現在開催されている「Steamゲームフェスティバル オータムエディション」。本稿ではこのイベントにて公開されたデモ版から、気になる作品をピックアップしてその内容をお届けします。
今回紹介するのは、12月8日よりSteam早期アクセスを開始する予定の『Hellish Quart』です。本作の開発者Jakub Kisiel氏は、『Gears of War』『Infinity Blade2』や『ウィッチャー3』など無数のAAAゲームにも携わったアニメーターで、2人のチームで開発しています。
『Hellish Quart』とデモ版の内容について
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本作は17世紀ポーランド・リトアニア共和国を舞台に、「コサックス」「フランス銃士」や「ユーサル」といった近世の戦士達が1対1で勝負をする剣戟格闘アクションです。武器はサーベル、レイピア、ブロードソードやロングソードなどの他にも、多数の剣が登場します。
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『ブシドーブレード』や『剣豪』といった作品にヨーロッパのテイストをプラス。更に物理演算とフェンシングの動きに基づいた1,000以上のモーションキャプチャーが、リアルで緊張感のあるゲームにしています。長年のアニメーターの経験が活かされているだけに、滑らかなモーションが目を引きます。
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リアルさの追求は動きのみならず、17世紀のファッションに基づいた服を3Dスキャンして使用したり、シングルプレイのストーリーは当時の生活に沿った内容となっています。また流血や体の一部が欠損する表現もあります。
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なお今回のデモ版は「Steamゲームフェスティバル オータムエディション」開催中の期間限定となっています。ご注意ください。
『Hellish Quart』デモ版の実内容に迫る!
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今回配信されたデモ版は早期アクセスより前の段階となっており、シングルプレイキャンペーンには未対応。プレイできる内容は積極性の異なる3タイプのCPU又はプレイヤーとの対戦とチュートリアル、そして「Steam Remote Play Together」を使ったオンライン対戦です。使用できるキャラクターは3体で、衣装の変更はできません。なおコンボ技は共通の内容です。
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慎重派の筆者はまずチュートリアルからプレイ開始。ゲームパッドは、PC対応のXboxコントローラーを使用。基本的な攻撃は「X」「Y」「A」「B」の4つのボタンに割当られており、それぞれ角度の異なる攻撃が繰り出せます。攻撃ボタンを押さない場合は防御体勢になり、自動的に攻撃をブロックします。
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また、ボタンの組み合わせでコンボ技を繰り出したり、左トリガーを押しながら攻撃することで攻撃スタイルが変化します。対戦相手との距離が近くなると剣の攻撃から殴る蹴るの肉弾戦に替わり、相手を押して防御を崩したり、武器を持つ腕を押さえて腹を切りつける攻撃が可能となります。
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全ての動作は後方キーを押すことでキャンセルでき、直ぐに防御体勢に戻れます。相手に押されたり、腹を切られそうになった場合も後方キーで抵抗が可能。一撃で勝負がつく可能性がある本作では、いかに相手の動きを観察し反応できるかが勝敗の分かれ目となるでしょう。
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どんな攻撃も距離が近すぎない限りは大体ブロックしてくれる剣士達。そんなに防御されてたら決着が着かないよ!と思ってしまいますが、スタミナ要素があるので、防御し続けていると疲れて体勢が崩れていきます。
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左右のみならず自由に移動できるので、奥に移動しながらすかさず剣を振り下ろして手首を切りつけるといったことも。ただし相手に背を向けてフィールドを走り回って態勢を立て直す戦術は取れません。『ブシドーブレード』で遊んだ時に逃げ回っていた記憶が蘇ります……。残念ながら本作のフィールドはそれほど広くなく、障害物はありません。
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いかに相手の防御態勢を崩して切り込めるかが勝利のカギ。昔は逃げ回っていた筆者も、後方入力で攻撃モーションをキャンセルしつつ、相手のカウンターをカバーし即座に胴を突くといったプレイが容易です。
正直、格闘ゲームで技を出すのが下手な筆者ですが、コンボコマンドに斜め入力はなく、入力時間がそれほど早くなくてもコンボが出せるので遊びやすい印象をうけました。初心者でも相手のスキを突ければ一撃で倒せる可能性があります。ただ、現時点では斜め入力がないためか、スティックを使用したプレイよりも十字キーの方が操作しやすかったです。
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物理演算に基づいた動きと反応、そしてモーションキャプチャーの流れる動きが合わさって、リアルなチャンバラが楽しめるはず!今回オンラインでの対人戦はできませんでしたが、ベテランプレイヤー同士の激しい攻防戦はどんな様相となるのか、是非観戦したいと思いました。
早期アクセスの内容
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12月8日から始まるSteam早期アクセスの期間は1~2年としていますが、ユーザーのフィードバック次第で変動するといます。早期アクセスバージョンでは5体のキャラクター、5種類のアリーナ、ストーリーの予告編、アーケードモードとローカル対戦がプレイでき、ファイティングスティックなどのコントローラーにも対応する予定です。
正式版では戦闘スタイルの異なる12体のキャラクター、12種類のアリーナ、オリジナルサウンドトラック、6つの難易度、ストーリーモード、キャラクターの衣装が変更可能になるとのこと。なお、早期アクセス期間中と期間後で現状は価格の変更はありません。
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ここまで紹介してきた『Hellish Quart』、いかがでしょうか。Jakub Kisiel氏の長年の経験があるからこそですが、物理演算とモーションキャプチャーが加わるとこんなにもリアルな剣戟格闘が楽しめるんだなと思いました。これから早期アクセスが始まるので、どの様にブラッシュアップしていくのかも楽しみな一作です。
タイトル:Hellish Quart
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2020年12月8日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:未定