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先日、2013年10月20日に行われたUBIDAY 2013で本物のギターを使った音楽ゲーム『Rocksmith 2014』のプレイレポをお伝えしましたが、今回『Rocksmith 2014』のプロデューサーを務めている、Jason Schroeder氏とエグゼブティブ・プロデューサーの肥後直巳氏インタビューが行われました。新機能セッションモードを中心に新しく改良されたインターフェイスやセッションモードのプレゼンテーションや、インタビューの模様などをお伝えしたいと思います。
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まず初めに簡単なインターフェイスデザインの変化の流れから始まりました。初代『Rocksmith』のインターフェイスは当初、ギターのフレットをイメージしたデザインとなっており、メニュー配置が横置きなのは、そこからギターの弦を使って操作が出来るように設計されていたためです。しかし、結局その設計は採用されず、コントローラーなどを使った操作になったことを語りました。『Rocksmith 2014』では初めから使いやすい縦にメニューが並ぶデザインとなっており、それによって利便性が向上したことが語られ、またメニュー画面からスグにギターの音を出るように設計されていることを述べられました。
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次にロード時間の短縮や、リフリピーターへすぐ移動できるようになったラーン・ア・ソングの他、ギターの初心者向けのストラップの取り付け方から上級者向けのジャズスケールをまでを対象にしたレッスン、よりギターそのものやコードにゲームプレイで慣れていくことが出来るギターケードなどを紹介。
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そして、このプレゼンテーションで一番の特徴的だったのが新機能セッションモードです。このセッションモードではプレイヤーが演奏したギター音に合わせ、バーチャルバンド(AI)が自動的に音に合わせてくれるのでプレイヤーは自由に演奏して楽しむことが出来ます。実際にセッションモードプレイする機会があったので、今回はベースギターを使ってプレイさせてもらいました。
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セッションモードをプレイしてみると自分で音の流れを作っていくため少し戸惑いましたが、音を鳴らし段々とそのトーンを高くしていくと、ドラムやギターなどが自分の音に続いてくるのが分かりました。また、自分が表現したい音を簡単に作っていくことが出来るのでバンドを引っ張っぱり、合奏する面白さを体験することが出来る機能だと感じました。ゲーム画面には、スケール表もゲーム画面に表示されているので、そのスケールに合わせて簡単に弾くことができますし、スケール(音階)が変化した際、このスケール表も変化します。このセッションモードは元々、前作『Rocksmith』のアンプモードから「これにドラムがあってもいいよね」から始まった要素で、それから色々な機能が追加されていったと語りました。
このプレゼンテーションの後、プロデューサーのJason Schroeder氏とエグゼブティブ・プロデューサーの肥後直巳氏のインタビューが行われました。
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――『Rocksmith 2014』を制作するきっかけというのは何ですか?
Schroeder氏: ハッキリ言うと「もっと出来ると思ったから」です。もちろん初代『Rocksmith』を制作した時点で、今までにないゲームを作ることが出来たのは確かなんですが、やり残した事は山ほどありましたし、ユーザーさんからのフィードバックも色々とあったので、チームとしてもセッションモードを作りたいという夢もあったので、それらを何とか実現させようというという事からこの企画が始まりました。
――やりたいものを沢山詰め込んだのが『Rocksmith 2014』なんですね
肥後氏: そうですね、これでやっと自分たちが夢見ていたロックスミスが出来たので、次をどうするかと言うのがありますね。これを遊んでくれたら、きっと色んな意見が沢山出てくるので、その反応をみるとやりたいことが出てくると思うのがとても楽しみです。
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――『Rocksmith 2014』の目指した制作目標とはなんでしょう?
