Steamで早期アクセスタイトルとして提供中であった『Dead Cells』が、2018年8月7日に「v1.0」として正式リリースされました。あわせて、PS4/ニンテンドースイッチでも国内向けに販売されています。
Motion Twinが手がけ、2017年5月の早期アクセス配信当初から高い完成度を感じさせていた本作ですが、着実なアップデートを重ねたことが功を奏して、既に大きな反響を得ています。筆者は早期アクセス版から度々プレイしていましたが、フルリリースを迎えたということで改めてイチから挑んでみました。しばらく触っていなかった方も、様々な追加要素がありますのでもう一度潜ってみてはいかがでしょうか!?
「ローグヴァニア」と銘打つ挑戦的作品
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Motion Twinは本作のジャンルを「ローグヴァニア」と説明しています。やられてしまえば初めからやり直しとなる「ローグライク」なルールではあるものの、プレイフィールは「スピーディなアクション・プラットフォーム」といった質感です。潜り込むダンジョンの形が周回ごとにランダムで構成され、途中で得られるアイテム達も何が出てくるか分からない……というところは一般的なローグライクの形を踏襲しています。
アクション要素の強い本作はちょっとしたミスでゲームオーバーとなりやすいので、慎重さを求められる場面が多発しますが、スピード重視の攻略に応えるかたちでの報酬が用意されていたりと、様々なプレイスタイルを楽しめるでしょう。
触ればすぐ実感できる操作感の良さ
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ドットアートは美しく繊細……まるで格闘ゲームのように緻密なアニメーションが用意されているにも関わらず、プレイヤーの入力に応じて「キャンセルアクションの連続」が起こり、かなり直感的な操作が可能です。
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また横スクロールアクションでよくある「愚かな転落」によるミスは、プレイヤーの集中を削いでやる気を冷ませてしまいますが、パルクールのように優秀なアシストが働くことで、かなりの防止効果を生んでいます。
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更に「プラットフォームの高さや距離」が、直感的に視覚で捉えられる絶妙な範囲に設定されており、「ジャンプで到達できる・できない」を瞬時に判断しながら進行できるようになっています。これらがうまく噛み合わさっているので、瞬発力を要する攻略をしながら効率の良い道のりを選び続けるといった感覚を味わえるのです。
周回、周回、周回!アンロックで恒久強化
ゲームの長さとしては、突っ走れば(理論上は)1時間程度でラスボスまで到達できるほどです。メトロイドヴァニアとしてはかなり短いので、この点ではローグライク寄りといえます。
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基本的にはステージクリア型で、謎解きも存在しないので何度も同じ場所を右往左往することはありません。仮にそのような状況でも要所にテレポート地点が現れて素早く活用できるので、タイムロスを感じさせない作りとなっています。
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道中で入手する「セル」を使うことで、様々なアイテムや能力のアンロックが可能となります。これらは恒久的なものとして扱われるので、次の週で入手できるアイテムの種類が増えて戦術が広がっていくわけです。
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そして周回を繰り返していると時折「ストーリー」を感じさせる部屋が登場して、謎に包まれた主人公の状況を少しずつ解きほぐしていけます。この場面ではゲーム内のタイマーが停止するので、進行に影響を及ぼさないようになっており、細やかなゲーム設計を感じられます。
難易度は高い!バランスには課題が残る
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いわゆる『DARK SOULS』型の回復手段なので、攻略中は限られた回数でしか体力を戻せません。中継地点でリセット可能であるものの、後半へ進むにつれて敵の攻撃力や激しさが跳ね上がるため、進行を急いで装備が不十分だと一撃が命取りとなります。
敵の個性が強いので、囲まれてしまえば一瞬でゲームオーバーになってしまうことも……。そうした中で、敵の行動パターンや攻撃タイミングを把握し、様々なアイテムによるスタイルを極めていくハイスピードな戦闘は本作の醍醐味といえるでしょう。
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しかしながらスタイルが洗練されてくると、どうしても「アイテムの強弱」をはっきりと意識することになります。アイテムのアンロックは選択的に行えるので、弱いアイテムを登場させないようにあえてアンロックしない……なんて攻め方もアリになってくるわけです。
以上のように「答えに近い装備の組み合わせ」が限られてきて、ローグライクとしての要素が薄くなってしまうという面があります。更にプレイヤーが慣れてくると、最初のステージなどは毎回ほとんど同じような行動となり、探索や戦闘は無用となっていきます。後半のボスまで同じような行動でようやく辿り着いたけれど、すぐにやられてまた最初から……という流れに心が折れてしまうこともあるかもしれません。
冷静と情熱の「腕」を問うゲーム
アンロックを目的とした丁寧な探索も、スピードを重視した熱い攻略も楽しめる本作ですが、やはり反射神経的な要素の強いタイプのゲームです。どれだけ敵の動きを把握したとしても、スピードを上げて進みたくなる不思議な魅力があります。
構造上、一周の間に何度も戦闘スタイルが変化する訳ではありませんが、アイテムの中には設置して罠にかけるタイプのものや、自動で遠距離攻撃を行うものなどがあり、じっくりとトリッキーな攻略を楽しむこともできます。
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また、ゲーム中には「盾」がアイテムとして存在し、タイミングよく敵の攻撃に合わせて使用することで「強力なカウンター」を繰り出せます。相手の攻撃を見切ることに快感を感じるタイプのプレイヤーならば「盾」にのめり込めるでしょう。
以上、問題点も挙げながら紹介させていただいた「ローグヴァニア」ゲームの『Dead Cells』でしたが……「プレイヤーの腕前を上げること」に打ち込むのが好きな、熱い心を持つゲーマーにこそオススメ。『Dead Cells』はPC(Steam)/PS4/ニンテンドースイッチで国内向けに発売中。通常価格は2,480円です。