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世間一般で不評の烙印を押されようが、それが「遊ばれない」ということにならない場合もあります。11月19日に正式リリースを迎えた大規模FPS『バトルフィールド 2042』は現在、Steamのユーザーレビューが「やや不評」と評されています。その一方、Steamの「現在最もプレイヤー数が多いゲーム」では一時、トップ10入りを果たしています。なぜ不評でありながら、これほど遊ばれているのでしょうか?筆者も不評ながら遊んでいるプレイヤーの1人、BFシリーズは3から入り、以降全作遊んでいるアラサーです。
レビューランキングワースト10位でありながら接続数10位
『バトルフィールド 2042』は大規模戦闘を特徴としたFPSゲームです。本作では戦場の規模を拡大し、従来の2倍となる128人での対戦が可能に。また、時代背景を長い間望まれていた現代戦に戻し、発売前はプレイヤーからの期待で溢れていました。
しかし、先行アクセスがはじまると状況は一変。想像以上のバグの多さやシステムへの不満、パフォーマンスの問題などに不評が集まりました。Steam上の様々なランキングを掲載している「Steam 250」のユーザーレビューによるゲームランキングではワースト10位内を記録。記事執筆時点では約36,000件のレビューの内74%が不評としており、日本国内のレビューに絞ると「圧倒的に不評」という驚愕の結果に。
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しかし、最大同時接続数は10万人を超えており、Steamの「現在最もプレイヤー数が多いゲーム」でも一時トップ10入りを果たすなど、盛り上がりも伺えます。
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つまり本作は“最も評価の低いゲームトップ10”でありながら“最もプレイされているゲームトップ10”にランクインしているゲームなのです。
『バトルフィールド』は唯一無二の作品
『バトルフィールド 2042』をなぜプレイするのか。それは本作でしか味わえない体験があるからです。
皆さんは『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』というゲームをご存知でしょうか?もちろん知っている方がほとんどでしょうが、本作はバトルロイヤルシューターの金字塔と呼ばれ、同ジャンルの地位を現在まで押し上げてきました。発売以降、バトロワというジャンルからは、『Fortnite』『コール オブ デューティ ウォーゾーン』『エーペックスレジェンズ』といった名作も登場し、さらにプレイヤー達は各ゲームへと枝分かれしていきました。
では、『バトルフィールド 2042』はどうでしょう。筆者は『BF』シリーズをなぜプレイするのか?と聞かれたら「大人数での戦争ごっこが楽しめるから」と答えます。本作でもそれ自体は味わえるのですが、いかんせん他の部分で悪目立ちが多すぎます。それならば別の類似ゲームで遊べばよいのですが、それができないのです。
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大規模FPSといえば他にも数多くのタイトルが存在します。しかし、そのほとんどが登場からしばらくして廃れ、過疎化の一途をたどります。バトロワのように代替タイトルが選べない状況では、プレイヤーは唯一の戦場に囚われ続けるしかないのです。
未来に期待を抱いて
『バトルフィールド 2042』は過去作からダウングレードされたコンテンツが多く存在します。スコアボードやサーバーブラウザ、兵科システム、統計ページ…挙げていくと切りがありませんが、多くのプレイヤーが不満に思っているポイントでもあるでしょう。
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このまま改善が見込めないのであれば、見放されるのも時間の問題でしょうが、本作は発売から開発を続けていくライブサービスゲーム。少しずつアップデートが重ねられていくからこそ、遊び続けられるのでしょう。現在もバグの修正を中心に高頻度で更新が続けられている本作ですが、何か変化があると見てみたくなるのが人の性。「おっアプデきてるじゃん」という感じでやりたくなりませんか?
面白いからやめられない
そもそも全員が「不評」としているわけではないのです。なかには単純に面白いからプレイし続けているプレイヤーも少なくないでしょう。かくいう筆者もその1人。バグにイライラする事がわかっていても、それでも起動してしまうのです。待ちに待った期待の新作。プレイしないという選択肢はもとよりありませんでした。
武器やアタッチメントがアンロック式なことも、やめられない原因かもしれません。アンロック式は億劫で時代錯誤であるという声も多くのプレイヤーから挙がっています。しかし中には、解除していく過程を楽しむプレイヤーもいます。苦労して解除した時の喜びはひとしおです。
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また、現在は最後のアンロック武器がレベル60で解放されることもあり、とりあえずはそこまでプレイする、という場合もあるでしょう。
果たして、プレイヤーが報われる日は来るのでしょうか。今日もまた、遊びながらその日を待つばかりです。