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ある暑い夏の日、歌人は日本から脱出しました。向かう地はシンガポール……そう、マーライオンの住む、あの国です。今回の“超技巧派教養コンテンツ”、Game*Spark短歌はシンガポールからお届け。
まぁ身もふたもなく言うと、歌人の本体であるライターがHoYoverseのカンファレンスに向かうことになったので、Game*Spark編集部が「じゃああっちで一首詠もうぜ!」となったのです。最近では『リネージュ2』20周年記念コメントに短歌を贈ったとも聞きますし、本連載がどうなっていくのか、歌人もうわかんない。
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今回相方のスパくんはお休み。理由はシンプルでスパ公には出国許可が降りなかったのです。シンガポールに降り立った歌人が、ここで一首。
海獅子が 辺りを涼しく 包めれど
羽織のこの身は 恥に熱帯び
歌人曰く、「シンガポールで羽織姿なのはマジで熱い」とのこと。マーライオン像の周囲は、吹き出す水の涼しさかいささかひんやりとしていたものの、観光客が多いため冷や汗がだらだらと出たとプロ精神のない戯言を言い出します。歌人がその正装に身を包み街を歩いたとして恥じるところがあるでしょうか? 無いはずです。ゲーミング歌人としての矜持をもっと強く持ってもらいたいと、筆者は苦言を呈します。
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「先ほどの歌はゲーム関係なかったですよね?」と詰めると、歌人はテンションが上がってきたようです。マーライオンの水を飲みそれを放つという技を身につけました。
異国とも 和ともつかぬが 美しく
都市の望郷 よそおい新たに
シンガポールの公用語は「英語、マレー語、中国語、タミル語」の四つであり、マリーナベイ・サンズでは日本語の案内まで混在していました。ふと、歌人は「高度経済成長期の日本」とはこういう感じだったのかもしれないと想起したとのこと。同時にHoYoverseの新作『ゼンレスゾーンゼロ』にもかけていました。この作品は日本サブカルチャーの文脈に則ってはいるけれども、歌人はどこか「日本サブカルから脱しているカッコよさ」も感じている様子で、シンガポールとかけ合わせた一首を詠みました。
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歌人はしばらくシンガポールを擦り続けたいとのことで、シンガポールに残ると言い出しました。「マリーナベイ サンズの下には カジノあり……」と詠みかけたところで、今週はおしまい。
シンガポールで浮かれて新品の靴にした結果、派手な靴擦れを起こして靴下が血に染まっていたゲーミング歌人が、この一週間で話題になったトピックで一首詠む“短歌企画”は連載企画ですので、普通に来週も開催されちゃいます。でもしばらくシンガポールかも。
公開するもしないも歌人次第ではありますが、読者の皆様もぜひコメント欄にて今週のゲームトピックに関する思いのたけ、叫び、置き去りにされたスパくんの気持ちなどを短歌としてしたため、ぶつけてみてください。
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