『SimCity 2000』で作った自分の街を、ただ見下ろすだけでなく実際に生活しているかのように自由自在に歩いてみたい……。そんな夢を抱き続け、ついに『マインクラフト』上で可能な限り再現させるMOD「MineCity 2000」の制作に至ったスロベニア在住のソフトウェア開発者Jernej Gosar氏は、海外メディアkotakuのインタビューにてプロジェクトの足跡や抱えている課題などを語りました。
『SimCity 2000』をやり込んで育ち、やがて『マインクラフト』にのめり込んだGosar氏は、子供の頃からの夢を実現しようと2014年頃から行動を開始しました。しかし、当時存在していた既存のMODは地形図などのインポートにしか対応しておらず、都市と建物といった必要不可欠な要素が欠けており不十分。そのため様々なITの仕事を通じて得た経験と技術を活かし、自身が作ることを決心したとのことです。
『SimCity 2000』の詳細な仕様が記されたドキュメントの助けを借りながら、核となるアイデアに関しては数週間で形になりプロジェクトが開始。ですが「双方のファイル形式のバイトを掘り下げて実際にマインクラフト上で展開可能なものを作成する」という課題が立ち塞がりました。
その後も『マイクラ』が『SimCity 2000』のデータを読み取って建物を再生成できるようになるまでには、変換先に作られる建物の外観に調和する内部構造の生成ためにかなりの時間を要しており、一部の複雑な建造物は未だ完成していないといいます。
『SimCity 2000』側の地形・建造物の組み合わせによっては『マイクラ』側の高度制限を超過してしまい、建造物の一部が切り取られてしまう可能性があるといった問題は抱えているものの、それ以外の場合では、現状100%に近い精度でオリジナルの街を再現できていると語りました。
日々の仕事に追われプロジェクトに取り組む時間があまり捻出できていないものの、MODの存在が認知され始めたことでGosar氏のモチベーションは上昇傾向にある様子。これからは「プロジェクトをより使いやすく」を目標に、『SimCity 2000』のセーブデータを持つ誰もが、自分の作ったオリジナルの街を『マインクラフト』上で手軽に再現できるようにしたいといいます。
「MineCity 2000」は現在GitHub上で公開されていますが、進行中の未完成プロジェクトであることも含め、導入は自己責任でお願いします。