ロボットたちの住む街が舞台のポイント&クリックADV『マシナリウム』超定番だからこその映像、BGM、遊びやすさを是非とも堪能してほしい【ゲムスパロボゲーカタログ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ロボットたちの住む街が舞台のポイント&クリックADV『マシナリウム』超定番だからこその映像、BGM、遊びやすさを是非とも堪能してほしい【ゲムスパロボゲーカタログ】

ゲーマーに遊んでほしい「ロボゲー」の魅力を紹介していきます!

連載・特集 特集

アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。

ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2009年10月17日にリリースされたアドベンチャーゲーム『マシナリウム(Machinarium)』です。

機械の住む都市を舞台に大冒険!

『マシナリウム』は、Amanita Designが開発を手がける作品。同社はチェコにあるゲーム開発スタジオで2003年に設立され、プラハ工芸美術大学の卒業制作としてFLASHゲーム『Samorost』が最初のゲームでした。

Amanita Designはその後も『The Quest For The Rest』『Samorost 2』など多くのFLASHゲームを制作。『マシナリウム』は、2009年に同社初の長編アドベンチャー作品として制作され、同年のIndependent Games Festival(IGF)でExcellence in Visual Artをはじめとした、多くの賞を受賞しています。

本作はいわゆるポイント&クリック形式のアドベンチャー。プレイヤーは主人公のロボット・ジョセフとなり、ロボットたちが生活している都市「マシナリウム」を舞台に、悪党たちに捕らわれている恋人・ベルタを助け出すことが大きな目的となります。

ゲーム内では、ジョセフくんを移動させながらパズルや謎解きをクリアして、さまざまなマップを探索していきます。ゲーム内ではセリフが無く、会話シーンでは吹き出しでアニメが表示されず、言語を必要としないプレイが楽しめます。手書き風のグラフィックやBGMの作り出す世界観も大きな特徴です。

公式スケッチも雰囲気抜群
メニュー画面や操作説明などは日本語に対応しています。

Amanita Designは、ゲームだけでなく多くの映像作品も手掛けています。また、自然保護や地元のゲーム開発サポートも積極的に行うなど、さまざまな活動でも知られています。Game*Sparkでは、同社の創設者Jakub Dvorský氏へのインタビューも掲載しているので、是非ともこちらもご覧ください!


知恵を絞って恋人と街のピンチを救え!

『マシナリウム』の物語は、バラバラのパーツに破壊されたジョセフくんが、街の外にあるスクラップ置き場に捨てられるシーンからスタート。まずは基本的な操作のチュートリアルとして、パーツを集めて復活することを目指すことになります。

ジョセフくんは「胴体部を上下に伸ばせる」「お腹の中にアイテムを保管できる」という2つの能力をもっています。最初は頭部と胴体を合体させ、ロボットネズミ(?)が欲しがっているオモチャを取ってプレゼントし、両足を揃えます。これで歩けるようになり、行動範囲が広がるのです。

アイテムやマップ内のオブジェクト、パズルなどを利用して、新しいエリアへの道やNPCとの交流、そして新たなアイテムの発見などを行っていくのが基本的な流れです。なお、お腹の中に入れたアイテムは、組み合わせることで新しいアイテムを制作できます。

本作の大きな目的は、我が物顔で悪さをしているギャングのブラックキャップ・ブラザーフッドによってさらわれた恋人・ベルタの救出と、彼らによって危機に陥っている街を救うことです。そのために、街中で生活しているNPCロボットを助けていく必要があります。

ジョセフくんは器用なロボットですが、戦闘力はありません。あくまで「伸びる」「アイテム保管と使用」「アイテムを組み合わせる」という3つの行動の中で、ギャングを出し抜くためには知恵を絞らなければならないのです。

丁寧な謎解きが心地よい

ゲーム内に登場する謎解きは、図形パズルのようなものから組み合わせを変えるもの、さらにタイミングを図ってアクションしなければならないものなど、さまざまな種類が揃っています。

もし謎解きがわからない場合にも、本作はヒント機能が充実しています。ヒントには2種類あり、簡単なヒントを表示させる電球と、そのシーンの解法をマンガ形式で表示してくれる本があるのです。本を使用するためには、ちょっとしたシューティングゲームをクリアする必要があります。

謎解きそのものは一部難しいものがあるものの「今できること」を考えれば、自ずと答えが出るようになっているものが多めです。なるべく自力で答えを見つけてほしいのですが、ヒントの漫画を含めた本の中身も書き込まれているので、こちらも是非とも見てほしいところです。

一部モザイクを入れています。

悩み抜いて謎を解き、ゲームが進めば次々と新しい部屋や仕掛け、また、ジョゼフくんがどのように生活していたかといった、世界の色々な部分が見えてきます。実に丁寧な謎解きやパズル、繋がっているエリア同士の関係性が、物語の世界観を支えているのです。

ゲームも遊べます。

この世界の全てに浸ってほしい

筆者はAmanita Designのゲームが大好きで、リリースされているゲームの殆どをプレイしているのはもちろん、公式ストアでシャツやぬいぐるみ、サウンドトラックなどを購入しています。今回2025年初の【ゲムスパロボゲーカタログ】として取り上げたのも愛によるものといって間違いありません。

『マシナリウム』は特にビジュアルとゲーム性、そしてFloex(Tomáš Dvořák)氏によるBGMが見事に調和している作品です。Amanita Designは公式Youtubeチャンネルで多くの作品のサウンドトラックを公開しています。もちろん『マシナリウム』も公開されているので、ゲームの素晴らしい世界観に浸った後に楽しみましょう。

また、Steamで購入できる「Machinarium Soundtrack + Art Book」も絶対におすすめしたい一本。最高のアートブックを堪能できることはもちろん、作中に登場するThe Robot Bandが奏でる「The Robot Band Tune」は、ゲーム内でも最高の曲だと個人的に思っています。Floex氏のBandcampでも公開されていますよ!


『マシナリウム』は、世界中で愛されている超定番のポイント&クリックアドベンチャーであり、今もその輝きは失われていません。どこか不器用でポンコツに見えるジョゼフくんはもちろん、ゲーム内に出てくるあらゆるキャラクターも愛したくなる魅力に溢れています。

謎解きもバラエティ豊かで、苦手なものが見つかったときでも充実したヒント機能です。また、セリフのないゲームであることで、多くの人がプレイしやすくなっています。とにかく、個人的にはあらゆる人にプレイして欲しいゲームです。

オンラインランキング機能も。

Amanita Designは、現在最新作『Phonopolis』を開発中です。本作は、ダンボールで作られた手描きの 3D 世界を舞台にしたストーリー重視のパズルアドベンチャー。人々の心理操作や個人主義といったテーマで、これまでの作品と比べて“複雑でシリアスなもの”になっているようです。こちらも楽しみですね!


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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