、その場で射殺されてしまったという事件です。誤解があっても、アメリカでは警告を受けたら絶対に従わなければなりません。最近何かと物騒になってきたので、いざというときに命を守れるよう、頭の片隅にでも覚えておいてください。
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Stop right there!:そこで止まれ!
乱射や強盗など、銃社会アメリカではいつどこで事件に巻き込まれるか分かりません。警官や特殊部隊も動員され、街中で射殺も日常茶飯事です。「Freeze!」「Hold up!」もお決まりですが、銃を向けられてこう言われたら、絶対にそれ以上動いてはなりません。とっさに逃げようとすると相手もすぐに撃ってくるでしょう。
Turn around. On your knees.:後ろを向いて膝を付け
立ち止まったら、まず服従の姿勢を示さなければなりません。両手をHold upしながらゆっくりとしゃがみます。いきなり撃ってこないのであればとりあえず生きるチャンスは残っています。
Put your hands on your head.:手を頭に置け
これでよく映画やドラマで見る投降の姿勢ができあがります。銃を後頭部に突きつけられてボディチェックを受けるか、身ぐるみ剥がされるか、より悪い方向に転ぶかは分かりませんが、解放されるまではじっと耐えるしかありません。銃は人を殺さない?「銃を持つ権利」とは何か
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ジョエルの出身地テキサスでは狩猟が盛んであり、子供へライフルの使い方を教えるのは「父親らしいこと」とされています。エリーにライフルを任せたのは子供から卒業する一種の通過儀礼ですね。武装権、いわゆる「銃を持つ権利」はアメリカ建国時に制定された合衆国憲法に書かれているものです。それが1791年成立の合衆国憲法修正条項第2条です。
“A well regulated Militia, being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed”
「よく訓練された民兵は、自由なStateの安全に必要なものであり、人々が武器を持つ権利は侵されてはならない」
この条文はアメリカ保守層にとって基本的人権と同レベルに扱われています。しかしこのなかの「State」をどう解釈するかで性質が大きく変わり、今も議論が続けられています。
1、「State」=アメリカ合衆国
アメリカ独立戦争の際、イギリス軍と戦う中で活躍したのが義勇兵「ミニットマン」です。開拓地での狩猟でライフルを使っていた一般人が、その技術を使って戦争に参加し大きな成果を上げました。また、公権力がカバーできない広い土地では、自警団が治安維持に当たる必要があります。このことから、アメリカ合衆国全体の自由を守るためには、正規軍以外にも民兵の力が必要であり、そのための武器が必要である、という解釈です。2、「State」=連邦政府に対する個々の州
アメリカは支配者階級の圧政から逃れた民衆の国であり、連邦議会はあってもそれぞれの州で独立自治が行われています。権力の腐敗は起こりうるものとし、連邦政府が軍事力を使って旧大陸と同様の圧政をするかもしれない、そんな警戒心も持っています。いざというときに連邦政府に対抗する民兵が必要と考え、州の自治を守るための武装が認められている、という解釈です。劇中でファイアフライが軍に抵抗するシーンがありましたが、後者の解釈を使うと、ファイアフライの行為は憲法で保障されたものである、と取ることもできます。生き残るためか、自由を守るためか、その銃口が誰に向けられるのか。ゲームで銃を握るときには、時にはそのことを考えてみませんか。
覚えておきたい英単語集:戒厳令下のサバイバル用語
- Curfew:戒厳令
- Evacuation:避難
- Proper:正式な
- Ration:配給
- Detain:拘留
- Arrest:逮捕
- Molotov:火炎瓶
- Directive:指示
- Militia:民兵、武装組織
- Endure and Survive:耐えて生き抜け
今週のキーフレーズ:Jury’s still out.
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ダウンタウンを抜け、街を一望できる場所で「これで望みは叶ったか?」と聞くジョエルにエリーが返した一言。“Jury's still out”を直訳すると「陪審員はまだ外にいる」となります。これはアメリカの裁判に由来する成句で、判決前の協議が長引いて陪審員がまだ法廷に戻ってきていない、という状況から、「まだ結論は出ない」「わからない」という表現です。陪審員という形で市民が裁判に関わるアメリカでは法廷に関する言葉も定着していて、“a kangaloo court(吊し上げ)” “laugh out of court(鼻であしらう)”などがあります。
練習問題:次の画像を見て問いに答えなさい。
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