ジェフ・キーリー(Geoff Keighley)氏が主催のゲームショーケースイベント「Summer Game Fest」。国内外の大手およびインディーパブリッシャーなど、様々な企業が参加する本イベントは、E3が今年も中止という状況において、ゲーマーにとっても非常にありがたい存在です。
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今回筆者は、Firestokeがパブリッシャーを、Moonloop Games LLCが開発を手掛けるアドベンチャー『Hauntii』を会場ブースにて体験させて頂きました。プレイ時間は10分で、録画などはNGだったので、画像はSteamストアページからの引用、そして情報としてはかなり駆け足になってしまうことをお許しください。なお一緒に座って解説してくださったのは同開発スタジオのMichael Ward氏でした。
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本作は、神秘的な世界「エタニティ」を旅して、その世界の謎を解き明かしていくアドベンチャーゲーム。その道中には様々なオブジェクトが設置してあり、主人公の特殊能力により「憑依」することで、ギミックを作動させる謎解き要素もあります。可愛らしいデザインに穏やかなBGMも相まって、メリハリのある演出はあるものの全体的に非常にリラックスしてプレイできましたね。
操作系はキーボード&マウスおよびコントローラーに対応。どちらでも快適なプレイフィールでしたが、個人的にはより直感的な手触りが楽しめるという点でコントローラーの方が好みかもしれません。斜め上から見下ろす視点により主人公を操作してマップを移動していきます。主人公はダッシュやエネルギー弾を発射可能で、ちょっとした障害物やチェックポイントにはこの弾を当てていくと良いでしょう。ただしダッシュは序盤は2回までの制限、攻撃もゲージ消費タイプなので、時間経過による回復はするものの油断は禁物。
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マップは全体的に暗めですが、そこに浮かび上がるように白い道がうねうねと最奥まで伸びています。別にこの白い道を辿らなくても、落下したりせず主人公は結構自由に動き回れるのですが……時間経過で、影の中から敵が現れるので早々に明るい道に戻って歩いた方が賢明です。とはいえその道自体が枝分かれしてあちこちの「気になる箇所」へ伸びていたりするため、いつの間にか結構な時間を探索に費やしていたりします。デザインが自然にこちらを誘って上手いんですよ……!
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ところで「憑依」の能力はまさに本作のコアとなる部分で、エネルギー弾を対象に一定時間当て続けることで憑依可能。その対象と効果は様々で、例えば小さな山(?)に取り付けば、はてなブロックよろしくゲーム内通貨が出現して取得可能になります。また石像など移動可能なオブジェクトに憑依することで、次のマップへ移動するゲートを開いたり。
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もちろん何か謎解きに関係のあるオブジェクトだけに憑依できる……といったことはなく、道中気になる物があればどんどん弾をぶつけて憑依すると良いでしょう。大きな山になるも良し、灯籠をともすも良し。
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それは敵との戦闘でも有効です。基本的には敵の攻撃を避けつつエネルギー弾をドドドドドドと当てて倒していきますが、相手の数が多い時はちと面倒です。そんな時は近くの柱などのオブジェクトに憑依して、そのまま身体をドスンと地面に投げ出せば、柱は地面に叩きつけられ、複数の敵ごと押しつぶすことができたり。
ところで、個人的に本作のグラフィックと演出まわりは非常に好み。基本がシンプルな色合いの世界だからか、攻撃などのエフェクトが色鮮やかに映えて、迫力があるのです。
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敵から攻撃を受けた時もインパクトが強く、それでありながらプレイの邪魔にはならない程度に演出の長さも整えられていました。全体的にシンプルながらもメリハリがあって、細かいところまで手を入れられている素晴らしいデザイン……そんな感じでベタ褒めしてたらMichael Ward氏が笑い始めたので、何事かと横を見れば、デザイン関係を手掛けたというLeo Dasso氏御本人がそこに。しかし筆者が挨拶をしようとしたところ、照れくさそうに頭をかいてレッドブル片手にバイバイと去っていかれました……。
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そんなこんなで10分間の試遊はあっという間に終了。今回のSGF会場で体験したゲームタイトルはどれも甲乙つけがたいものではありますが、本作は間違いなく個人的なお気に入り上位ランキングに食い込む作品でした。
リラックスして世界を探索できるアドベンチャー『Hauntii』は、PC向けに2024年リリース予定です。