ユービーアイソフトが発売を予定している『Beyond Good and Evil 2』のクリエイティブディレクターが逝去したことがIGNの報道でわかりました。
開発難航中の『BG&E2』発売前に逝去…
『Beyond Good and Evil 2』のクリエイティブディレクターであるエミール・モレル氏が享年40歳で亡くなったという報せは、同僚であるユービーアイソフトスタッフのLinkedInへの書き込みから判明しました。
投稿によれば、同氏は困難な時期でも常に思いやりがあり、前向きで美しい心の持ち主であったと言います。『Beyond Good and Evil 2』については「私たちはあなたの仕事を引き継ぐので安心してください」と述べています。なお、死因は明らかになっていません。

同氏はEden Gamesにて『Alone in the Dark』(2008年版)や『Test Drive Unlimited 2』にゲームデザイナーとして関わった後、2009年6月にユービーアイソフトに入社。『レイマン レジェンド』のシニアゲームデザイナーを務めた後、『Beyond Good and Evil 2』のアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターを務めていました。
今年2月にはマネージングディレクターのジャンマルク・ジェフロア氏が退職したことに伴いクリエイティブ・ディレクターに就任しましたが、そんな矢先に亡くなられたようです。
果たして発売できるのか?スタジオ内部に関する良からぬ報道も
本作は2008年の発表以来現在までも発売に至っておらず、14年以上もの間開発が続けられています。実はこの記録は1997年発表、2011年に発売し、「もっとも長い開発期間のゲーム」としてギネス世界記録に登録された『Duke Nukem Forever』を越しています。
発表からかなりの時間が経過したE3 2017で再発表された後、いくつかの続報も伝えられていましたが、ここ最近は沈黙状態に。開発を率いた人物の業界引退や先述したマネージングディレクターの退社などゴタゴタが続きました。2022年2月の報道ではまだプリプロダクションの段階であると報じられており、開発が非常に難航しているようです。
なお、開発を担当するUbisoft Montpellierについては、不安な報道もなされています。2023年2月にKotakuが報じたところによると、開発事情に詳しい関係者3名(匿名)の証言で本作の開発が技術的にフル稼働していないのもかかわらず、前例のない数の開発者が燃え尽き症候群に陥っているといいます。

ストレスや病気で長期休暇を取ったスタッフの中には復帰した人もいれば、完全にスタジオを去ってしまった人もいる模様。最終的には2022年12月にフランスの労働監督局の調査を受け、第三者機関が従業員への聞き取り調査や健康状態の報告書を提出することになったといいます。
様々な課題が立ちはだかり発売が危ぶまれている本作以外にも、ユービーアイソフトは現在『スカル アンド ボーンズ』や『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 リメイク』といった開発難航タイトルを抱えています。
エミール・モレル氏のご冥福をお祈りします。