
例のポコッ音に誘蛾灯に群がる虫の如く魅せられたゲーマー達の注目をかねてより集めていたXbox 360向けタイトル『The Achievement』(国内名: 『ザ・実績』)の発売が中止されました。公式の発表では「諸般の事情で」とありますが、続いて開発元Romancing Software代表のSalah El-Din氏からメッセージが記載されています。
今回の決定は非常に遺憾である。我々はゲーマーと市場が何を求めているのか常に調査しながら開発を続けてきた。立案から販売までのプロセスにおいて、弊社として何一つ過ちはなかったと考えている。我々はゲームを製作し、芸術を創りあげたのだ。今後もこうした挫折を経験するかもしれないが、我々はそれを乗り越え、ユーザーの期待に応えていく心積もりなので応援してほしい。
あらためて『The Achievement』をおさらいすると、本作は実績解除に特殊な快楽を感じる層へ向けたタイトル。1分ごとに1Gずつ実績が解除されていき、放置するだけで1000G獲得できるという内容です。ただし、完全に放置するだけではなく、ボタン連打やレバー操作などでいくらか解除が速まるというゲーム的要素もあります。さらに500G分のDLCも追加予定でした。
「諸般の事情」の正体が判明しない以上あまり踏み込むことはできませんが、Microsoftの実績設計ガイドラインがかなりの強制力を持つようになった可能性も考えられます。あるいは、ゲーム画面はおろかBGMもSEもなく、メーカーロゴすら出ないゲームを果たしてゲームと呼んでよいものかと問題視されたのかもしれません。
その一方で、伝説の実績ゲー『Avatar: The Burning Earth』がカルト的人気を誇ったことから、同社の舵取り自体にさほど間違いがなかったと言えなくないこともないでしょう。
しかし、いくら多少は介入できるとはいえゲームの定義そのものを挑発するようなシステムや、妙な射幸心を煽る設計が正義かと問われると難しいところです。『The Achievement』の発売中止は、今後のXbox 360(と次世代機)向けの実績設計に一石を投じる形になりました。
なお、今夏8月32日発売予定の『The Trophy』については今のところアナウンスなし。こちらの動向にも注目ですが、おそらく発売中止でしょう。
(ソース: XBOX360 実績解除スレまとめ)