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ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の改訂版オープン・ゲーム・ライセンス(OGL)1.2の草案を発表しました。
1974年に発売して以降、様々な形でTRPGの発展を率いてきた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。同社はその一環としてOGLと呼ばれる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のゲームシステムを広範に無料で利用するためのライセンスを発行しており、中にはRPG『Pathfinder』シリーズの原作であるTRPG『パスファインダーRPG』にも利用されるなど、間接的にデジタルゲームの発展にも寄与していました。
今回、そのOGLが1.1へ改定されることになったことが、リークされた情報と相まって大きな議論を招くことになりました。最終的には改定が延期されましたが、この度その修正版1.2の草案が発表されました。修正版1.2の大きな変更点として、OGLをクリエイティブコモンズを通じたライセンスとすること、および本ライセンスが恒久的で取消不可能なものとして提供されることを挙げています。
また、OGLを改定する主な理由を有害、差別的、または違法なコンテンツへの対応を可能にすることと述べ、それらに回避手段を提供しないため新規のOGL 1.0aでの認証は今後行わないとしています。一方で、現時点でOGL 1.0a公開されているコンテンツは、今後もOGL 1.0aでのライセンスが継続されます。
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これは同社が『D&D』の展開に関して最近の世論に合わせ、種族の外見・身体・文化的特徴やキャラクターの性質などの設定を変更、削除するなどの対応を取る中で、議論や反発が生まれている状況に対して釘を刺す動きと見られます。OGL 1.2の下で発表された作品に関しては、有害、差別的、または違法なコンテンツを含める、あるいは公にその行為に関与する場合、作品に対するOGL 1.2ライセンスの提供を終了できるのが特徴です。
その他、OGLの適用範囲が、『D&D』と明確に関連しTRPGコンテンツに分類される物のみとなることや、商用、非商用の区別、およびロイヤリティの制限がなくなったことなどが注意されています。
同社は草案に対してのフィードバックを2月3日まで受け付けており、2月17日に改めて進捗を報告するとしました。