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かつて2015年2月にiOS/Android向けに配信され、愛らしいビジュアルと奥深いストラテジー要素でファンの心を掴んでいた『リトル ノア』が、ローグライト2DアクションゲームとしてCS/PC向けにお目見えとなりました。
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この新作『リトル ノア 楽園の後継者』ではスマホ版『リトル ノア』の前日譚に当たるストーリーが語られ、ランダム要素×軽快2Dアクションが絡んだ「ローグライト」なプレイを楽しめます。
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本稿では「ローグライト」の持つ特徴や魅力を改めて振り返りながら、旧作から大きくジャンルを変えた『リトル ノア 楽園の後継者』のゲームプレイをご紹介。旧リトルノアのファンはもちろんのこと、ローグライトが好きなゲーマーや、キュートなビジュアルに興味を持った方に向けて、本作が持つ“プレイヤーをグイッと引き込む魅力”を伝えていきます。
◆まずは「ローグライト」の楽しさを復習。ジャンルの特徴と源流を振り返る
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『リトル ノア 楽園の後継者』を紹介する前に、「ローグライト」について振り返っていきましょう。「ローグライト」のルーツとなるのは「ローグライク」というジャンルであり、源流はコンピュータゲーム黎明期にリリースされた『Rogue』にあります。さっそく振り返るべきものが多いのですが……同作はテキストで描かれたターン制RPGで「死んでしまったら最初からやり直し」、そして「ランダムマップ生成」を大きな特徴としています。
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この『Rogue』に影響を受けた作品は「ローグライク」と呼ばれ、前述の2つの特徴を受け継いでいます。特に「不思議のダンジョン」シリーズは多くのゲーマーにとっておなじみでしょう。「ローグライト」は、この「ローグライク」をライトな形に変化させたもの。Steamのガイドラインでは「ローグライクの要素を緩く取り込み、死亡もそれほど永続的(パーマデス)ではないのがローグライト」とされていて、「死んでもすべてが最初からではない」などの比較的“ライト”な要素を持ったゲームがよく「ローグライト作品」として挙げられます(※諸説あり)。
多少複雑で、その定義についての議論も盛んな「ローグライク」と「ローグライト」。しかしその根源的な魅力は同じところにあり、「ランダム生成マップを相手に繰り返し遊ぶ」という特徴はおおむね共通しています。
また、何度も繰り返しプレイしていくゲーム性から「キャラクターへの愛着が高まりやすいジャンル」とも言えます。ランダム生成とは言え、繰り返し挑戦するゲームジャンルなのですから、「キャラクターの魅力」は重要となるでしょう。事実、『ポケモン』や『ドラえもん』などのように“キャラゲー”のシステムとして採用されたり、独特な魅力で好評を博した例も多々あります。
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そのような「ローグライト」的な要素を引っ提げて現れたのが『リトル ノア 楽園の後継者』です。本作は「ランダムマップ生成」の2Dアクションでありつつも、ゲームオーバー後の引き継ぎ要素もあるのでシステムとしてはカジュアル風味。それでいて「探索」や「敵の攻撃パターンを読む」といった歯応えのあるゲームプレイを充分味わえます。
◆2DローグライトACTとなった『リトル ノア 楽園の後継者』の魅力とは
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リアルタイムストラテジーからローグライトアクションへとジャンルを変えた『リトル ノア 楽園の後継者』ですが、そのビジュアルは旧作ファンにとって非常に馴染み深いものでしょう。それでいて新鮮な2Dアクションとしての爽快感も兼ね備えており、ファンをニヤリとさせる要素とローグライト/2Dアクションファンを唸らせる要素が同居しています。ここからは、そんな本作の魅力について紹介していきましょう。
■柔らかで温かい世界観&吉田明彦氏が描くキャラクター
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本作の主人公「ノア」は、お供となる「アストラル」を使ってダンジョン探索に挑みます。そのキャラクター達は旧リトルノアでも馴染みのある顔ぶれです。
大元のキャラクターデザインを担当したのは『ファイナルファンタジータクティクス』や『ブレイブリーデフォルト』『ニーア オートマタ』で知られる吉田明彦氏。氏の描く愛らしいキャラクター達を操りながら、柔らかで温かい世界観を冒険していくことになります。
