「株で一山当てて大金持ちに！」なんてお話は、筆者のような庶民からすればなかなか夢があっていいなと思います。
株式会社が資金調達の手段として株券を発行し、世の中の投資家がこれを購入する。
市場経済の原理に従い株価が変動する中で、売買を通じて差益で儲けたり、あるいは会社からの配当金で生活したり。
もちろん直接利益だけが目的とは限りません。株主総会で一言言いたいとか買収目的にとか好きな会社を応援したいとか、とにかく思惑は様々です。
上がると見込んで買い増したり、下がると見込んで信用取引で空売りしたり。欲をかくと大赤字、それでもやめられないのが株取引なのです。
『STONKS-9800: Stock Market Simulator』は、そんな株取引を楽しめる株式市場シムです。
80～90年代の日本を舞台にした本作では、「Banbai」とか「Ninento」とか「Capcon」などなどの、どこかで聞いたことあるような名前の会社の株を取引して利益を出すことが目的となります。
土日祝日は株式市場がお休み。なので、もう少し上がったら売ろうなんて考えて、月曜日の朝に滝のような切り立ったチャートを見て愕然とする、そんなゲームです。
お金は稼いだからには使わないともったいないですからね。別荘やアパートといった不動産や車を買ったりして、ここは有意義に使いたいものです。
あるいは友人に誘われてパチンコ屋で一遊びしたり、バーでお酒を楽しんだり。息抜きにもなりますし、もしかすれば噂という形で貴重な情報が手に入るやもしれません。
でも、お金が絡むからといって熱くなりすぎるのは考えものです。ぎりぎりまでお金をつぎ込んでカツカツで生活を回していると、思わぬ出費で借金生活にもなりかねません。
そんなことを繰り返しているとストレスもぐんぐん上昇してそのうち限界突破。最後は強制入院なんてことになってしまいますから要注意です。
この日本は資本主義社会。労働者として汗水垂らして働くよりも、資本家として生きるほうがずっと派手で魅力的です。
うまく行けば億万長者も夢ではありません。悠々自適の資本家生活、バラ色の人生はすぐそこであなたを待っていますよ！
レトロ感溢れる懐かしのグラフィックに演出、シンプルなゲームデザインも魅力的！
まずオプション設定はこんな感じです。必要最小限ですね。一番下のCRT効果は懐かしのブラウン管モニター調の演出になります。個人的には視認性との兼ね合いでレベル3か4あたりがオススメです。
ゲーム起動時の演出も懐かしの「PC-9800」シリーズ風です。そうそう、メモリーチェックやら何やら走って、時々「フロッピーが挿しっぱなし！」とエラー吐いて怒られたり。よく見れば、先のオプションやメインメニューも「PC-9800」シリーズのシステムセットアップメニュー風ですね。
次にモード選択。記事執筆の段階ではストーリーモードは未実装で、フリーモードのみとなっています。ここは正式リリース後のお楽しみということで、ぜひ実装を心待ちにしていただければと思います。
続いて難易度設定です。配当金の頻度や登場する会社数、初期資金などを設定することができます。いくつかのプリセットからの選択も可能ですし、好きにカスタマイズすることも可能です。
まずはホーム画面です。資産や収入、所得税などの必要な情報をまとめて知ることができます。
快適度やストレスといった各種ステータス値も重要ですから、チェックはこまめに行いたいところです。
そしてこちらがチャート画面。ローソク足もないシンプルそのものな折れ線グラフです。
通常時なら問題ないのですが、株価の高騰時にはゴチャゴチャっと見にくくなる時もあります。そういう時には左側の単価を見て判断するようにしましょうね。
ちなみに、スペースキーで時間停止と進行の切り替えが可能ですから、必要に応じてどんどん切り替えていきましょう。
取引所では株の売買を行うことができます。通常の売買以外にも空売りもできますから、じっくりとしかし迅速に局面を見極めたうえでの使い分けが重要です。
もちろん儲けたからには使うことも重要です。本作では別荘やアパートといった不動産や車などを購入することができます。まぁ、「デキる社会人のステータス」ってやつですよね。
熱中しすぎるのも考えもの。ステータス値には気を配って健康的な生活を！
本作にはいくつかステータス値が存在するのですが、特に注意したいのはストレスです。
カツカツの資金繰りで回している最中に、不意の出費で資金ショート、結果泣く泣く借金生活なんて時にぐぐっと跳ねあがるストレス値。
これが増加しすぎると、医者によって強制入院させられます。
こうなると外出制限もかけられて色々と不便なことに。退院出来る頃には大抵好機を逃していたりするわけなのです。
なので、ステータスの変化には気を配りつつ健康的な生活と余裕ある健全な資金繰りには心がけたいものです。
基本的には株の取引や配当金で利益を上げる本作。ですが、色々発生するイベントもいいアクセントとなっています。
友人に誘われてバーへ行ったり競馬をしたり。もちろんこうしたギャンブルもうまく行けば思いがけない収入となります。
時折出てくるイノベーティブな新規事業への投資話も、当たればリターンが大きいですからどんどん投資していきましょう。
他にも株式の保有比率によっては株主総会への出席も可能で、シンプルなボタン押しミニゲームの「スピーチ」を行うこともできます。
肝心の株の部分も、役員人事や不祥事による変動に加え、プレイヤー自身の売買による影響なんてものもあってなかなか奥深いものとなっています。
どんどん株を買って筆頭株主に、さらに過半数を取得して支配株主になんて具合に、自分なりに目標を立ててみると面白いかと思います。
惜しむらくはストーリーモードなど未実装要素がいくつかある点、そして先行プレイ時点ではたびたびエラー落ちするなど動作が不安定な点です。筆者の環境ではパチンコのミニゲームで確定でエラー落ちしてしまい、未体験となっています。
主な柱となるお金周りのシステムはしっかり楽しめるので、今後のアップデートを通じた改善には期待したいところですね。
スパくんのひとこと
ひたすら株を買って売ってを繰り返す株式市場シムだスパ！どんどん増える資産に思わず熱くなること間違いなしスパ！ミニゲームも豊富で色々楽しめるスパよ～？…ああ、また株価下がってるスパ！けしからんスパ！このスパくんが支配株主なんだから、社員はもっと頑張るスパ！株主は神様スパ！！
タイトル：STONKS-9800: Stock Market Simulator
対応機種：PC（Steam）
記事におけるプレイ機種：PC
発売日：2023年7月18日
記事執筆時の著者プレイ時間：3時間
価格：1,000円
