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皆さんは、中古車販売業者に憧れたことはありませんか?
子供たちに「大人になったら何になりたい」と聞くと、いつの時代も「おもちゃ屋さんになりたい!」と答える子が一定数います。また、「かっこいいスポーツカーに乗りたい!」と答える子も見かけます。しかし不思議なことに「中古車屋さんになりたい!」と答える子はまず見かけません。
なぜでしょう? 中古車ディーラーになれば、毎日かっこいいクルマに囲まれ放題じゃないですか!
……ただ流石にリアルでは難しいですよね、ですがそんな夢を叶えるゲームがSteamにありました!というわけで、今回は中古車販売シム『Car Trader Simulator』をご紹介していきます。
低性能PCでも遊べる!
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中古車を安く手に入れてそれを修理し、宣伝して転売する。『Car Trader Simulator』の内容を書けば、それだけです。
その上、このゲームは立体描写が一切なく、基本的には舞台となる都市の地図1枚と睨めっこする形。そのため、高性能のゲーミングPCがなくとも十分に遊べます。
推奨システム要件が、
OS: Windows 10
プロセッサー: Core i5-2300 / AMD Athlon X4 760K or better
メモリー: 8 GB RAM
となっているところを見ると、完全に旧式化したPCでもプレイできることが窺えます。おおっ、こりゃいいぞ!
『Car Trader Simulator』のプレイ開始直後、まずやるのは従業員の雇用です。購入した車をガレージに運んでくれる運転手、車をレストアしてくれる整備士、そして泥棒。ど、泥棒? これについては後述します。
買値の数倍で転売しよう!
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中古車は主に、オークションで手に入れます。
このオークションは複数の銘柄があり、マトモなところからちょっと由来の怪しい車を取り扱うところまでいろいろあります。でもまぁ、盗難車だろうと何だろうと車は車ですからね。いい車を安く購入できれば、それに越したこたぁありません!きっと。
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で、その車を整備士にレストアさせるわけですが、画像を見る限り派手な事故をやらかしてる車もあります。これ、フレームにヒビとか入ってねぇだろうな? まぁ、このあたりも適当な板金と塗装でごまかせばいいんでしょう。……リアルではハンドルガタガタの中古車などを売りつけられないよう、信頼が置けるディーラーを使いましょうね。
そうやってレストアした車を、メッセンジャーアプリで連絡してきた客に転売します。客にもそれぞれ好みがあり、それに車種や特徴が合致していればいるほど高値で売ることができます。5,000ドルで手に入れた中古車を2万ドルで販売した瞬間などは、本当に気持ちいい!
ですが、ここで注意点。中古車のレストアは、スクラップ場で部品を手に入れてガレージにストックさせないと実行できません。取り扱う中古車が増えるとどうしても部品不足になっちまいます。そういう場合、修理をしないまま売りに出すという手も。
「それでは高値で売れない」というのはその通りなのですが、このゲームには「嘘をつく」という選択肢が。要は客に嘘を言ってレストア済みのように装い、ポンコツを高値で売っ払っちまおうという算段ですな。
ダーティーな手段も……?
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どうでもいい話で恐縮ですが、この記事を執筆している最中の筆者の目の前にゴルフボールが3個。それを靴下の中に入れて振り回しています。
なぜそんなことをしているかというと、筆者は中国拳法を学んでいるから。中国拳法の手技は、手首の回転が物を言います。だからこその行動です。今回は中国拳法の訓練用としていますが、もちろん本来はゴルフボールはゴルフをするためのものです。ましてやクルマを傷つけるためのものでもなければ、この『Car Trader Simulator』でも任意にお客様のための車を傷つけたりすることはできません。そして残念ながら?『Car Trader Simulator』には車両保険という概念はなく、それを利用した適切な収益や、不正な利益も得ることはできません。
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ただし、今作では泥棒を街中にうろつかせて適当な車を物色し、それを盗むことができます。
盗難車ですから、元手はもちろんゼロ。追っかけてくるパトカーを振り払い、ガレージまで車を運びましょう! 万が一ポリ公に逮捕されたとしても、保釈金を支払うことで泥棒担当のスタッフは自由の身に。
真っ当な中古車販売業者になるか、悪の道に走るかはプレイヤー次第です。しっかりレストアする業者になるか、口八丁手八丁で事故車を売りつける業者になるか、そのあたりも個々の裁量にかかっています。
システム上の欠点もあるけれど
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なお本作『Car Trader Simulator』は、いささか不親切なところもあります。
基本的には地図上の点をクリックして別の点をまたクリック……という動作なのですが、その点が小さ過ぎるためにスムーズな操作ができないということも。また、日本語設定もいささか変なところがあり、チュートリアルではオプションで日本語にしているにもかかわらずなぜか中国語で解説されます。
ですが、それを補っても余りある面白さ! あと、このゲームをやっていくと海外の中古車市場では「車がどれだけ壊れているのか」「修理はいつ誰がやったのか」ということが重要視されているということが理解できます。日本では走行距離で車の状態を判断しますが、アメリカでは走行距離は二の次。何十万キロ走っていようと一番大事なのは修理履歴を記載した書類、そして売買記録の書類です。車の状態が完璧でも、書類がないために買いたたかれてしまったという話は海外ではよくあります。
そんな海外の中古車事情も学べるのが『Car Trader Simulator』です。今年の夏休みは、このゲームで(ときには悪徳な)中古販売業者のイロハを勉強しましょう!
『Car Trader Simulator』はSteamで配信中です。