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10月28日から11月1日の日程でフランスはパリにて行われたParis Games Week 2015、Game*Sparkでは来年発売が予定されている『Battleborn』のハンズオンデモと開発者インタビューを行う機会がありました。本稿ではそこで得られた情報とインタビューの模様をお届けします。
満員の2Kブースに通され、先ずはルールについて説明が。今回用意されたデモは「MELTDOWN」と言うモード。人数は自軍5人と敵軍5人に分かれての対戦。得点するには時間により発生する自陣のミニオンを、敵陣近くにあるスーサイド(自殺)ホールまで無事送り届け、消滅させればポイントを獲得できます。
敵チームが操作するプレイヤーキャラを倒したり、敵ミニオンを倒して得点されるのを防ぎつつ、自軍のミニオン達を護衛してゴールまで敵より多くエスコート出来れば勝ちと、かなりMOBA色の強い印象。ルールが分かったところでゲームスタート。自軍5人のキャラ選択を見ているとなかなかバラエティーに富んだ面子。筆者はステータスを元に、イギリス紳士風のロボット「マーキス」を選択。全員がキャラを選ぶと間もなくスタートです。
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移動も射撃も『ボーダーランズ』に似て軽快であっさりめです。そして何よりゲームの展開が驚くほどスピーディー。少しもたもたしているとゲームの中心から置いて行かれます。戦略が確立されてない為か、兎に角プレイヤーがミニオンを中心に固まりがちだったこともあり、乱戦に終始してしまいました。が、終わってみると派手であくの強いゲーム画面とは裏腹に、深い戦略性を感じ取れました。さらにやり込んでマップを知り、ミニオン送迎のレーン(ルート)と敵ミニオン撃退の待ち伏せポイント、そしてプレイヤーキャラが合流しがちな集団戦のポイント等を押さえ、キャラの特性とスキル、相性を把握し、自軍内で連携を図らねば、と自然とFPSとMOBAが上手く融合しているのを思わされました。
以下、本作プロデューサーであるMelissa Miller氏インタビューの模様をお届けします。
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――先ずは役職と本作への携わり方について教えて頂けますか?
Melissa Miller氏(以下Miller氏): はい。私は本作のプロデューサーであり、開発ディレクターでもあります。つまり直接の開発人員ではなく、開発全体の作業を管理監督する立場と言ったところでしょうか。
――今まで手掛けられてきたタイトル等を教えてもらえますか?
Miller氏: 『Borderlands 2』でもプロデューサーでしたし、それとも『Bioshock』シリーズを代表作に挙げるべきでしょうか。あと『Civilization』シリーズも手掛けてきました。直近の作品は『Civilization: Beyond Earth - Rising Tide』です。2Kでは長くプロデューサーとして働いています。
――8月のGamescomではシングルキャンペーンを遊ばせて頂きました。今回マルチプレイを遊びましたが、手応えが違い、別のゲームのように感じました。
Miller氏: そうですね、Gamescomで展示していたのは複数人同時参加型のストーリーキャンペーンのCo-opプレイでした。今回は対戦型のマルチプレイです。作品としては両方に重きを置いていますが、ゲームプレイ的には印象が大きく違うかもしれません。またマルチプレイは今回展示したモードの他に2つ、計3つのモードを予定して開発しています。
――かなりMOBAっぽいと言うか、その影響を感じました。これはパッケージソフトですよね?
Miller氏: 我々はF2Pゲームは作ってません。本作はAAAで、非常に作り込まれた大型パッケージソフトです。ただ仰られる通りMOBAのエッセンスは取り入れています。数の多いプレイヤーキャラクターや種類の多いスキル、ペースの速いレベルアップ、5人対5人、ミニオンの存在、素早いゲーム展開などはそうでしょう。
――何故MOBAスタイルのマルチプレイを選ばれたんでしょう?
Miller氏: 1つはシングルキャンペーンにCo-op要素を盛り込んでいることがあります。Co-opプレイ的なオンラインマルチプレイはストーリーを追いながらシングルモードで遊べると言うこと。それともう一つ大きな影響を受けているのが映画の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」ですね。異なるスキルを持った多くのキャラが登場し戦うというところです。それをゲームで再現するのは面白いのではないかと。この辺は『ボーダーランズ』からの影響でもあります。
――キャラクターは全部で何体いますか?
Miller氏: 25体登場します。これらは最初から全て使えるのではなく、シングルキャンペーンなどゲームを進めていく上でアンロックしていくものになります。
――25体はかなり多いですね。それらはさらに増える予定はありますか?例えばDLCなどで?
Miller氏: 予定がない訳ではありませんが、今はこの25体のバランスに注力して開発をしている状況です。ゲームの売上にもよりますし、今は何とも言えませんね(笑)
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――キャラクターデザインのアートスタイルが確立されていますね。
Miller氏: 何といっても『ボーダーランズ』の制作チームですからね。何というか、突拍子もなくて、スタイルがあると言った感じかしら。例えば宇宙海兵隊と魔術師と侍を同じ画面上に登場させるのだから、イメージを統一させなければチグハグになってしまいます。その辺は苦労したところですね。
――2Kと言えばキャラクターメイクには定評もあって、多くのシンボリックなキャラクターをお持ちですけど本作には登場しないのでしょうか?例えば『ボーダーランズ』のクラップトラップが出たりとか。
Miller氏: 今は何も言える段階ではありませんね。あり得ない事ではないとだけ言っておきましょう。大事なのは本作は全く新しいIPであり、先ずその世界観を確立せねばならないということです。
――発売を楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。
日本国内での発売も既に決定されている『Battleborn』。先ごろ海外での発売延期も発表されたばかりですが、日本国内での発売日や価格など、発表が待たれるところです。