先日の「Summer Game Fest」でも発表された、シリーズ最新作となるユービーアイソフトのアクションADV『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』を、会場で30分ほどプレイした試遊の模様をお届けします。なお、先に言っておきます。めちゃくちゃ面白かったです。特にボス戦における攻略の試行錯誤が最高でした。
ただ理不尽に強い相手というわけでは決してなく、戦いながら相手の動きを学び、自分の戦略に気づき、それらが積み重なった果てに到達するステージクリアの達成感……これが本当に最高でした!
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さて、他掲載記事と少し被る部分ではありますが、改めてご紹介をば。本作は神話を交えたファンタジー要素強めな世界がベースとなったペルシャを舞台にしたアクションアドベンチャー。1989年に発売された初代SFC版『プリンス オブ ペルシャ』から、途中にリメイク含む何作かを挟みつつ、30年以上の長い歴史を持つシリーズの最新作にあたります。
主人公は国防の要である「不死隊(Immortal)」の一員で、才能ある若き戦士サルゴンとして仲間とともに冒険します。かつては栄華を極めたにもかかわらず、今や呪われた地となってしまったカーフ山を探索し、王子ガッサンを救出する……というのがだいたいのストーリーの流れとなります。
マップと移動
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マップはベルトスクロールをベースにしてはいるものの意外と広く、また高低差が設けられているため、文字通り縦横無尽に探索できます。わけが分からず迷ってしまうということはあまりなく、だいたいぱっと画面内を見渡せば進むべきであろう道筋は見えてきます。もちろん地図も用意されているので、現在地と周辺の地形を確認しながら進むことも可能です。
道中にはスイッチによる可動橋や、スイングして捕まることのできる取手など、移動の助けになるギミックはありますが、一方で制限時間付きの足場、棘付き回転ローラーの罠などなど、簡単には通してくれないものもあります。
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これらはタイミングこそ重要ではありますが、理不尽なタイミングを要求されたり、初見殺しだったりというものではないので、あくまで冒険にちょいと刺激をひとつまみしたアクセントという感覚でした。というか罠ギミックはまさに『プリンス オブ ペルシャ』シリーズの伝統(?)でしたね。
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マップのあちこちには破壊可能なオブジェクトがあり、壊すことでゲーム内通貨を得られます。またリスポーン地点としても利用できるチェックポイントは、周辺にエフェクトが発生しているため、付近まで到達すると「お、こっちの方にチェックポイントがあるぞ」「ということは、この方向は正しいのだな」という具合に、よい導線となっています。
個人的な感想になってしまいますが、マップはどこも古代を感じさせる作り込みが随所に散りばめられたグラフィックなので、探索しているだけでも結構楽しかったり。
戦闘
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探索ばかりが冒険ではありません。マップのそこかしこには敵が出現し、主人公サルゴンに襲いかかってきます。敵の種類は骸骨を始めとした人型、異形の魔物といくつかパターンがあります。彼らの攻撃方法は殴りなどの近接攻撃や弓矢などの遠距離攻撃。ボスレベルになるとさらにトリッキーかつ強力な攻撃を放ってきますね。
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それに対して主人公サルゴンは、近づく敵には二刀流を振るって迎え撃ち、距離が離れたものには弓矢を向け、「時の力」で過去の自分が居た地点座標にワープして、力が貯まれば強力な特殊スキルを開放してするなどして、戦闘を有利にすべく立ち回ります。
しかし何より大切なのが「パリィ」システム。本作の最も特徴的な部分でもあるこのパリィを制する者こそ、戦いを制するといっても過言ではありません。
パリィ
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敵の攻撃に対してタイミングよく攻撃を弾くパリィ。これが成功すると敵が態勢を崩して大きな隙が生まれたり、特殊スキルのゲージが一気にたまるなど大きなメリットがあります。もちろんタイミングを見誤り失敗すればそのままダメージを受けてしまうため、特に通常攻撃に対するパリィは慣れるまでは大変かもしれません。
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しかし敵の一部攻撃パターンには明らかに「これからパリィできる攻撃するかんね?いくよ?よく見てんべ?」という具合に、ぐっと力を溜めるモーションが入り、黄色く輝いてから攻撃が発動するものがあるため、それについてはパリィのタイミングが狙いやすくなっていたと思います。
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ただしこれで習熟したとしても、赤色に輝いたときは要注意。パリィ恐るるに足らず、ペルシャを制したぞワハハと調子に乗っていたら「これからパリィできない攻撃するかんね?」と消し炭にされたこともしばしば(誇張表現)。
ボス戦
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そんなパリィが一番楽しめるという意味において、ボスとの手に汗握るひりついたバトルは筆舌に尽くしがたいほど最高なプレイフィールでした。もちろん全てが順風満帆に攻略できたというわけではなく、最初はパリィのパの時も出ないまま接近戦を挑んだ末に、猛獣からビンタされて消し炭にされました。
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次は回復瓶の存在に気づいたものの、呑気にキュポン!と飲んでいるところを猛獣の尻尾に串刺しにされるなど死因は様々。そんな珍プレー好プレーがありながら意外とボスの体力が削れていたので、負けた悔しさはあれど「あともうちょっとで勝てそう……!」とモチベーションはむしろ高まり、そうやってリトライを重ねて学習していた5回目の挑戦にして遂に撃破できました。
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途中でボスの体力数ミリ残して操作ミスからの自爆した時など、「お前マジか」という視線を周囲から感じましたが、そんな開発スタッフの皆様からも最後はおめでとう!と拍手をいただきました。
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といったところで試遊が終了、楽しい時間はあっという間でした。今回の試遊版ではマップに移動制限があったり、ある程度のアイテムや技がアンロックされているなど、本来のレベルデザインで想定されるであろう段階のキャラクターの強さではなかったと思いますが、個人的にはそれでも本作のコア部分の面白さを十分に体験できたと思います。本当に楽しかった……!
最高に楽しいプレイフィールのアクションADV『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』は、Windows PC (Epic Gamesストア / Ubisoft Store) /PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けで、2024年1月18日にリリース予定。またサブスクリプションサービスUbisoft+でもプレイ可能とのことです。
おまけ
ちなみに先程のボス戦クリアで心地よい達成感を覚えながら、そういえば今の難易度どれくらいだったのか傍らにいた開発スタッフのお兄さんに聞いたところ……
お兄さん「ノーマルだよ」
筆者「マジか」