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8月31日、米シアトルで開催されたPAX Prime 2015にて、プラチナゲームズが手がけるXbox One用タイトル『Scalebound』のパネルイベントが開催されました。
このイベントには、プラチナゲームズの神谷英樹氏、稲葉敦志氏、ジョーン・ピエール・ケラムス氏が登壇。司会はXbox広報担当のラリー・ハリーブ氏が務めました。
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まず、ゲーム開発スタッフによるゲームプレイデモが披露されました。このデモは初期アルファ版であることを前置きしていましたが、システム自体はすでに完成されているように見えました。さらに、神谷氏のゲームらしいスタイリッシュなアクションやAIのドラゴンが縦横無尽に暴れまわる姿も確認。敵を倒した際にドロップする宝石は、『ベヨネッタ』や『デビルメイクライ』といった同氏の作品を思わせる演出です。
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神谷氏によると、ドラゴンと協力しながらダンジョンなど攻略していくのが基本になると説明。また、主人公ドルーが装備している武器ですが、ゲームを進めていくにつれ様々な強い武器が手に入るようになるとのこと。
ハリーブ氏の「なぜこのようなゲームを作ろうと思ったのか?」との質問に対し神谷氏は、子供の頃からドラゴンや恐竜が好きで、それらをメインキャラクターにしたゲームをいつか作りたいと思っていたと回答。巨大な怪物同士が戦うというコンセプトは「ウルトラマン」や「ゴジラ」のような特撮作品から、ファンタジー世界を舞台にしたのは、神谷氏がPCでプレイしていた『ソーサリアン』や『ハイドライド3』から影響を受けたのだそうです。
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神谷氏はスタジオを立ち上げた約10年前から『Scalebound』のようなドラゴンがでてくるゲームが作りたがっていた、と稲葉氏の口から語られました。しかしながら、まずは本人が得意な作品を作ってスタジオのレベルを上げていくという方針をとったために、現在まで開発が叶わなかったとのことです。また、『ベヨネッタ』開発後にしばらく神谷氏がゲームを開発していなかった時期に関して、実はその期間にドラゴンがでてくるゲームを稲葉氏とともに進めていたのだと明らかにしました。しかし、その時に進めていた作品は形にならずに流れてしまいましたが、今回ようやく『Scalebound』という作品で形になったのだと語られました。
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今作をアクションRPGとしたことについては、ドラゴンがメインキャラクターで出てくるゲームはあまり多くなく、ドラゴンと一緒に広大な世界を冒険するというゲーム内容にしたかったために、単なるアクションゲームではなくRPGにしたのだと神谷氏は述べました。RPGらしく、ドラゴンにはカスタマイズ要素が多く盛り込まれており、スキンや攻撃方法など多くを自分の好みに合わせて変更可能となっています。
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ゲーム内では、広大なフィールドをドラゴンに乗って自由に駆け巡ることが可能であることも明らかにされました。会場では、ドラゴンに乗って飛ぶシークエンスをプレイデモで披露。ドラゴンに乗った状態で敵を攻撃したり、上空から気になるものを発見すれば、そこへ自由に飛んでいけるとのことです。開発機上では、ドラゴンはマップ内を時速100キロ~200キロの速度で飛行が可能であるとのこと。今作がいわゆる「オープンワールド」なのかとの質問に対し、神谷氏はオープンワールドの定義はさまざまななので、オープンワールドという言葉は使いたくないと前置きし、少なくとも『ベヨネッタ』のようにステージ別ではなく、世界が広大に広がっていて、その中で自由に冒険したりメインストーリーに戻ったりできるものになっていると語りました。
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最後に主人公ドルーについて。これまで神谷氏が手がけてきた主人公は超人的なキャラクターが多かったが、ドルーは普通のどこにでもいる青年であると説明。ドルーのモーションとボイスアクターを務めるジョンもステージに登壇し、ドルーそのままの人柄を披露し会場を沸かせました。ジョンは、神谷氏が思い描いていたドルーそのものだったそうで、それには稲葉氏も共感していました。
プラチナゲームズが手がけるアクションRPG『Scalebound』は、Xbox One用タイトルとして海外では2016年ホリデーシーズンにリリース予定となっています。