肥後氏: 「ギター」というのは楽器じゃないですか。楽器っていうのは練習しないと上達しませんし、難しい。それをいかに遊びやすくするか、本当に初心者もプレイ出来て、ずっとプレイしてても飽きないということは、初心者向けだけにしてしまうと、ある程度上達したらそれでもう離れてしまうのを避けたかったので、前作がちょっと遊びづらかったというところも改善しました。
これなら初心者でもある程度遊びやすくなったし、そこからさらに上に昇る何かが必要だということを考えてトーンデザイナーの強化や、セッションモードの追加、マルチプレイヤーの改善などより深く遊べるし上達できるようにしました。ファンの中では2年間遊んでいるプレイヤーもいて、ユーザーのプレイ動画をYouTubeで見ると、初めて一週間からのプレイと、二年後のプレイを見るのとでは、すごく上達してるのが確認できるのが嬉しいし、そこからさらに上に行って欲しいなというのもあります。我々が楽しみにしているのは、セッションモードをどう使ってくれるのか、セッションモードを使ってどれだけ上達してくれるのかというのが楽しみです。ユーザーさん達がさらに上を目指し、どう進化していくのかというのが目標です。
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――『Rocksmith 2014』に搭載されるセッションモードの開発はどれぐらい掛かりましたか?
肥後氏: セッションモードは初代『Rocksmith』が完成した時からアイデアとして挙がっていたので、まるまる二年間かかって完成したものです。開発に関して様々な協力がありました。セッションモードで鳴っている楽器を、とても自然に表現するのはかなり大変でした。この収録されているギターなどはかなり作りこんでいて、弦を放した時の開放音やスライドした時の止まる音など、すごく細かい音など再現しているので、実際に聴いてみると、とても自然に聞こえてくるんですよ。その細かさを再現するのに1年かかりました。
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――『Rocksmith』では今後、他の場所にいるユーザーと一緒にプレイ出来るオンラインマルチプレイヤーを導入する予定はありますか?
Schroeder氏: 我々としてもオンラインでプレイ出来るようにしたいのですが、一番のネックがレイテンシ―です。相手がプレイしてから音が聞こえるまでの遅延がどうしてもネットワークだと多くなってしまうので、そこのハードルをどうやって乗り越えられるかが課題なので、まだ実現出来ていません。それ以外のネットワーク要素ではスコアで競い合うといった、そういうものを本作ではやっているので、その点に関しても次作ではもう少し「何かできないかな」といった段階でもあるし、まだまだやりたいことは沢山ありますし、いつかはやってみたいと思います。
――国内で前作『Rocksmith』を発売してからユーザーからどんな反響がありました?
肥後氏: やはり日本のユーザーとして日本の曲をプレイしたいというのがありました。それを初代でもやりたかったのですが、タイミング的になかなか上手くいかなかったのですけど、『Rocksmith 2014』で実現できました。
B'zと松本孝弘さんの曲が一曲づつ収録されているので、ワールドワイドでリリースするので日本の音楽を全世界のユーザーにプレイしてもらえるということが嬉しいですし、実際にこの曲を実装しているギターチームのスタッフも、日本の音楽聴いてプレイして「素晴らしい!」「このギターなんでこんなに上手いんだ!」って言ってくれるんですよ、彼らもこのゲーム開発を通して音楽のジャンルが広がったようで日本のロックにハマってるスタッフもいるんですよ。ユーザーの方々にもそれを是非体験してもらいたい気があったので、それを実現できたのがすごく嬉しいです。DLCで邦楽曲も何曲も配信されるので、それもすごく楽しみにしています。
――最後にユーザーに向けて一言お願いします
Jason Schroeder氏: 多くのユーザーに遊んでいただいて楽しんでもらいたいです。さらにセッションモードをどのように活用するかとても楽しみにしてますし、皆さんのフィードバックなど、ここからさらに良いものを作っていけてばいいか、導いてもらえれば我々としてもすごく嬉しいです。一作目を試して難しくて離れてしまったユーザーも、本作は大幅に強化、とても良くなったのでもう一度チャレンジしてみてください!
肥後直巳氏: ゲームをやっただけで別のスキルを身につけるというゲームは数少ないと思うので、一作目でやっとそれをやり始めたてから次の段階で、これだったら行けるのではないかと心から思ってて、多くのユーザーにプレイしていただいて満足できる物に仕上がったので是非是非試して頂きたいなと思います。
――ありがとうございました。
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また肥後氏は楽曲DLCを毎週配信する予定で、邦楽楽曲DLCは二週間ごとに配信される予定ということも語られました。『Rocksmith 2014』は国内でPC/PS3/Xbox 360向けに11月7日発売予定です。