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2022年も10月に差し掛かり、昨年9月30日の『eFootball 2022』リリースから1年が経ちました。
コナミの定番サッカーゲームとして長らく続いてきた『ウイイレ』こと『ウイニングイレブン』シリーズの看板を改め、あらゆる面を刷新した基本プレイ無料の新タイトルとして注目を集めていた本作。
しかし、そんな期待とは裏腹にリリース直後から多数のバグ報告や操作性の悪さを指摘する声が相次ぎ、PC版ではSteamストア歴代ワーストの評価率で「圧倒的に不評」と評価されたことで大きな話題を呼びました。
あれから1年。本稿では複数回にわたる大規模なアップデートを繰り返してきた『eFootball』の変遷と現状を改めてチェックしてみたいと思います。
『eFootball』アプデの歴史
まずはたった1年ですが、あまりにも色々あった『eFootball』の歩みを時系列で振り返ります。
2021年9月30日 リリース後「圧倒的に不評」に
コンソールとPC向けにリリースされた『eFootball 2022』のver0.9.0は、メインとなるモードは「秋のアップデートで追加」予定のままカジュアルマッチのみプレイ可能な状態でのスタートとなりました。
しかし起動してみると挙動が不安定なばかりか、選手は消滅するし体が不自然に曲がるしとグラフィック面のバグが多発し、衝撃のクリップがSNSを騒がせる事態に。肝心のサッカーゲーム部分も「パスのスピードが著しく遅い」などリアルさ・爽快感を欠くものであり、バグ動画の拡散と共に低評価ぶりも世に広まることとなりました。
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これを受けて公式Twitterアカウントは謝罪と同時に改善を約束する投稿を行う事態となりました。
“圧倒的に不評”の『eFootball 2022』公式Twitterアカウントより謝罪と今後についてコメント2021年11月 0.9.1へ緊急アップデート 秋の本格始動を断念
リリースから1か月後の11月5日、不具合を修正するパッチ「ver0.9.1」が配信されました。この段階でショッキングな動画の要因となってきたバグの殆どは修正されたものの、ゲーム内容についてはあまり改善されぬままでした。
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このアップデートと同時に、当初は「11月」と予告されていたver1.0のリリースが「22年春」へと延期。事前に販売されていた有料のアイテムパックについても販売中止となり、返金措置が取られました。
時を同じくして「今秋」となっていたモバイル版のリリースについても延期。このアップデートに伴う告知を持って、例年続いてきた「ヨーロッパサッカーシーズンの開幕時期に合わせた新作の始動」を断念することが正式に決まりました。
5カ月の空白期間
ここから次のアップデートまで、ゲーム内でプレイ出来たのはオフラインのカジュアルマッチと「オンライン対人戦を規定回数こなす」というイベントのみ。
イベントをクリアするとゲーム内ポイントが貰えるわけですが、何せポイントも使い道がない状態。報酬がどれくらいの重要度なのかも分からないままに、ユーザーはなんとなくチャレンジしていました。試合数さえこなせば勝敗は関係ないので、ミッションクリアのためだけに放置している人とマッチングすることも。
そんな月単位のイベントを何度か繰り返す間、特にゲームへのアップデートは行われず。4月14日にver1.0へのアップデートが発表されるのですが、それが告知されたのは4月6日の事。丸5カ月、殆ど『eFootball』は休眠に近い状態にありました。
なお、この期間中にも本作を使用した対戦イベントは行われており、練習したいプレイヤーは「せーの」でマッチングボタンを押してフレンドとの対戦を狙っていたとか。
2022年4月 遂に「ver1.0」へ
そんな苦難を乗り越え、2022年4月には待望のver1.0.0が配信されました。ゲーム性の部分にも大幅に手が加えられ、その翌週には好きな選手を集めてチームを編成していく「ドリームチーム」モードが実装。オリジナルのチームでレート戦などの各種イベントがプレイできるようになり、遊び方の幅が大きく広がりました。
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さらに2か月後の6月にはモバイル版もリリースされ、モバイル版のプレイヤーも無事に『eFootball』がプレイ可能な環境に。当初の予定から半年以上遅れでようやく『eFootball』が本格始動したと言える段階を迎えました。
以降は細かなアップデートが行われ、8月には中規模アップデートで新シーズン『eFootball 2023』に更新。ヨーロッパサッカーのシーズンを基準に今後も1年単位で大型のアップデートを加えながら続けていく方針を示しつつ、現在に至ります。
ゲーム内容は向上中も、まだまだ課題は残る
話題となったようなバグは完全に修正され、不評だった操作性やスピード感も改善した『eFootball 2023』。
10月6日のアップデートではようやくフレンド対戦機能も追加(モバイル版では7月27日に実装)され、当初と比較すると「基本プレイ無料のサッカーゲーム」として随分完成度が高まっている印象も受けますが、現行ユーザー目線ではまだまだ課題も多いのが現実です。
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・遊び方のバリエーション不足
前作までの「myclub」にあたるドリームチームは実装されたものの、旧作で存在した「マスターリーグ」は有料コンテンツとして開発中と明言されていますが、現状では未実装です。
「ビカムアレジェンド」や「カップ戦」など他にオフラインで楽しめるモードは実装予定すら公表されておらず、対人戦を遊ばないプレイヤーのためのモードは現状CPUとのカジュアルマッチのみという状況です。
・形を変えて現れ続けるバグの数々
目を惹く派手なバグはなくなったものの、それ以外でもプレイしていると驚くような現象に遭遇することも。それは試合中に「選手が突然転倒する」とかや「オフサイドラインがズレて見える」のようなケースから、冗談のような不具合まで発生します。
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対戦レートで上位勢が2000前後で推移する中、バグで2600万レートに到達するユーザーが出現する
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存在しない選手が獲得できてしまい、ゲーム内ではバルセロナ時代のメッシ選手がゴールキーパーで表示される
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ゲームに不具合はつきものとは言いますが、ひとつひとつなら笑って楽しめるような不具合も立て続けに起こると今後への不安が募るばかりです。
ここから継続アップデートで挽回!……して欲しい!
