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ローグライクはいつでもゲーマーの心を引きつけるジャンルでしょう。日本では『風来のシレン』や『トルネコの大冒険』 のような「不思議のダンジョン」シリーズが古くから人気を博していました。近年ではローグライトのアクションで『HADES』や『Dead Cells』などが世界的に反響を呼んでいます。
そんな日本の「不思議のダンジョン」的なスタイルに、いま流行っているローグライトアクションの要素がもしも混ざり合うことがあったなら? もしかしたらその答えとなるタイトルが、先日開催されたインディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン2」にて存在していました。それが『MISTROGUE ミストと生けるダンジョン』(以下、MISTROGUE)です。
プレイヤーの移動に合わせ浮上するダンジョン
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プレイヤーがトレジャーハンターの集う街・ルートガルに住む青年ミストとなり、奇妙なダンジョンを探索していくことが本作の主な進行です。ミストが挑むダンジョンとは、実はかつて滅びた王国が、魔法により意思を持ったものでもありました。
そんな意思を持つダンジョンゆえに、決まった形はありません。ミストの動きに反応し、生きたダンジョンは蠢くように通路を生み出すのです。プレイヤーは主にフロアを探索しながら、どこから通路が浮上するかを探しつつ、アイテムを集めたり戦闘したりしながら最深部へ向かっていくことを目的としています。時にはアイテムを使って、通路を浮上させることもできるなど、攻略の多様さも魅力の一つです。
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『MISTROGUE』は基本的に『HADES』系のアクションのスタイルで、道行く敵と交戦しながら周囲を探っていくゲームプレイです。攻撃と回避を使い分け、ザコの襲撃をいなし、撃破していくのが主な流れですね。スキルを利用すると、次に使用するまでの待ち時間であるリキャストタイムが設定されているあたりも今時なデザインではないでしょうか。
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ただ『MISTROGUE』の場合、どこかターン制のローグライクのような雰囲気を感じました。
というのも、本作の戦闘部分では、回避のリキャストタイムが長めだったり、敵の攻撃も「次にこの方向に打撃が来ますよ」という予告エフェクトなどもあったり、敵味方で順番に攻撃し合うような感覚です。いわば、ターン制のRPGみたいな印象です。
そこで、実際に開発のPolyscapeにお話をうかがうと「そうですね、『ディアブロ』と 『不思議のダンジョン』を足して2で割ったようなゲームデザインなんですよ」そう語ってくれました。ターン制風味を加えたことにより、現代的なローグライトアクションと、日本の古くからの不思議のダンジョンが融合した印象になったのでしょう。
アイテムや装備を駆使して自分だけの探索を行え
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本作において一般的なローグライトアクションから考えると、なにより独特なのが、膨大な装備やアイテムを駆使する点でしょう。
本作では剣や盾を基本に、様々な能力を持つ腕輪や、危機を打開するための魔法書などが用意されています。このあたりも『ディアブロ』などのハクスラ性と、「不思議のダンジョン」的な巻物を使った戦略性が混ざりあった雰囲気を持っています。装備の変更やアイテム選択の時には時間が止まるので、ゆっくり戦略を練れる点もありがたいです。
リアルタイムでのアクションと、ターンベースの「不思議のダンジョン」的な方向性を混ぜ合わせた挑戦的なゲームデザインを見せる『MISTROGUE』は2023年の春ごろに配信予定です。