東京ゲームショウ2023の「PLAYISM」ブースには、毎年多くの魅力あるインディーゲームが並びます。本稿ではそんな同ブースに並ぶインディーゲームのひとつ『探偵死神は誘う』のプレイフィールをお届けしていきます。
『探偵死神は誘う』はローグライト推理ゲームという一風変わったジャンルのタイトルです。ルールそのものは非常に簡単で、いわゆる思考テストなどでよく見る「犯人は必ず嘘をつく」「犯人じゃないなら嘘をつかない」という大原則にのっとって、NPCたちからの「Aが犯人だ」「私は犯人ではない」「Bが犯人です」などなどの問いをクリアしていくというもの。本作はこのシンプルな論理的思考ロジックに「ローグライトのランダム性」を付与しました。初っ端から言い切ってしまいますが、こういった思考テストが好きなら“買い”でしょう!
主人公はなんだか自信たっぷりで名探偵な雰囲気を醸しだす「死神」。ボード、駒、カードのみで推理を行い殺人犯を処刑していきます。
前述のとおり、「犯人は必ず嘘をつく」「犯人じゃないなら嘘をつかない」というシンプルなルールのもと容疑者(駒)たちがお互いを「こいつが犯人だ!」と指摘しあう事件現場を(処刑によって)解決していきます。ローグライトゆえか、事件で扱う“殺害方法”も様々。「殴り殺した」など物騒な手口も出てきますが、筆者が試遊した序盤では推理に大きく関わってきませんでした。
得られる証言は各自ひとつずつ。これだけですぐに犯人が分かってしまうケースもありますが、逆に「犯人は自分じゃない」と全員が言ってしまい、さっそく推理が行き詰まることもあります。ローグライクらしいランダム性ですが、そんな時は死神の質問タイムで解決です。手札から「質問」を始めとしたカードを切って、新たな証言を聞き出していくことになります。
余談ですが、カードの絵柄が結構可愛い。犯人がわかると「執行」の時間です。当たっていれば死神がにっこり笑っているスタンプとともに新たなカードを買うお金が獲得できます。
簡単なゲームのように思えますが、油断できるのは序盤まで。ランダムなので時にはうまく証言を引き出せないときもありますし、なによりステージが進むにつれ「複数人による犯行」というケースも増えてしまいます。こうなると試されてくるのは、ただただ純粋に“プレイヤーの推理力”でしょう。すぐにさじを投げて“勘”に頼らず、思考力が尽きるまで謎に立ち向かうのも本作の醍醐味です。
カードの中には「死人から話を聞ける」といったモノも。複数犯の場合は「処罰した死人から証言を引き出すこともできる」という効果なのですが……ぶっちゃけ「そんなモノがあるなら最初から被害者に質問しちゃえよ!」と思ってしまうほどにこちらの思考は過熱します。なんだか死神の無力さも想像しちゃう代物ですね。
脳内で多くの情報を整理しつつ、難易度の高い事件を解決した時に味わえる達成感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。シンプルであるがゆえ、そしてランダム性が存在しているために『探偵死神は誘う』では真っ向から自分の知性が試されます。幼いころ探偵になりたかった方は、ぜひこのゲームで探偵死神になって犯人を処刑してみませんか?
『探偵死神は誘う』はPC向けにリリース予定。発売日は未定です。