そもそも「2021年に完全新作をリリースする」と予告し、その開発に注力するため2020年には新作を発売せず前作『ウイニングイレブン 2020』を更新し続ける形で通常よりも長い準備期間を用意していたはずが、大失敗のスタートとなってしまった『eFootball』。
その後も細かな不具合や告知の遅れ、そして度重なる延期による信頼の失墜は著しく、海外ユーザーから「#BRINGPESBACK(ウイイレを返して)」という運動が起こるなど、コミュニティには未だに『eFootball』への反発心を表明する人も少なくありません。
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『ウイイレ』シリーズのヘビーユーザーであり、本作もアプデによる復活を信じて結構な時間プレイしてきた筆者としても、試合時間が変更出来なかったりフォーメーションを複数保存できなかったりするシステム面には「前作は出来たのになぁ」と思わざるを得ませんでした。
しかしそれらもアップデートによって改修されてきており、少しずつ良くなっているのを実感しています(自分の通算戦績を確認する機能も復活、お願いします)。
サッカー部分についてもユーザーの意見を取り入れた修正が続いており、先日の『2023』へのアプデで一部のテクニックが弱体化され、守備AIが強化されたことからロースコアの試合が増えている印象もありますが、ここから上級者が環境に刺さる戦術を考案していく「メタが回る」という面白さもあります。
他作品や前作と比較をされるのも当然ではありますが、当初のような操作性やスピード感の難点は改善されたこともあり、2022年秋時点の本作は「好みが分かれる」と言える段階まで来ているのではないでしょうか。
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少なくとも「圧倒的に不評」と言われた頃からはすっかり生まれ変わった『eFootball』(現在のSteam評は「やや不評」と「賛否両論」の間で推移)ですが、まだまだ誰かにおすすめしづらいのも事実です。
基本プレイ無料ではあるものの、唯一のオンライン要素「ドリームチーム」は課金によって強力な選手が獲得できる環境であり、獲得した選手は1年ごとに契約更新を行わなければいけません。もしかして来年になると選手の契約権を更新するために多額の課金が必要になるのでは……なんて不安も。
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夕方から夜間のゴールデンタイムでも対人戦でマッチングしないこともあり、前作よりアクティブなユーザーが減っていることは明らかです。このままだと強力なメンバーを揃えたユーザーばかりが残り、ますます初心者や無課金で「ガチ勢」をキープしたいユーザーにとって厳しい環境になってしまうのでは。
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と、ここまで現役ユーザーの目線としてはどうしても厳しい指摘が多くはなってしまったのですが、少なくとも「去年出たウイイレの新作ってヤバいんでしょ?」というイメージからは状況が大きく変わってきていることを1周年の節目に紹介したいと、今回筆を執った次第です。
スタートが良くなかったとはいえ前作の機能をベースに改修はかなり進んでいて、しかも前作までと違って今後も継続してアップデートが続いていくのであれば、むしろ1年ごとにまっさらからやり直しになっていた『ウイイレ』よりも継続的な楽しみが生まれてくる可能性もあります。
来年に予定されている「マスターリーグ」の登場もターニングポイントになるでしょうし、今後のアプデで良い方向に向かって行けば、この1年間も意味があったと言えるようになる……かも知れません!『ウイニングイレブン』が『ウイイレ』として誰もが知るタイトルであったように、これから『eFootball』が『イーフト』として親しまれていくためには非常に重要な時期を迎えるでしょう。
公式では不定期でユーザーアンケートを実施しているので、現役ユーザーに限らず「最初ちょっと遊んだけどやめちゃった」という人も搭載希望モードなどの意見を寄せてみてください。