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E3の開催に合わせ、ポータブルゲーミングPCの『SMACH Z』を開発しているスペインのスタートアップメーカーSMACH Teamが、メディア向けの説明会を実施しました。
『SMACH Z』は、2016年にクラウドファンディングキャンペーンを実施して話題となった、PS Vitaスタイルの小型PCです。OSはLinuxベースで無料の独自OS「SMACH OS」か、Windows10(別途ライセンスが必要)をサポートしています。スペックは以下の通り。
- CPU: AMD RyzenTM V1605B SoC at 2.0 GHz base 3.6 GHz boost
- コア数 / Threads: 4/8
- GPU: RadeonTM Vega 8 Graphics. 8 CU 1.1 GHz
- RAM: Up to 16GB DDR4 2133 MHz. 4GB (SMACH Z) || 8GB (SMACH Z PRO)
- ストレージ: Up to 256GB SSD. 64GB (SMACH Z) || 128GB (SMACH Z PRO)
- ディスプレイ: 6” FULL HD (1920x1080) Capacitive touch-screen
- バッテリー: 5 hours of gaming. (4 cells of 3200mAh each. 46WHr)
- MicroSDカードスロット
- USB 3.0 type C
- USB-A
- Micro-USB
- Display Port video out
- Wi-Fi connectivity 5.0 Ghz
- Bluetooth connectivity.
- Front-camera 5-megapixels (PRO model only)
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会場は、E3会場からほど近いホテルの一室で、SMACH Z TeamのAntonio De La Torre氏とDaniel Fernandez氏が迎えてくれました。編集部が訪れた際は、残念ながら最終スペックのデモ機が故障中とのことで、同等のPCや開発機を使っての説明となりました。
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このグラフィック設定で、常時30fps以上は確実に出ており、ストレスのないプレイが可能でした。720pの動作ではありましたが、6インチの画面で見るには十分な解像度ではないでしょうか。ただし、実機では熱など様々な要素も加わるため、この開発機での動作とは変わってきそうです。
続いて、本体のモックと、同スペックのPCに接続されている試作機を触らせてもらいました。大きさは、想像していたよりも大きく感じ、厚さもそこそこありました。見た目そのままに、「Steamコントローラに6インチディスプレイが付いている感じ」といえば伝わるでしょうか。全体的なボリュームとしてはWii U GamePadに近いかもしれません。
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使い勝手に賛否のあるSteamコントローラ準拠のパッドになっていますが、これはテンキーやアナログスティックに自由に換装できるので、自分のやりやすいスタイルでオーダーすれば問題ないでしょう。遅延を考慮したためか、外部出力にはHDMIではなくDisplay Portを採用していました。
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拡張性については、ユーザーがマザーボードまでアクセスできるため、購入者自身がメモリやSSDを換装できるとのこと。
残念ながら実機を触ることができませんでしたが、どこでもAAAタイトルで遊べるという「SMACH Z」に大きな可能性を感じることはできました。当然、一般的なPCの使い方には向きませんが(やりようによってはいけそうですが)、GPD Win 2同様、好きなPCゲームを外へ持ち出すためのサブ機としての役割は十分に果たしてくれそうです。
「SMACH Z」は9月発売予定で価格は699ユーロから。公式サイトにて予約受付中です(英語のみ)。