ハードコアなゲーマーの皆さん!ゲームを遊んでいる際、こんなことを思ったことはありませんか?「このアイテムよく見るけど、どんな味しているんだろ?」と。私はしょっちゅうあります。
そこで、本記事ではこの疑問を「解消」すべく、名前だけはよく聞くくせに実際の味はよくわからない筆頭である「例の食べ物」を購入&調理、その実態に迫るべく調理していこうと思います。
アバダ・ケダブラ(挨拶)。どうも、とある別の料理記事が立て込んでいまして、やっと『ホグワーツ・レガシー』を遊べている筆者です。
1800年代後半のホグワーツを舞台とし、転校生としてやってきた主人公がひょんなことから古代魔術の秘密を探る本作。ストーリーはしっかり重厚に、ホグワーツやホグズミード村など周辺の探索などお遊び要素も充実しているため楽しく学生生活をエンジョイしています。
ところで、こんな連載をさせてもらっている身ですから、やはり気になるのはゲーム内で見られる料理関係。学校内やホグズミード村を探索してみました。
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イギリスらしいワンプレートごはん。
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大量のスイートロールでお酒を楽しむ人。
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試しにスイートロールをインタラクトしたら鬼みたいな形相で食べ始めました。
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贅沢ゆとり空間をトイレに構築した痕跡。ネカフェみたいな使い方してる。
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ホグワーツの大広間。生徒は大抵の場合ここで食事をするようです。肉に次ぐ肉!そして豆とパン。申し訳程度に野菜。
色々見て回りましたが、焼いた〇〇、茹でた〇〇のようなシンプルな料理が多いような印象を受けますね…。いくら1800年代後半のイギリスとはいえ、もっとこう、手間をかけた美味しい料理もありそうな気もするのですが…?どうなのでしょう?こんなこと言ってると「生徒数の多い学校の食堂でそこまで手間かけてられっかよ!」という料理長の声が聞こえてきそうですけど。
気になってしまったので1800年代に生まれた料理を探していたところ、「シェパーズパイ」という名前の料理が見つかりました。パイ、と言ってもパイ生地は使わず、ラム肉のミートソースをたっぷりのマッシュポテトでフタをしてオーブンで焼くという料理で、どうやらハリーポッターの原作シリーズでは何度か登場しているようです。今作の時代がおよそ1800年代後半の物語で、このシェパーズパイも1800年代後半に生まれた料理らしいので、マグルの世界では普通に食べられているのかも…?
ということで、今回はホグワーツ魔法魔術学校では残念ながら見つからなかったけど時系列的にはあってもおかしくない「シェパーズパイ」を作っていきたいと思います。
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では調理開始、まずはお芋から。よーく洗ってから皮を剥き、大きめにカットして水にさらします。
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たっぷりのお湯で柔らかくなるまで茹で……、
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お湯を捨てたらポテトマッシャーでグニグニ潰します。PCゲーマーが「ポテトマッシャー」というと大体はドイツの手榴弾の話になりますが、ここでいうポテトマッシャーはポテト潰し用の道具のほうです。
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バターと牛乳を入れて伸ばしながら、塩コショウで味を整えます。ハードコアゲーミング料理は牛乳の消費促進を応援しています。
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しっとり感が丁度いいマッシュポテトの完成。バターが大さじ2(30g)入っているのですンごい濃厚、これだけで食べても超ウマイ。味見をしていてハッ!と気づいたら完食しちゃいそうなので次の工程へ。
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ここからはミートソース作り。玉ねぎと人参をみじん切りにしておきます。
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シェパーズパイの主役・ラム肉は適当なサイズに小さくカットします。
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油を引かずにそのまま中火で加熱し、色が変わったら一旦お皿に戻します。羊肉特有のケモノ臭はほんのわずかに香る程度。そもそも筆者はお肉のケモノ臭全然アリ派ですが。
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ラムの脂が残ったフライパンでみじん切りにしたにんにくを熱し、香りが出てきたら玉ねぎと人参を炒め…、
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うっすら火が通ってきたら先ほどのラムを合流させます。
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味付けはイギリス・ウスターシャー地方で作られたことを由来とする液体調味料「ウスターソース」をベースにしていきます。イギリスの料理のためにイギリス由来の調味料を使っているというのに、今のところまったく異国を感じないのはウスターソースが日本人にとっておなじみすぎるからでしょうか。カレーを作る調理工程にも似ていますね、日本のカレーもイギリス由来ですし、日本の家庭料理はかなりイギリスに支配されている…?
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続けてトマトケチャップ・パウダータイム・パウダーシナモン投入。普段嗅ぎ慣れないスパイスの香りで、やっと異国感が出てきました!
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さらに小麦粉を入れ、水を加えてとろみが付くまで煮込みます。
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3~4分ほど煮込めばとろみが付いてミートソース作りは完了。この時点でおいしそうです。
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続いて耐熱皿を用意し、ミートソースを平らにならしながらセット。
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はじめに作っておいたマッシュポテトをフタをするように上に敷き詰めます。
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フォークなどでマッシュポテトに模様をつけるとシャレオツな出来上がりになるということなので挑戦。しかし、マッシュポテトの滑らかさ不足のためちょっと不格好な出来に……。次に挑戦する時はもっとお芋をガッシガッシ潰すか、パウダー状の粉末マッシュポテトを使う作戦もアリかも。
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200度に予熱したオーブンで20分ほど加熱。
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20分後。焦げ感はいい具合!だけどフチからミートソースが爆裂している……!幅広のガラス皿を使ったためマッシュポテトのフタの薄いところができてしまい、溢れてしまった様子。んんん~~凡ミス!
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とにもかくにもシェパーズパイは完成!ということでオーブンから取り出して記念撮影。
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一人分をよそってみたところ。圧倒的マッシュ感ですね。肝心の味はというと……ミートソース部分はウスターとケチャップ感は残っているものの案外あっさり味、ラムは僅かなケモノ臭もスパイスの清涼感で消臭されます。さらに、バター感マシマシな濃厚マッシュポテトを一緒に味わうことでお互いがお互いを高め合いベスト!な味に変貌。この味になるように計算された料理ですね!
イギリス料理は……なんてことを言う人にこそ食べてほしいですね、超美味しいです。この先、現代まで時間が進むとホグワーツでも食べられているようなので、魔法使いにも受け入れられた味なわけですから。
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ところで、こちらの書籍を入手しました。「The Elder Scrolls オフィシャル・クックブック」です。
スカイリムはもちろん『The Elder Scrolls』シリーズの世界各地で食べられている料理の作り方をまとめたレシピ本の日本語訳版です。おなじみのスイートロール、度々一緒に飲もうと誘われるハチミツ酒、さらにはあちらの世界では麻薬として扱われているスクゥーマ(を模したあちらの世界の宿屋で注文できるオリジナルカクテル)まで載っているというバリエーション豊かなレシピ集となっています。次回はこのレシピ本からピックアップして料理を作ってみたいですね。
(ちなみに、ハチミツ酒のレシピには「最終的にアルコール度数10%前後になる」と書いてあり、注意書きとして「酒類製造免許を持たずにアルコール度数1%以上の飲料を醸造することは法律違反にあたりますので、十分にご注意ください」と書いてありました。ここがスカイリム地方ならセーフなんですけどねー!)