『モンスターハンター』のRPGタイトル第一作目、『モンスターハンター ストーリーズ』がニンテンドースイッチ/PS4/PC(Steam)向けに2024年6月14日発売します。
本作はもともと2016年にニンテンドー3DS向けにリリースされていたタイトルであり、その後スマートフォン向けの移植などが行われてきました。また2021年に続編である『モンスターハンター ストーリーズ2』がリリースされています。
今回登場するリマスターは、日本語・英語ボイスの収録や、設定資料などが閲覧できる「ミュージアム」機能が目玉となっているとのこと。一足先に本作のニンテンドースイッチ版をプレイできたので、『モンスターハンターストーリーズ』の魅力を、追加要素とともに紹介します。
◆モンスターと共に生きる「ライダー」の物語が、日本語ボイスで再び紡がれる!
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『モンスターハンター』シリーズといえば、「ハンター」となってモンスターを狩ることが目的となりますが、『モンスターハンター ストーリーズ』シリーズではモンスターを仲間(オトモン)にして戦う「ライダー」が主人公です。
モンスターと共に生きる者であるライダーと、モンスターを狩る者であるハンター。本来相容れない2つの存在が、徐々に歩み寄り、世界の命運をかけた協力関係へと繋がっていきます。今まで『モンスターハンター』でプレイヤーはずっとハンターの立場だったわけですから、その対称の立場にあるライダーが主人公のストーリーには、少しドキッとさせられる部分がありますね。
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そんなある種『モンスターハンター』に対するアンチテーゼともいえるストーリーは、登場人物の表情豊かなフェイシャルやアニメーション、カットシーンの作り込みによって鮮やかに描かれています。原作の時点で、“モンハン語”による各キャラクターの演技にはしっかりと感情がこもっており、各シーンを十分に彩っていましたが、今回は日本語ボイスによってすべてのシーンが再収録されました。
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筆者はもともと原作の“モンハン語”の雰囲気がすごく好きで、日本語になるのはどうかなと思っていたのですが、いざプレイしてみるとまるで最初からそうだったかのようにスッと入ってきました。原作と声優は変わらないため、記憶の中で日本語に補完されていたものがそのまま再生されているかのような感覚であり、全く違和感がありません。どのキャラクターもとても可愛く、魅力的です。
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戦闘システムは、RPGらしくターン制のバトルで、オトモンとライダーの2人で戦うことになります。本作の攻撃は、「パワー攻撃」←「スピード攻撃」←「テクニック攻撃」の三すくみになっているのが特徴。敵モンスター、オトモンごとに出す手の傾向が異なるため、上手くオトモンを切り替えながら三すくみのじゃんけんに勝っていきます。
三すくみに勝つと、「絆ゲージ」が溜まっていきます。絆ゲージは、ライダーやオトモンのスキルの使用に消費するほか、ゲージを最大まで溜めればオトモンへの「ライド」も可能になります。
オトモンの出す手とライダーの出す手が一致した状態でじゃんけんに勝つと、「ダブルアクション」が発動。一方的に大ダメージを与えられる上、絆ゲージが大きく上昇するので積極的に狙っていきたいところ。上手く決まった時の、オトモンとライダーの息が合った感じが気持ちよく、本作の戦闘で一番楽しい要素だと感じます。
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オトモンにライドすると、オトモンごとに異なる強力な「絆技」を放つことができます。ライドした状態でさらに三すくみに勝ち続けることで絆技の威力が上がるのですが、負け続けるとライドが解除されてしまうため、どのタイミングで絆技を使うのかという駆け引きが存在しています。
絆技は、どれもそのモンスターらしさの光るものになっており、かっこいいものから少しコミカルなものまで、本編『モンスタハンター』では見られない、トゥーン調なグラフィックだからこそのアニメーションに仕上がっています。リマスターでグラフィックや解像度が向上したため、こだわりの絆技もより堪能できますね。
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『モンスターハンター ストーリーズ』の設定資料やBGMを鑑賞できる「ミュージアム」モードもあらたに収録されました。キャラクターのラフイラストや、デザイン案、各フィールドの美麗なコンセプトアートなど数も充実しているほか、一部の資料には開発スタッフのコメントもついています。
『モンスターハンター』らしい装備の雰囲気や世界観が落とし込まれている一方で、本編シリーズよりもアニメチックなアートを採用しているため、『ストーリーズ』ならではの新鮮さも感じられます。
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BGMの鑑賞モードには、なんとすべての曲にスタッフのコメントがついています。冒険を思い出しながら、スタッフの想いと共に本作の楽曲を楽しむことができます。全体として、アクションゲームでなく、RPGだからこその盛り上がりを意識した音楽になっており、これも本編シリーズとは違った魅力になっているのでしょう。
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原作の時点で、統一感のある優れたアートやアニメーションを持っていた『モンスターハンター ストーリーズ』ですが、今回のリマスターはグラフィック面でも細かに調整されています。
3DS版とテクスチャやモデルに差がないiPad版と、ニンテンドースイッチ版をあらためて比較してみると、テクスチャの高解像度化はもちろんのこと、モデルやライティングなども調整されていることが伺えます。UIなどもしっかりとHD機向けに調整されており、とても丁寧なリマスターだと感じられました。
◆開発スタッフインタビュー
インサイド編集部では、本作の開発スタッフへメールインタビューを実施。その様子をお届けします。
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―あらためて、今回現行機向けに『モンスターハンター ストーリーズ』をリリースした狙いは何でしょうか。
