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9月25日、「Xbox One 大感謝祭 in Tokyo」に先だって報道関係者向けに開催されたプレス事前体験会。その中で、インディーデベロッパーStudio MDHR開発の新作2Dアクション『Cuphead』のデモプレイに参加しました。本記事ではそのインプレッションをお伝えします。
古風なアニメーションやジャジーなサウンド、そして愛らしいプレイアブルキャラクターからは、「蒸気船ウィリー」などディズニーアニメ初期作品のような印象を強く感じられるでしょう。ジャンルはオーソドックスな2Dアクションゲームで、ある意味では2つのクラシック感が同居しているようにも思えます。デモを通して体感できたのはチュートリアル的な2種類のボス戦闘。どちらも「敵の攻撃パターンを読む」「武器を切り替えて攻略する」といったプレイが求められ、同作序盤のゲーム難易度がうかがえる内容でした。
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ボタンひとつで攻撃方法を切り替え、敵の弾幕にあわせて回避と攻撃を繰り返す……といったプレイフィール自体は、特に日本人ゲーマーにとって目新しさを感じられるものではないかもしれません。『メトロイド』や『魂斗羅』をやり込んだ経験のある方なら、「初見ノーミスクリア」すらも可能性として立ち上がってきます。しかしながら、とりわけ異色に感じられたのは細部まで丁寧に描かれたアニメーション風演出。初期カートゥーン作品をゲームとして遊ぶような手触りは新鮮で、意表を突かれた感覚すらありました。
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キュートな見た目と裏腹に、敵の攻撃パターンは意外にも骨太設計。注意深く敵の攻撃パターンを眺め、ジャンプやしゃがみ、射撃を繰り返しているうちに、プレイヤーは徐々に本作のグラフィックスタイルにのめり込んでいくことでしょう。ちょっとした色使いの“かすれ”やキャラクターのモーションは特に見応えアリ。操作レスポンスも良く、この独特なビジュアル表現を含めて楽しむための絶妙な難易度設計が施されているように思えました。
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ジャンルとビジュアル、2つのクラシック感を併せ持つ『Cuphead』ですが、ゲーム性そのものは決して「古さ」を感じさせません。ディズニー初期作、そしてアニメーション黎明期まで遡るビジュアルに興味を持った方なら触っているだけでも魅力を体感できるでしょう。アクションゲームとしてガッツリ楽しみたい方も、真剣に画面を睨んでいるうちに『Cuphead』のユカイな世界観に引き込まれるはず。シンプルながらも巧妙なゲームデザインを感じさせる本作は、Xbox One/PCに向けて2016年よりリリース予定です。