日本の対馬を舞台にしたオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー『Ghost of Tsushima』は、海外のAAAスタジオであるサッカーパンチプロダクションズが手掛けたこともあり、TwitterをはじめとしたSNSで話題沸騰中です。
海外製の日本というと、どうしてもナンチャッテニッポンの世界観が多い印象がありますが、本作は、これまで日本人クリエイターが手掛けてきた時代劇作品とほぼ変わりません。もちろん、ストーリーや時代考証などには、フィクションが含まれているのですが、日本、そして対馬に対するリスペクトが詰まっています。
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さて、そんな本作には、稲荷神の使いとして狐が登場し、主人公の境井仁を祠まで案内してくれます。この狐が可愛いと今話題になっているのです。
そこで今回はそんな可愛らしい狐を観察してみました。また、稲荷信仰に詳しいあの人気漫画家に本作についてコメントをいただいたので、あわせてお楽しみください。
キツネちゃん、上目使いが可愛すぎる!
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狐は、稲荷神の祠まで案内するのが役割のため、プレイヤーキャラクターが近づくと祠の方に移動してしまうので、なかなかコミュニケーションが取れません。しかし、狐の中には人懐こい性格の子もいて、なんとモフらせてくれるんです。
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これはフォトモードで撮影したスクリーンショットです。完全武装をした恐ろしい侍にも愛を振りまいてくれますし、目線をくれてますね。アイドルかよ!
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ちなみに狐は、ペットとして飼うことが認められている動物だって知ってました?
こんなモフらせてくれたら境井仁だって「俺、蒙古襲来が終わったら狐を飼うんだ……」という気持ちになっちゃうんじゃないでしょうか。
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狐さん、上目使いもお上手!あざとい……モフらせろ!
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元気に走る狐さんも可愛いですね。
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祠の前まで案内してくれた狐さんは、どこか神秘的ですね。
そういえば、祠で祈りを捧げた後、大半の狐は消えていなくなっているのですが、その中には残ってくれる子が何匹かいました。そこで筆者は、その狐をひたすら追いかけてみたのですが、最終的に生い茂る木々で視界が遮られ、いつのまにか姿を消してました。
流石、稲荷神の使い(迷惑)。
漫画家「狐も可愛いけど、鳥居や社が凄い!」
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「狐と言えばこの人!」ということで、本作のプレイヤーであり、月刊ComicREX(一迅社)連載の人気漫画「お稲荷JKたまもちゃん!」の作者であるユウキレイ先生に、本作に登場する狐の可愛さについてコメントを求めましたが、話題は思いもよらぬ方向に。
ケモノ女子高生が学校生活を送る「お稲荷JKたまもちゃん!」は、神道と深い関わりがある作品ということもあり、ユウキレイ先生は、鳥居や神社に詳しいのです。先生が本作をプレイして特に注目した点を熱く語ってくれました。
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ユウキレイ先生のコメント
『Ghost of Tsushima』で、あの稲荷神の使いである狐を撫でることができるなんて感激です……!特に、撫でた後にジャンプする姿が可愛いですね!
元寇の時には、稲荷信仰はすでに定着していたはずなので、プレイ中はニヤニヤが止まりませんでした!
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狐が案内してくれる稲荷神の祠は、崖の上などの不安定な場所に置かれていますが、もしかしたらプレイヤーの中には、「こんなところに祠があるのはおかしくない?」と思う人がいるかもしれません。
神道では、大木や大岩などを神が下りる磐座(イワクラ)として祀っており、その中には不安定な場所にあるものも少なくありません。ゲームの性質上、それを祠として表現しているのではないでしょうか。これは妥当な判断だと思いますね。
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僕が個人的に驚いたのは鳥居と社です。鳥居には、扁額(神額)が付いているし、鳥居自体も、おそらく白木鳥居か黒木鳥居、木製の鳥居、石造りの台輪鳥居のようなものが登場し、種類も豊富です。社には藁葺流れ宮造りなどがあって、制作者の熱意が伝わってきますね……。
僕はまだクリアしてはいないのですが、最北端のエリアにはどんな鳥居や社が待ち受けているのか今から楽しみです!
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「狐が可愛い」というテーマから少し脱線してしまいましたが、本作のフィールドには魅力的なものが多くあることがわかりました。
皆さんもユウキレイ先生のように……とはいかないとは思いますが、一度戦いの道から外れ、世界の片隅にある小さなものに注目してみると、面白い発見があるかもしれませんよ!
そうそう、余談ですが、「お稲荷JKたまもちゃん!」の最新刊である第5巻が2020年7月27日に発売されます。『Ghost of Tsushima』でキツネが大好きになった人は、キツネ女子高生も大好きになってみてはいかが?