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日本時間2021年9月10日(金)から9月20日(月)の10日間にわたりドイツ、ベルリンにて開催される「VALORANT Champions Tour 2021: Stage 3 Masters - Berlin」。
全世界2200以上のチームが出場を目指し、その中で選ばれた16チームによる熱戦が繰り広げられる大会です。本大会の優勝チームはMastersベルリンの優勝トロフィーと共に、世界大会「VALORANT Champions 2021」への出場権を獲得できます。なお本大会には、日本地域からプロゲーミングチームZETA DIVISION、Crazy Raccoonの2チームが参加しています。
今回Game*Spark編集部はブラジル代表Keyd Stars戦終了直後、ZETA DIVISIONのプレイヤーであるcrow選手に独占インタビューを実施しました。世界の強豪との違いや今後の目標について伺った内容をお届けします!
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ーー宜しくお願い致します。まずは、大会お疲れ様でした。今の率直な感想を教えてください。
crow選手 本当に悔しいです。大会に備えて対戦相手の研究をしてきたのですが、相手側も同様に僕たちの事をしっかり研究してきていて、相手にやりたいことをやらせてしまったという印象が強かったです。
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ーー本大会はZETA DIVISIONにとって初の国際大会でした。日本代表チームの1つとして、どのような気持ちで本大会に望んだのでしょうか。
crow選手とにかく「VALORANT Champions 2021」に出場したくて、Crazy Raccoonとのポイント差を逆転できるベスト4を目標にやってきました。各チームに対する研究・対策もおこない、勝つ自信はありました。
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ーー今回の大会を振り返ってみて、良かった点、悪かった点をお聞かせください。
crow選手日本にいると北米やヨーロッパなど他の地域とはなかなかスクリム(練習試合)を行うのが難しいので、こちらの作戦や撃ち合いなどを含め、強豪相手に自分たちの実力が通用するのかわからないのですが、ベルリンで他地域のトップチームとたくさん戦えたのは大きかったです。撃ち合いや作戦の面でもある程度通用することが分かったのは自信に繋がりました。それが結果に出なかったのは反省点です。
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ーー先日、FnaticのBoaster選手が「日本のシーンはNAやEUのメタと大きく異なる」と言及していたのですが、“メタの違い”は試合の中で大きく影響していたのでしょうか。
crow選手ヨーロッパとアジアのメタでは構成に大きな違いがあります。特に「バインド」などのマップでは構成が全く異なるので、今までと戦い方を変える必要がありました。試合中、アジア地域のチーム相手に通用していた作戦が通用しなかったり、相手が日本のメタに対応しきれていなかった点はあったと思います。
ーー例に挙げていただいた「バインド」のメタの違いについて具体的にお聞かせください。
crow選手ヨーロッパだと、「ブリムストーン」や「ヴァイパー」、「アストラ」などを採用した2スモーク構成が強いのが大きな特徴です。2スモーク構成はこちらからすると非常に攻めづらく、相手側が攻めてくる時もスパイク設置後の遅延、「ヴァイパー」の「トキシックスクリーン」によるプレッシャーに苦戦していました。
ーー大会を通してそういったメタの違いを直に経験したことが、今後の戦略に柔軟性をもたらすだろうという認識はありますか?
crow選手それは間違いなくあります。自分たちが戦える幅、日本の流行りではない構成に対してもある程度戦える経験を得られたと思います。
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ーー話は変わるのですが、今回の大会は国内で約15万人の方が視聴していると言います。トップチームの1つとして、現在の『VALORANT』における国内シーンの盛り上がりは今までと比較して印象の違いなどはありますか。
crow選手盛り上がりをとても感じていますね。視聴者数だけでなくSNSでの応援のメッセージを頂いていて励みになっています。
ーー今回の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください。
crow選手今回のMastersでは逃してしまったのですが、10月に開催される国際大会「Last Chance Qualifier」で優勝すればチャンピオンズに出れる道は残っているので優勝して世界大会への切符を掴みたいです。
ーーまずは、「VALORANT Champions 2021」出場に向けてということですね。crow選手個人として具体的な目標はありますか?
crow選手個人としてはゲームの理解度を深めてフィジカルの面も磨いていきたいと思っています。
ーー大会を通じて個人的に感じた課題ということでしょうか?
crow選手個人的な話になるのですが、Stage3のプレイオフから自分のパフォーマンスがよくなくて、今回までに仕上げようと目標を立てていました。納得はしていませんが、最低限の立て直しはできたかなと感じています。今後もこれを続けて単純な撃ち合いの強さなど、フィジカルの面をより磨いていきたいですね。
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ーーなるほど、ありがとうございます。同様に本大会に出場しているCrazy Raccoonも含め、今回の経験は今後の国内シーンにどのように影響してくると思いますか?
crow選手ZETA DIVISIONが海外のトップチームとスクリムしているように、Crazy Raccoonも同じような経験をしていると思います。日本に帰ってからチームのメタは変わってくると感じますし、そういった経験を得た自分たちとスクリムするチームが増えれば、国内のシーンのレベルは上がっていくと思います。
ーー最後になりますが、日本の『VALORANT』シーンのファンに向けてコメントをお願い致します。
crow選手まずは、応援して頂いたファンの皆様ありがとうございます。結果としては良くないものになってしまいましたし、自分たちとしては納得していない、満足していない状況です。でも、今回の大会を通して得られた経験は大きく、日本に持って帰ることができるので今後の成長につなげていきます。引き続き、応援よろしくお願い致します。
ーーありがとうございました。
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残念ながらZETA DIVISIONはグループステージ敗退となってしまいましたが、日本代表として本大会に出場しているもう1つのチームCrazy Raccoonは、ブラジル代表Haven Liberty戦を勝利、『VALORANT』日本シーンでは史上初となる国際戦初勝利を遂げました。その直後に行ったade選手へのインタビュー記事も掲載しています。
Crazy Raccoonのプレイオフ出場をかけたGambit Esports戦は日本時間9月17日(金)午前1時より公式Twitchチャンネル、YouTubeチャンネルにて日本語で配信予定です。