開発スタッフ:2021年に発売された『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』が世界中の多くのプレイヤーの皆さんに支持いただけたことは大きな要因のひとつです。
ニンテンドー3DSのデジタル販売やネットワークサービスの終了によって、シリーズを通して遊んでいただくことが難しくなるため、現行機への移植を行うことにしました。
シリーズを通して楽しんでいただくため、また、一度遊んだプレイヤーの皆さんにももう一度手に取っていただきたい想いから、英語と日本語のフルボイス化、開発資料やBGMが収録されたミュージアムを新たに制作しています。
――3DS版『モンスターハンターストーリーズ』後にリリースされたスマートフォン版と比較して、今回のリマスター版はテクスチャなども高解像化しており、かなりリッチに感じました。リマスターにあたって特に力を入れた部分はどこでしょうか。
開発スタッフ:スマートフォン版のグラフィック素材をベースにはしていますが、多くの素材を更に高解像度化しています。
特にモンスターに関してはプレイヤーの皆さんのよく目につくところでもあるので、『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』と同等のものになっています。
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――『モンスターハンターストーリーズ』のカットシーンは、元々“モンハン語”によるフルボイスになっており、架空の言語ながらキャラクターの感情が丁寧に表現されていました。今回のリマスター版は、日本語および英語ボイスの追加が目玉となっていますが、あえて今ボイスの再収録を行った意図はどこにあるのでしょうか。
開発スタッフ:原作版の開発時にも日本語(当時は日本のみ展開でした)フルボイスにしたい、という要望はあって、さまざまな問題から実現できませんでした。
『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』ではボイス実装が実現し、世界中の皆さんに支持いただけたのはボイスによるシナリオへの没入感も大きかったのではないかと思っています。
それらの経験から、今回現行機に移植するにあたって二作品を通して同じようにシナリオへ没入して遊んでいただきたい、という想いがあります。
――タマゴから「オトモン」を孵化させるときにだけ見ることのできるモンスターの赤ちゃんの姿がありますが、あの一瞬のために全てのモデルを個別で用意しているのでしょうか、それとも自動で赤ちゃん風にしてくれるシステムがあるのでしょうか。
開発スタッフ:実は・・・孵化シーンのためだけに作っています。もっと注目して愛でてあげてください・・・!
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――久しぶりに『モンスターハンターストーリーズ』を遊んで、全年齢向けな雰囲気が前面に出た作品だとあらためて感じました。『ストーリーズ2』からはもう少し大人向けな雰囲気になりましたが、今後シリーズのターゲット層はどのように変化していくのでしょうか。
開発スタッフ:今後のシリーズ展開についてはお答えできませんが、アクション版『モンスターハンター』より幅広いプレイヤーの皆さんに遊んでいただくこと、そしてそれをきっかけにモンスターハンターという大きな世界を知っていただき、好きになってもらうことが『モンスターハンター ストーリーズ』の役割のひとつだと思っていますので、『2』では少し大人向けな雰囲気にはなっていますが、根本は変わらず、幅広いプレイヤーの皆さんに遊んでいただきたいと思っています。
――『モンスターハンターストーリーズ2』では、初代からいるナビルーの他にエナも相棒キャラクターに加わりました。3人でモンスターに乗っている時にたまにお互いに振り向いて微笑み合うアニメーションが大好きなのですが、なぜ相棒キャラクターを2人に増やす選択をしたのでしょうか。
開発スタッフ:あくまで「相棒」キャラはナビルーひとり(一匹?)です。シナリオ上一緒に冒険することになるので、なんとかエナとタンデムライドさせたいと思っていました。
オトモンは様々な形があるため、鞍の位置はすごく気を使って作られています。開発初期は主人公一人しか乗れない構造(ナビルーは主人公のモデルに付けている)でしたが、タンデムさせたくて試行錯誤して上手く実現できました。
地味な表現ながら開発の熱量が高かった表現なので、こうしたところに目をつけていただきうれしいです。
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――『ストーリーズ』シリーズは、『モンスターハンター』のメインシリーズと違い、トゥーン調なアートを採用していますが、これは差別化のためのこだわりなのでしょうか。
開発スタッフ:他の質問への回答とも重複しますが、アニメ調のグラフィックにより幅広い層の皆さんに手に取っていただければと思っています。
――今回、はじめて『モンスターハンターストーリーズ』を遊ぶユーザーと、あらためてもう一度プレイしようと思っているファンに向けてメッセージをお願いします。
開発スタッフ:『モンスターハンター ストーリーズ』シリーズは、アクションゲームが苦手な方でも『モンスターハンター』の世界を楽しんでいただけるよう制作され、広い地域でストーリーが高く評価されているRPGシリーズです。
RPGが好き(特にコマンドバトルRPG)な方、育成要素が好きな方をはじめ幅広いユーザーさまにお楽しみいただける内容になっています。
シリーズ二作品はどちらから遊んでも楽しめるように制作されていますが、『モンスターハンター ストーリーズ』は『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』の4年前を描いており、世界は繋がっていて同じキャラクターたちも登場します。
シリーズを通して成長していくキャラクターたちにも注目しながら、是非二作品通して遊んでいただければと思います。
もちろん『モンスターハンター』プレイヤーの皆さんも存分に楽しんでいただけるようになっていますので是非遊んでみてください!
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原作の魅力を120%HD機向けに落とし込んだ今回の『モンスターハンターストーリーズ』。『モンスターハンター』のIPに新たな魅力を切り開いた本シリーズの第一作目を、これを期に手にとってみてはいかがでしょうか。
『モンスターハンターストーリーズ』はニンテンドースイッチ/PS4/PC(Steam)向けに2024年6月14日発売予定。なお、『モンスターハンターストーリーズ2』のPS4版も同日に発売します。