Steamにて今後登場予定の、さまざまなタイトルの体験版が楽しめる「Steam Nextフェス」が現在開催中です。このイベントでは気になる話題作の体験版のほか、デベロッパーによるライブ配信や、思わぬ「掘り出し物」的タイトルとの出会いがあることも。
そんななかで今回ご紹介するのは、「青春恋愛×ビリヤード」がテーマのビリヤードRPG、『ウィナーズブレイク（Winner's Break）』です。
『ウィナーズブレイク』とは？
『ウィナーズブレイク』は連海高校に通う高校生「啓明」を主人公とし、彼の周りで巻き起こるさまざまな物語、そして彼がプロのハスラー(ビリヤードプレイヤー)となるまでを描いた「ビリヤードRPG」です。
父親から暴力を受け、学校生活も上手くいかない不良生徒である啓明。彼とその父親、そして登場人物たちによって明かされる過去…本作はそんなストーリーを主軸に、自由に街を探索できる「自由行動」モードと、単純なルールながらも知識や技量を必要とする「ビリヤード」の試合が楽しめます。
今回のデモ版ではストーリーの導入となるチャプター1「星降る夜に」と、その中で起こるビリヤードの試合を実際に体験できます。
出会いと過去の記憶―「青春×ビリヤード」の物語
主人公の啓明は、ある時担任の先生の頼みによって、クラスメイトである「赤星こころ」の元に進路希望の資料を渡しに行くところから物語は始まります。啓明はいわゆる不良で、これまでに何度も生徒とトラブルを起こしている様子。
学校を出ると今度は「自由行動」モードに入ります。ミニマップに表示されている「？」アイコンの場所に行くことで会話イベントが発生し、クラスメイトとの会話や回想シーンなどを閲覧可能で、「！」アイコンの場所に行くことでストーリーが進行します。
クラスメイトによれば「こころ」はかなりの美少女で、父親は超凄腕のビリヤードプレイヤー、家族はビリヤードクラブを経営しています。そしてそんな彼女は、周りに人がよりつかない啓明にも気さくに話しかけるような、明るい人物でもあります。
先生から頼まれたプリントを渡すべく、啓明はこころのいる店を訪れますが…そこには人だかりがあり、なにやら騒がしい様子。赤星ビリヤードクラブは近所のビリヤードクラブからいわゆる「道場破り」を受けており、誰かが立ち向かわなければいけない状況に陥っていました。
そしてそんな中で白羽の矢が立ったのが、主人公である啓明。ここからいよいよビリヤードの試合が始まります！
いきなり実戦！？単純ながらも一筋縄ではいかない「エイトボール」
いきなりB級(アマチュアクラス)プレイヤーを相手に戦うことになってしまいましたが…筆者はビリヤードのプレイ経験などなく、ルールもまったく知りません。「なんかオシャレなやつ」程度の認識しかないものの、初戦なのでチュートリアルなども交えつつ勝てるだろうと思っていましたが…
…普通に負けました。初心者であろうとお構いなしに次々とポケット(得点)され、結果は惨敗に。しかし仮に負けてしまっても、その場で何度でもリトライが可能なので安心です。
筆者と同様にビリヤード未経験者がいると信じてルールをおさらいしておくと、本作のルールは「エイトボール」と呼ばれるもので、1～7番、もしくは9～15番のグループのボールをポケット(得点)していき、グループすべてのボールをポケットした上で先に8番ボールをポケットした方の勝利となります。
ボールをポケットした場合は自身のターンが続き、ボールをポケットできない、もしくはファール(相手のボールをポケットしてしまう、自身のグループのボールに触れない)を起こした場合は相手にターンが移ります。
自身のグループのボールであればどの数字からでも狙ってよいので、単純なルールではあるものの、そう簡単にはいきません。
相手のターンになってしまえば何球も連続でポケットされてしまう可能性があるため、いかに自分のターンでリードを稼げるか、どういった順番でボールをポケットしていくか、相手に打たせにくいポジションなど、技術だけでなく戦略面も重要になってきます。
本作では俯瞰視点での見下ろしによって状況把握が可能なほか、ある程度どういった方向にボールが反射するかの予測線も表示されます。ゲージのタイミングによってショットの強さが変わってくるので、ポケット直前など状況に応じた使い分けも必要に。
その後、連敗に連敗を重ね、なんとか勝利を収めることができました。ゲーム内でもある程度の解説はなされるもののザックリとしており、「まずはこの球を狙ってみよう！」といった導線はないので、いきなりアマチュアとの試合に放り込まれることになってしまいます。プレイ前に詳しいルールの確認、どういった事例がファールになるのかなどの解説があれば、未経験者でももう少しスムーズに進められるかな…と感じました。
試合に勝利すると物語が進行し、啓明の胸に宿り始めたビリヤードの情熱、こころと啓明の過去など今後につながるシーンが描かれながら、体験版はここで終了となります。
今回は「青春恋愛×ビリヤード」という異色のRPG、『ウィナーズブレイク』を紹介してきました。一見すると単純なルールながらも、ショットの精密さやどのボールから狙っていくか、という技術と戦略のどちらもが重要視されるビリヤードの試合は一筋縄ではいかない難易度であり、本格的な試合が楽しめます。
体験版では登場しなかったものの、NPCと交流を深めることで使用できるスキルや、試合で獲得した経験値によって主人公の能力を育成できるといった要素もあり、製品版ではどのように作用するのかも気になる部分です。
一方で、筆者のようなルールも全く知らない未経験者にとっては、ルール説明やチュートリアルの不足など「とっつきにくい」と感じる部分もありました。用語やルールの確認、より詳細で実践的なチュートリアルなどがあると、本作はより遊びやすくなりそうです。
また、基本的な部分は日本語に対応しておりプレイに大きな支障はないものの、NPCの口調が崩れたり、UIが日本語フォントになっていない部分があったりなど、翻訳の精度についてはあと一歩、というところでしょうか。
スパくんのひとこと
シンプルだけど奥深い、そんな「エイトボール」と甘酸っぱい青春を体験するスパ！
タイトル：ウィナーズブレイク (Winner's Break)
対応機種：PC(Steam)
記事におけるプレイ機種：PC
発売日：2023第3四半期 (予定)
記事執筆時の著者プレイ時間：1時間
価格：未定
￥7,366
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
