
2025年3月8日と9日、吉祥寺の東急REIホテルと武蔵野公会堂にて『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025』が開かれました。
本イベントにて『Kyoryu』の試遊と開発者インタビューをさせていただきましたので、その模様をお届けします。
ニュージーランドからやってきた『Kyoryu』……日本上陸!
本作はFLOATING ROCKSというニュージーランドのディベロッパーが開発する3Dステルスアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは遺伝子を操作された若いティラノサウルスとなり、崩壊した東京をうろつくことになります。苔むした車や、ひび割れた道路がとてもエモいですね。

まずは道なりに進んでいきます。いきなり肉食恐竜が横たわるエリアに差し掛かったので、背の高い草に隠れながらこっそりと横を通り過ぎていきます。心臓がバクバク言う音が聴こえるのが良いですね。
この手のポストアポカリプスものにあるあるの「旧世界の遺物がどういう用途で使われていたのかわからない」という描写は本作にもあります。自転車を見て「また別の車輪が落ちている……」と訝しむティラノサウルス君が可愛い。
まだ若く非力なティラノサウルス君ですが、物を押すことくらいはできます。車に引っかかっている物を押して、車の上に乗ることでさらに先のエリアに進むことができました。

続いて、水没した通路を進んでいきます。特に障害はなく、ただ通り過ぎるだけでしたが、こんな具合でゲーム内にはあらゆるエリアが存在するようです。
さらにその先に待っていたのは、獰猛な恐竜たちが争っているエリアでした。彼らの頭上に!マークがついているあいだは動くのを止めなければなりません。本能のままに殺し合う恐竜たちの恐ろしさが伝わってきます。
ゲーム全体を通して、グラフィックはかなり素晴らしいです。特にライティングが美しく、ゲーム全体が怪しい雰囲気に包まれています。ダイナミックな自然描写のなかに浮かび上がっている「歌舞伎町」のネオン看板がなんともちぐはぐでたまりません。

また、今回のデモではわかりませんでしたが、ストーリーでは親との軋轢が描かれるようです。このシステムとデザインでそんな話を? とどうしても気になってしまいますね。
神道の舞や忍者に影響を受けたステルス“Kyoryu”ムーブ
試遊後、本作の開発者にインタビューさせていただきました。
――どちらからいらっしゃいましたか?
Lukas Niklaus(FLOATING ROCKS): 私はフランスの出身ですが、開発チームであるFLOATING ROCKSはニュージーランドにあります。
――どのくらいのあいだ開発されているのでしょうか?
Lukas Niklaus(FLOATING ROCKS): 私たちは半年前に制作を開始しました。現在はパブリッシャーを探しているところです。このデモでもって、ゲームに納得してもらえるようなパブリッシャーが見つかることを願っています。

――リリースはいつ頃になる予定ですか?
Lukas Niklaus(FLOATING ROCKS): 2年から3年のあいだには発売したいと考えています。
――本作のデモですが、ややFPSが不安定なように見受けられました。こちらは製品版で直す予定でしょうか?
Lukas Niklaus(FLOATING ROCKS): もちろんです。まだ最適化が間に合っておらず、デモのFPSレートはかなり低いですよね。製品版では60FPSになるよう最適化を続けています。
――恐竜というアイデアはどこから来ましたか?
Lukas Niklaus(FLOATING ROCKS): 私は恐竜とともに育ち、恐竜を常に愛していました。そんなこともあり、いつか恐竜を元にしたゲームを作りたいと考えるようになりまして、ポストアポカリプス世界で恐竜が彷徨うゲームを考案しました。
制作するにあたって、日本の文化に影響を受けました。特に神道の舞や、忍者の動きは参考になりました。屋根から屋根に飛び移るのはかっこいいですよね。

リアリティ溢れる描写と、地に足の着いたどっしりとしたステルスが混じった怪作でした。今後、このKyoryuがどのように化けるのか、今から楽しみです!