お目当ての試遊や物販を一通りまわり、さぁ何をしよう……となったなら。有名メーカーのブース以外にもたくさんの見どころが詰まっているのが、東京ゲームショウの魅力のひとつです。本記事では、今年のTGS2022で会場全体を回って目にした気になるブースや、そのほかあれこれのレポートをお届けします。
お金持ちが多そう……というイメージは間違っていなかった「Hello Sir Games」
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横スクロールのアクションアドベンチャー『ゾゾの冒険』を展示するHello Sir Gamesは、アブダビに拠点を構えるディベロッパー/パブリッシャーで、今回のTGSが初参加。中東のオリジナルゲームを日本市場向けにローカライズ&発売するのが同社の主軸ですが、TGS2022では逆に中東向けにローカライズして販売したい、日本のゲームメーカーとのビジネスチャンスも出展の目的だとか。同社のコミュニケーション最高責任者デイブ・アウデロさんは、誰もが知る超大手出版社の名前を挙げ「すでに商談の予定が入った」と手ごたえは十分な様子でした。
中東のゲーム市場規模について尋ねたところ「中東はお金持ちが多いから……」という理由で、ゲーム購買に関しては世界でもトップクラスなんだとか。3カ月前の最新データによると市場規模は2021年で約2千600憶円、2025年の予測が3千140億円だそうです。うーん、うらやましい。
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unCompany gamesの「ドロボーちゃん」はゆるキャラにしてレアキャラだった
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保育園か幼稚園のプレイルームを思わせる、カラフルなブースではunCompany gamesの『ぬすんであそぼ!ドロボー幼稚園』の体験プレイが可能。“いい年した大人が3歳児になって遊ぶためのゲーム”をコンセプトに、魔法のねんどでできたドロボーたちを操作して、たくさんの「おたから」を集める協力型対戦ゲームで、2021年に発売済みです。
既にリリース済みのタイトルで出展した理由について、同社広報の近藤幸子さんは「もっと認知度を上げたくて……マップ拡張のDLCも出す予定なので、さらに知ってもらう必要があると思い、出展を決めました」とのことですが、本ブースの見どころは『ぬすんであそぼ!ドロボー幼稚園』のキャラクター“ドロボーちゃん”です。
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短いむちむちの手足はゲームコンセプト通り、3歳児のような愛くるしい姿。カメラを向ける人も多く見かけました。しかし、このドロボーちゃんは1日でたった7回だけしか触れ合えないというレアキャラです。“中の人”にとってあまりに過酷な環境だそうで、毎時0分~20分の間だけの登場なので、撮影希望の方は忘れずにブースを訪問してあげてください。
ゲーマー向け住戸「ゲーミングマンション」って何?
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防音×高速インターネットのコピーと共に目を引く「ゲーミングマンション」の看板は、不動産業界から初出展となるミュージションのブース。
もともとは音楽大学出身者やバンドマンなど、24時間いつでも楽器を練習したいユーザー向けの高い遮蔽性能がウリの賃貸物件を扱う企業ですが、2019年以降のコロナ禍でYouTuber/Vtuberなど動画配信者のユーザーが顧客に増え始めたとのことです。音楽業界よりもゲーム業界の市場のほうがはるかに大きく、そこからビジネスチャンスを嗅ぎ取ったのだとか。
プロゲーマーやYouTuberからのアドバイスに基づき、インターネット回線は10gbpsの「フレッツ光クロス」を各部屋に専用回線で導入。壁紙の色をシンプルで配信に適したホワイトにする、背景を付け替えられるピクチャーレールを取り付けるなど、通常の賃貸とは違う工夫を施しているそうです。
ゲーム実況のようにしゃべり続ける配信者はともかく、ゲーマーってそんなに大声を出しますか?「ゲーミングマンション」ではなく「ライバーマンション」でもよかったのでは? と、同社ミュージション事業部・三ツ口拓也さんに質問を投げかけてみたところ、「深夜にFPSなどをプレイしていると、予想外な敵との遭遇で思わず大きな声が出てしまい、近隣とのトラブルになることもあるそうです」「実際のお客様はYouTuberやライバーと呼ばれる配信系の方がほとんどですが、まずは認知度を高めるためにも『ゲーミングマンションって何?』と注目してもらうためにキャッチーな造語を考え出した」とのこと。
Twitterで「ゲーミングマンション」がバズったり、eスポーツチームのオーナーとのミーティングが入るなど、今回の出展で反応は上々。ちなみに家賃については「部屋数や面積に応じた各地域の相場の“1.2倍~1.3倍程度”」だそうです。
お、ねだん以上のニトリがTGSに初出展したワケ
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「お、ねだん以上。」のキャッチコピーで有名な家具メーカーのニトリがTGS2022に初出展。ゲーミングチェアやゲーミングデスクに実際触れたり座って試せるブースとなっています。
同社がゲーミングチェア/デスクを発売したのは2019年秋のこと。eスポーツやゲーム人口の盛り上がりを感じ参入したものの、なかなか認知が進まなかったそうです。広報部の大江美幸さんは、今回のTGSでも「名刺が初日で無くなってしまう」ほど取材を受け好感触なのに、「ニトリがゲーミングチェアを発売していたことを知らなかった」という声が多かったそう。
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社内にコアゲーマーの社員がいたわけでもなく、外部のアドバイザーを頼ったわけでもなく、市場調査を通して自社開発したというゲーミング家具。同様の価格帯やユーザー層でいうとライバルになる北欧メーカーのIKEAも「ゲーミング家具シリーズ」を2021年5月から発売していますが、「世界的メーカーで大きな市場を対象にしているIKEAさんと違い、ニトリは国内向け。後発組として日本人向けに、カーブの具合やちょっとした便利機能など、日本人らしい“細やかな気配り”が強みとなっています」とのことでした。
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ゲーム・PC周辺機器は男性ユーザーを意識した商品も多く、黒やシルバーといったカラーリングが中心の中、最近は女性ゲーマー人口の増加も意識し、部屋になじむホワイトも展開するなどターゲットはライトゲーマー層。価格は1万9900円~4万9900円となっています。
「中東で一番有名な日本人」にTGS2022の会場で遭遇
ビジネスデー2日目の会場で取材中、どこかで見た覚えのある服装と顔立ち……もしやと思い声をかけてみれば“中東で一番有名な日本人”としてテレ朝系「激レアさんを連れてきた。」にも出演された鷹鳥屋明さんでした。
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中東ファッションで浅草や山手線で撮影した動画をSNSに投稿、大バズりしたことをきっかけに「中東で一番有名な日本人」となった鷹鳥屋さん。現在、本業のお仕事がゲーム関連ということでTGS2022には、IT企業の挨拶まわりや、インディーゲームのブースに出展している中東系メーカーに取材したい大手ゲームメディアとの仲介役、ドバイとアブダビのメーカーのブースを覗いて、どの程度のゲームなのか実力チェック……といった目的で参加されたとのこと。仕事抜きで一番興味を引いたのは「バンタンゲームアカデミー」ブースで、想像以上にレベルが高くて驚いたとコメントをいただきました。
あいにくの台風が影響しそうな9月17日・18日のTGS2022ですが、お目当ての試遊や買い物がひと段落ついたあとは、意外な出会いをもとめて会場をぜひ巡ってみてください。