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先述した「何度も繰り返しプレイしていくゲーム性」は、『リトル ノア 楽園の後継者』の特長のひとつでもあります。本作は愛らしいアートスタイルで注目を集めていた『リトル ノア』のビジュアル・世界観を強く継承しており、「キャラクターへの愛着が高まりやすいジャンル」である“ローグライト”と魅力的なデザインを上手くマッチさせています。
■かわいい見た目で奥深い、ガチ難易度のローグライトアクション
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「ノア」は、バリエーション豊かな攻撃方法を持つ「アストラル」を使って戦闘に挑みます。道中で出会う様々なアストラルを編成して、1体ずつ召喚するような仕組みで攻撃を行います。
「アストラル」には近距離攻撃ができるタイプや遠距離タイプ、さらにはトリッキーな移動攻撃タイプなども登場。近距離&遠距離を組み合わせたり、空中コンボを繋げる編成も作れたりと、プレイヤーの好みで様々な“ビルド”を構築できます。
そんな「アストラル」達の攻撃に加えて、ノア本体の必殺技となる「アニマバースト」やダッシュ、ジャンプを巧妙に組み合わせていくのが、本作の主な戦闘方法です。愛らしいビジュアルに見えて、中身は意外とハードコア。特にゲーム終盤は、2Dアクション玄人でもなかなかのやりごたえを感じられるはずです。
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とはいえ本作は「ゲームオーバーになっても引き継ぎ要素アリなローグライト」。倒れて失ってしまった仲間や装備品は「マナ」と呼ばれるポイントに変換され、基礎ステータス上昇や新アクションの獲得など、さまざまな“積み重ね”に繋げられます。「世界観は好きだけどプレイの度に気を張るのはつらい……」という方にもオススメしやすい、ちょっとお手軽なシステムです。
■あの世界観がリッチに復活!『リトル ノア』ファンを喜ばせる要素の数々
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先述のとおり本作は『リトル ノア』の前日譚を語る作品であり、スマホで遊べたあの世界観がベースです。登場するキャラクターはもちろんのこと、「方舟」の施設なども旧作のデザインを踏襲。スマホでは俯瞰でしか見えなかったモノも、リッチな表現で堪能できるようになりました。
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旧作ファンならスマホで親しんでいたであろう「アストラル」達は躍動感に溢れますし、今見ても決して古臭さを感じさせないキャラクターデザイン。「アニマ」やボスフロアでの敵キャラクターなど、とにかく様々な形でリトルノアで見知った要素に出会えるので、深い思い入れのある方は思わずホロリと来ることうけあいです。
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また、ビジュアルのみでなくBGMも要注目。拠点となる「方舟」でのBGMや、ボス戦で勝利したときに流れるファンファーレを聞けば、きっと当時の興奮が呼び覚まされるはず。『リトル ノア』はもちろん、『ファイナルファンタジーXII』や『十三機兵防衛圏』でも知られるコンポーザー・崎元仁氏による音楽が、冒険を豊かに演出してくれます。
ジャンルが大きく変わったため、2Dアクションやローグライト系ゲームに慣れていない前作ファンは少し驚くかもしれません。プレイ序盤にはゲームオーバーを何回も繰り返すことになると思われますが、馴染みのあるビジュアル&サウンドによって楽しくプレイを重ねていけるでしょう。
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旧作からビジュアルに魅了されていたファンはもちろん、手応え抜群のローグライトアクションを好むハードコアゲーマーの期待にも応える『リトル ノア 楽園の後継者』は好評発売中です。
対応プラットフォームはPS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)として、ゲーム本編は1,500円で販売されています。また、『プリンセスコネクト!Re:Dive』や『ウマ娘 プリティーダービー』とコラボしたダウンロードコンテンツ第1弾・第2弾(各300円)のリリースも控えており、2つを収録するDLCセットは500円、ゲーム本編とDLC2種を含む「スペシャルエディション」は2,000円で販売予定です(価格はすべて税込)。
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