何かと出費が多いハードコアゲーマーにとってうれしい季節がやって参りました。年に一度の「ブラックフライデー」セールの開幕です。数年前の作品なら8割、9割引は当たり前、ついでにあれもこれもと思っているうちに、結局手を付けられないゲームが新たに積み上がることでしょう。
今回取り上げる『デッドライジング4』では2021年のブラックフライデー(11月26日)が、新生ウィラメッテモールの開店日であると同時にアウトブレイク発生日でもあります。人だかりで埋め尽くされたショッピングモールを、今年はゲームの中でしか見られないのはちょっと寂しいですね。なお、『デッドライジング4』は大部分にショッキングな表現が含まれるため、比較的刺激の少ない場面をピックアップしてお届けします。
練習問題の解答
SNSを開けば、毎日誰かの失言やスキャンダルがトップに表示されて、気がつけば大量の罵詈雑言をチェックすることに時間をとられている。改めて考えると、それってとても虚しい時間だと思いませんか? 結局、自分が嫌になる時間を自分で作っているようもの。どうせなら自分が笑顔になるために時間を使いたいものですね。
出血赤字大サービス! ブラックフライデーってそもそも何?
ここ数年で日本にも浸透し始めた「ブラックフライデー」セール。ゲームのダウンロード版をお得に購入できるチャンスが増えたので我々には非常に有り難いのですが、「なんだかよく分からないけど安いからラッキー!」というのでは面白くない。ブラックフライデーとはどういうものか、改めて見ていきましょう。
まず、ブラックフライデーとはアメリカ発祥の小売業界用語で、特定の日付、11月の第4金曜日を指し、今年は11月27日に当たります。その前日、11月の第4木曜日は「Thanksgiving Day(感謝祭)」で、ちょうどこの日が年末商戦のスタートです。残っていた年間の在庫を一掃して、一番の書き入れ時であるこの時期に仕入れのスペースを確保しなければなりません。小売店にとって、旬を過ぎたデッドストックは売る機会を失った一銭の価値もないもの、むしろストックを圧迫する赤字そのものです。そのため9割引の出血赤字大サービスであっても店側に利があるのですね。
この日はセール品を狙って店頭に大人数が押しかけ、警察もヒートアップに備えて警備を強化すると言います。そんな黒山の人だかり、あるいは黒字確実という意味で「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったのです。
日本国内では5年ほど前から大手小売店が導入を始めました。しかし日本の場合は感謝祭に相当するイベントはなく、ハロウィンが終わってすぐに次のクリスマス、正月に向けた年末商戦が開始します。大きなイベントがない11月に呼び水として、各社のタイミングでセールを行っていました。なんとか新しい商機として立ち上げようとしていますが、各社ともタイミングはバラバラなので、アメリカのようなお祭り感は演出できないようです。結局は従来の在庫処分セールとさして変わっていないのが現状ですね。
牛肉が引き起こす感染症「狂牛病」
『デッドライジング』シリーズは「一応」ジャーナリストのフランクさんが主役。大量消費社会という怪物が人間を「食い物」にする、そんな光景が作中で描かれてきました。作中では、ゾンビ化を引き起こす寄生バチが元々肉牛肥育のコスト削減の過程で生まれたことが明かされています。
第1作『デッドライジング』が発売した2006年前後は、アメリカ産牛肉を巡って大きな問題が立ち上がっていた時期でした。引き金になったのは「狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)」、牛の脳がスポンジのように壊れていき、運動障害、痙攣、意識障害などを発症して死に至るという病です。プリオンという異常タンパク質が引き起こすとされており、発症者の肉を摂取すると「伝染」する性質があります。これは牛だけでなく他の家畜、人間も発症するので危険な感染症の一種として扱われています。
日本では2001年、アメリカでは2003年に狂牛病の発生が確認されました。「肉骨粉」、つまり家畜の肉や骨を細かくしたものを飼料として与えたため、その中に混ざる狂牛病に感染した家畜の肉から感染が拡大。バーナビー博士の研究のように、低コストで効率よく肥育させるには、肉タンパクを摂取させる肉骨粉は都合が良かったのです。
前述の通り、この狂牛病は肉を通じて人間にも伝播する可能性があります。先に発生していたイギリスでは100人以上の死者を出しました。普段食べている牛肉によって脳を壊す恐ろしい病気にかかるかもしれないのです。その結果、各国で牛肉の禁輸や全頭検査、大量の殺処分を行う事態に発展しました。日本においてもオーストラリア産、ニュージーランド産への切り替え、大手牛丼チェーンの販売停止など様々な影響を受けています。
ゾンビ自体はフィクションですが、食肉にまつわる諸問題、「消費」される人々など、絵空事ではない現実も確かに存在するのです。
練習問題:次の問いに答えなさい。
国内で年間に屠殺される家畜頭数を答えなさい。
2:豚
3:鶏
食卓に上がる肉の裏には、育成や処理に関わる人々、何より死んだ動物の命があります。当たり前ですが食べ物を粗末にするなんて許されませんよ。ちなみにホワイトハウスでは感謝祭の一環として「Turkey Pardon」という食用七面鳥に「恩赦」を与える行事があります。今年も幸運な2羽の七面鳥が無事にディナー行きから救われました。